やりたくなるから大丈夫。
旦那さんを最近亡くし、両親もすでに見送り、いよいよ一人になってしまったと話す女性T様から「会いたい」とご連絡をいただいた。坂爪さんを知ったのはついさっき、友達と食事をしていた時に「こういう人がいるんだよ」と教えてもらった。投稿を見たら「東京にいる」と書かれてあって、ただただ会ってみたいと思って連絡した。T様は、そのようなことを話した。
T様は、旦那さんとの思い出を泣きながら語った。生まれてはじめて、この人と一緒にいると安心できると思える人と出会った。私は私を責め続けていたけれど、旦那さんは、私のダメなところを大笑いしてくれるような人だった。これまでは仕事が忙しかったけれど、コロナになってからは家で仕事をするようになったから、ガンになっても働くことができた。一緒にいられる時間も増えて、ガンが骨に転移してからは私も寝不足になってふらふらしちゃって、今では杖がないと歩けない感じになってしまったけど、最後の時間を一緒に過ごすことができた。
本当にどうしようもなくなったら、旦那さんのところに行ってもいいよねって思うことで、頑張ることができた。今はその時期を脱したけれど、自分が好きになった人はみんないなくなってしまうと思うと、怖くなったり、心配になってしまう。本を読んでも「やりたいことをやろう!」と書かれてあって、それがないから困っているんだよと思う。だけど、今日、本当に久し振りに、自分から何かをやりたいと思った。そして、坂爪さんに連絡をしたら、本当に、会えた。本当にやりたいことはすぐに叶うのかもしれない。T様は、そのようなことを話した。
T様から「坂爪さんは怖くなることはないのですか」と聞かれた。怖くなることはある。だけど、そのモチベーションで動くことは少ない。そんなことよりも、私がどういう風に生きているのかを知ることよりも、今、自分がしていることのすごさを覚えていて欲しいなと思った。一人で過ごす時間の多かったT様は、久し振りに外に出て、久し振りに人と話して、久し振りに新しい情報に触れて、久し振りに自分から誰かに会いたいと連絡をして、実際に、会った。私に連絡した瞬間は、目的とか、計画性とか、そんなものとは無縁だったと思う。そんなことより「会ってみたい!」の気持ちが勝り、心のままに動き出した。そうしたら、本当に、会えた。そのことを覚えていて欲しいなと思った。
やりたいことのストックなんてなくてもいい。怖くてもいい。ただ、生きていたら、自分がいる場所から一歩外に出たら、何かをやりたいと思う気持ちが湧き上がる時がある。その声を、無視しないで、大事に拾い上げて欲しいなと思った。ダメになった記憶ではなくて、大丈夫だった記憶を思い出して、体に覚えさせて欲しいなと思った。T様は「ありがとう」と言って、涙を流した。そして「久し振りに面白いことがあった」と笑った。いつも一人でいて、つまらないな、つまらないなと思いながら暮らしていた。だけど、今日、久し振りに面白いことがあった。そう笑うT様は、なんだかスッキリしているように見えた。本当にやりたいことはすぐに叶う。やりたいことのストックなんてなくてもいい。やりたくなるから大丈夫だと思った。
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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