猛暑のなか、氷ビジネスはもうかるのか? Photo by Paul Hennessy/Anadolu Agency via Getty Images

画像ギャラリー
インク(米国)ほか

インク(米国)ほか

Text by COURRiER Japon

世界中を猛暑が襲うなか、猛暑を逆手にビジネスができないか考えている人も多いだろう。米国では検索ワードのトップに「製氷機ビジネス」があがっているようだ。氷ビジネスは儲かるのだろうか?
猛暑のなか、米国の若者たちは自分でできるビジネスを考えている。米ビジネス誌「インク」によると、テキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピ州でもっとも検索された言葉に「ice machine business(製氷機ビジネス)」や「ice machine business for sale(売り出されている製氷機ビジネス)」などがあがった。

猛暑を逆手にビジネスを始めようと考えている人が多いのだろう。製氷機ビジネスでどのように儲けるかを指南する動画が多く出回っていて、特にミレニアル世代やZ世代の関心は高い。

重さ6500ポンド(3000キログラム)の氷を保管できる自動販売機は1台15万ドル(約2400万円)するが、ニュージャージー州の街中に設置されたある自動販売機は年間30〜40万ドル(約4800万〜6400万円)を売り上げる。単純に計算すれば、元手を考慮しても1年目から利益が出る可能性があるビジネスなのだ。

氷の自動販売機の市場は37億ドル(約5920億円)だが、暑さがますますひどくなれば、今後10年間で市場は約10倍に膨らむとの見方も出ている。

家族経営の氷やさん



氷ビジネスは息が長いようだ。カナダの公共放送「CBC」は、独自の氷ブランド「ビッグビーバー・アイス」の製造と販売を続ける家族について報じている。

「ビッグビーバー・アイス」を経営するコワルスキー家は、自身の工場で1日7.5トンもの氷を製造する。浄水から製氷、袋詰め、保管までの工程をすべて1つの工場でおこなっている。

インタビューに答えた「ビッグビーバー・アイス」の主であるマーク・コワルスキーは「収益も大きいビジネスだが、ストレスも多い。きちんと決められた量の氷をレストランや自動販売機に納めないといけないからね。暑くなればなるほど、氷の需要は増える」と話している。

世界中を猛暑が襲うなか、人々が求めるのはハイテクな何か、ではなく、手っ取り早く身体を冷やしてくれる「氷」なのかもしれない。猛暑でどのようなビジネスが成長するか注目したい。



インク(米国)ほか

インク(米国)ほか

おすすめの記事

注目の特集はこちら