Zenwalk GNU Linux Current 2023 は、Slackware ベースのデスクトップ向けディストリビューションで、商業的な目標、収益、スポンサーシップもなく、ただ純粋に Linux への愛の為だけに趣味的に開発されているものです。
Slackware とは 100%の互換性があると言われており、インターネットアプリケーション、マルチメディア、プログラミングツールに焦点を当て最新の多目的なデスクトップを目標とし、またグラフィカルなツールとコマンドによって初心者から上級ユーザーまでを対象として設計されています。
デスクトップ環境には Xfce が採用されています。
一番重要なことは、Zenwalk は「女の子」です。公式が言っているので間違いありません。
「Current」は開発中のバージョンなので最新ではありますが、安定版ではありません。現在の安定版は「15.0」です。
このサイトでは Slackware 系はあまり扱っていませんでしたので、レビューさせていただきたいと思います。
Zenwalk を最近インストールしたという日本語の情報も少ないみたいですし、せっかくなので「Current」を。
Zenwalk GNU Linux の公式サイトの「Download」からお好みのミラーを選択してダウンロードします。
Zenwalk 8.0 以降は 64bit だけの対応です。
Virtualbox の設定はいつも通りです。
ISO イメージをセットして起動すると boot 画面が開きます。
Enter
TUI のインストーラなので画面数が多く長くなります。覚悟してください。
キーマップを選択します。「qwerty/jp106.map」
入力を確認してOKだったら「Enter」→「1」→「Enter」
やり直すときは「2」→「Enter」
root でログイン。パスワードはありません。
「cfdisk」か「fdisk」でパーティションを切ってから「setup」しろと書いてありますので素直に従います。
「cfdisk」でやりました。
「dos」タイプでやっています。パーティションは男らしくroot1本。boot フラグをお忘れなく。
「setup」を叩くとなんか見たことのあるインストーラの画面。
「KEYMAP」を選択すると勝手に順番に進んでいきます。
KEYMAP は念のため先ほどと同じものを選択します。
スワップがないと文句垂れられます。そりゃそうです。作ってないもん。「Yes」
選択の余地なし。
「Format」
急にへたれて安全そうな道を歩みます。「ext4」
「OK」
「Install from a CD or DVD」
なんかめんどくさそうなので「auto」
Slackware 系は全部ぶちこむのが基本みたいなので、全部ぶち込みます。
「full」と「terse」の違いが良くわかりません。とりあえずデフォルトだった「terse」にします。
せめて「RECOMMENDED!」は一つにして欲しいです。悩みます。
「simple」にしておいた方が平和そうです。
ここもおとなしく「standard」
ここは多分空白でOK
BIOS 形式なのでブートローダは MBR にします。
起動時のサービス。とりあえずそのまま「OK」
ハードウェアクロックは UTC に合わせます。
タイムゾーンの設定「Asia/Tokyo」
ここは好みで「vim」
一般ユーザーは作ります。「OK」
ユーザー名(ログイン名)
パスワード(1回だけ)
root のパスワード
root のパスワードは2回
「OK」
ここまで来たら「EXIT」
あれ?どこでファイルのコピーやってたっけな?画面数多すぎて忘れました。
ここでは一旦「Power Off」を選択します。
シャットダウンしたら、ISO イメージを除去して再起動します。
なんか画面壊れてるような気もするんですがこんなもんなのでしょうか?
それから放置してても起動しません。「Enter」
ログイン画面。本当はテキストボックスの横になんか書いてあるのですが黒くて読めません。
ログインID入力して「Enter」押してパスワードです。
起動時にインストールが必要なパッケージがあったらこんな画面が出ます。「1」でインストール。
さて、環境を最新にしたいところですが、まずはリポジトリの設定をします。
su -
vi /etc/slackpkg/mirrors
でリポジトリのリストを開き、「JAPAN」で検索して「slackware64-current」を含む行のどれか一つのコメントを外しておきます。
あとはちゃちゃっとコマンド叩いて最新に更新します。キャプチャは忘れました。
su -
slackpkg update
slackpkg install-new
slackpkg upgrade-all
インストールがある場合は、こんな画面が表示されます。
もし EFI モードでカーネルにアップデートがあった場合は、
su -
cp /boot/vmlinuz /boot/efi/EFI/Slackware/vmlinuz
とやる必要があるとのことです。(未検証)
「メインメニュー」→「Settings」→「Language」で日本語を選択します。
「ja_JP.utf8」を選択します。
変更したら一旦再起動しましょう。ログアウト・ログインでもいいかもしれません。
「IBus - Anthy」が好きなのでそれで行きます。まずはパッケージをインストールします。
su -
slackpkg install ibus-anthy
次に「vi」で「~/.profile」を編集して以下を追記します。本当は「X」に関連することは「.xprofile」に書くべきなのかもしれませんが、うまくいきませんでした。
export GTK_IM_MODULE=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
最後に「メインメニュー」→「設定マネージャー」→「セッションと起動」→「自動起動アプリケーション」に「ibus-daemon」を登録します。
こんな感じ。これでいったんログアウト・ログインしたら「ibus」が起動しています。
あとは「IBus」を右クリックして、
こんな感じに設定すればOKです。
CD イメージからインストールします。そのままではパッケージが足りませんので、ついでにインストールします。
CD イメージをセットして、
su -
slackpkg install kernel-headers
clackpkg install kernel-source
cd /run/media/{ユーザー名}/VBox_GAs_{バージョン}
./VBoxLinuxAdditions.run
cd
eject
インストールしたら再起動します。
まずは neofetch
カーネルは 6.1.52 です。
メモリ使用量は 762MiB。思っていたより使っていましたが充分軽いです。
ディスク使用量は 9.1G。これも予想より使っていますね。
Firefox は 117.0。日本語化は Firefox で設定する必要があります。まだ、セキュリティアップデートがかかっていませんね。
Youtube の動画は再生できますが、負荷がかかると音声にノイズが入ります。
m4a や flac は追加インストールした Audacious で綺麗に再生できました。出力ストリームは Pipewire です。
ただし、Audacious は Qt もインストールしないと起動しませんでした。
LibreOffice はプレインストールされていませんでしたので、「Flatpak」で入れてみます。
flatpak install LibreOffice
Flatpak 版は初めて使いましたが、7.6.0.3 が入っていました。日本語も問題ありませんでした。
他プレインストールされたアプリケーションは比較的少なめです。開発系が少し多めに入っているかな?
これは自分で環境を作るのが好きな人向けのディストリビューションですね。
slackpkg も完全に依存関係を解決してくれるわけではありませんので、ある程度野生の勘が求められます。
しかしそうやって作った環境には確実に愛着がわくと思います。
私は環境をこわした時の絶望感が怖いのでインストールしてすぐ使えるディストリビューションを選んでしまいがちです。
あまり使ったことのない Slackware 系の環境で試行錯誤しながら遊ぶのは楽しかったです。
さぁ、次は本家 Slackware も使ってみないとですねぇ。