素因数分解はインターネットセキュリティを強化する暗号理論にとって、とても重要な概念になります。
複雑な数の素因数分解はコンピュータをもってしても困難ですが、素因数分解のルール自体はそこまで難しくありません。
今回の問題で、素因数分解の基本ルールを確認してみませんか?
問題
次の数を素因数分解してください。
1584
解答
正解は、2×2×2×2×3×3×11(2^4×3^2×11)です。
「そもそも素因数分解って何だっけ?」という人、ぼんやりとやり方は覚えているけれど具体的にどうすればよいか分からなかった人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。
素因数分解の基礎から実際の問題の解き方まで、丁寧に解説していますよ。
ポイント
この問題のポイントは、素数の倍数の特徴をつかむことです。
まず、素因数分解とは何かを確認しておきましょう。
素因数分解とは、自然数を素数の掛け算の形で表すことです。ちなみに、素数とは1と自分自身でしか割れない数のこと。例えば、2,3,5,7などが該当します。ただし、1は素数ではないので注意してください。
今回の問題は、「1584を素数の掛け算で表せ」という問題だったのですね。
さて素数はいまだ規則性もその規模も明らかにされていない謎に満ちた数字ですが、桁数の少ない数の素因数分解に使われる素数はある程度絞り込めます。
特によく使われる以下の素数の倍数判定方法は、ぜひ覚えておきましょう。
- 2の倍数(2で割れる数)→ 一の位が2で割れる
- 3の倍数(3で割れる数)→ 全桁の数字の合計が3で割れる
- 5の倍数(5で割れる数)→ 一の位が0もしくは5
では、この判定方法を使って1584を素数の掛け算の形に変換していきます。
まず、1584の一の位は2で割れるため、全体の数も2で割り切れると分かります。
1584=2×792
792も2で割れる数の特徴を持っていますので、以下のように分解します。
1584=2×2×396
396も同様に2で割れます。
1584=2×2×2×198
198も2で割れます。
1584=2×2×2×2×99
99は各桁の合計9+9が18です。18は3で割れるので、全体も3で割れます。
1584=2×2×2×2×3×33
33は各桁の合計が3+3で6、これも3で割れますね。
1584=2×2×2×2×3×3×11
11は素数なのでこれ以上は割れません。ここで、素因数分解は終了です。
なお、素因数分解は次のように割り算の筆算を逆にしたような形で行うと早く計算できますよ。
まとめ
今回は、素因数分解に挑戦しました。
素因数分解では、素数で割り切れる数の特徴を利用して、少しずつ数を掛け算の形に分解していきます。
2,3,5で割り切れる数の特徴は特に重宝しますので、ぜひ覚えてください。
素数が関係する他の問題にも挑戦して、素数になじむのもおすすめですよ。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
素因数分解の問題にもう一問挑戦!