2020年11月に閉園した「信州塩尻農業公園チロルの森」(塩尻市北小野相吉)が7月27日、およそ1カ月間の期間限定営業を始めた。(松本経済新聞)
子どもたちからも人気を集めるアルパカ
オーストリア・チロル地方をモチーフとした総合テーマパークとして1999(平成11)年に開園。市民に長く親しまれてきたが、レジャーの多様化で来場者が減少する中、新型コロナが追い打ちをかける形で閉園した。運営会社のワールドインテック(福岡県)には閉園後、市を通じて再開を望む声が寄せられていたといい、来園者の反応やニーズを把握するため「夏季トライアル営業」を決めた。結果を検証し、来年度以降の営業について検討していくという。
再開の後押しとなったのは3月に行われた「塩尻市こども議会」。小中学生が議場を見学して意見を述べる場で、市立片丘小学校3年(当時)の川口洵君が、百瀬敬市長に同園の復活を要望した。同社チロルの森再開準備室の山本尚人さんは「声を受け、再開への思いが強くなった」と振り返る。設備の補修や同社が運営する各地の施設で飼育している動物を移送するなどして、準備を進めてきた。
期間中は、アルパカ、ヤギなどの動物と触れ合えるコーナーをはじめ、ゴーカートや大型エア遊具、動物たちの人形「シルバニアファミリー」の部屋を設けるほか、地元の農産物販売やレストランの営業を行う。8月3日、4日はマーケットイベント「アルプスキャラバン2024」、14日はシルバニアファミリーのスペシャルショーを開催。今後は、改修工事のために休館する市立図書館本館から借りた絵本や図鑑を読めるようなスペースの開設も予定する。
地域と連携した動きもあり、完全再開に向けた動きを応援する有志が企画する「チロルの森復活応援祭」が8月25日に開催される。「周辺環境の整備を続けてくれていた北小野地区振興会をはじめ、地域の皆さんと一緒に盛り上げていければ」(山本さん)と、2日まで出店・出演者を募集している。
営業初日は、開園前から多くの人が集まった。オープニングでは、百瀬市長が「子どもたちの夢をかなえ、トライアルオープンができた」とあいさつ。一日園長を務めた川口君は「永遠に続いてくれればと思っている。家族や友達とたくさん遊んでほしい」と呼びかけた。
営業時間は10時~17時。火曜定休(8月13日は営業)。入園料は大人(中学生以上)=800円、子ども=400円(いずれも8月3日、4日は半額)、3歳以下無料。9月1日まで。