人生2度目の起業は自然循環がテーマ。「株式会社パカーン」は2024年9月に始動します
今年の3月に発表した『株式会社パカーン』のコンセプトですが、まだ始まってもいないのに大きな反響をいただきました。まず取材が2件、採用希望が1件、そして仕事になりそうなお話が数件……もしかして世の中にありそうでなかった領域の言語化だったのか?と小さな手応えを感じています。
とはいえ、抽象的でわかりにくいのが自然循環モデルのテーマです。森と海は繋がっていて、日本の四季は地震のプレート数と隆起した山脈のおかげで豊かになっている。ゼンブツナガッテイルズ。ここは日本のポテンシャルであり、当たり前に一番大切かつ、めちゃおもしろいところです。
一方で気候変動、温暖化、海水温上昇、都市のヒートアイランド減少、農作物の高温障害などなど、全国取材を始めた10年前から叫ばれていた危機が実生活に影を落としてきているのは皆さんも感じていることでしょう。もう止められないのか。テクノロジーでどこまで抗うのか。右肩上がりの経済成長はもはや幻で、適正サイズの中でどう納得感をもって生きていくのが重要な姿勢になりそうです。
社会テーマは膨大だし、自然の変化は果てしない。一人ひとりが動けるアクションも限られています。知れば知るほどにわからないが増えていった果てに、私自身は何ができるのだろうか? もっとシンプルに身体を使って生きていけたら最高やん? これが出発点です。
そのために株式会社パカーンの設立を発表しました。薪割りの「パカーン!」と鳴る音を身体性に置き換えて、自然循環の入り口に導いていけるような事業をおもしろがりながら立ち上げる予定。薪割りはメタファー。実態はビジネスを軸足に起きながら、自然の中でどれだけ大きな円を描いて遊びながら暮らせるのかがミッションです。遊ばなきゃ何も気付けない。
雪の変化はスノーボーダーが一番感じているし、森の変化はもしかしたら山菜採りのおじいちゃんが気づいている。農業だってそう。畑だってそう。眼の前の自然を信じて、おこがましくも人が手を加えることで自然の機能に触れられるだけなんですよね。暮らしながら、めっちゃ遊ぶ。そうすればいろんな変化と提案ができるし、関係性資本と信頼をリアルなフィールドに貯めこんでいけば、誰かを迎え入れることができる。そのために経済性との接点は欠かせません。
見ず知らずの人を自然循環の入り口にわざわざ連れていって、土日を費やすなんて慈善事業は私にはできないです。正当な対価を仕事に置き換える。そのきっかけがあれば、自然の中に移り住むおもしろさに気づけるかもしれない。選ぶ土地はどこだっていい。ただただ中央集権の呪いから解き放たれて、衰退する中山間地域に根を張って暮らせる人が増えることこそ、自然循環の一助になるんじゃないかなと考えています。
頭だけでで考えていても伝わらないことが自然の中にはある!
まずは会社設立前にイメージビジュアルを作りました。まずは感性で訴えかけるしかない!と思ったらど真ん中のクリエイティブがあがってきて震えました。このすばらしいイラストを書いてくれたのは札幌で活動するmitztimeくん。社外取締役をやらせてもらっているEFCの絹張蝦夷丸に紹介してもらったんですが、彼が事業で手掛けるKINUBARI COFFEE、hibiのビジュアルがとてもよかったんですよね。
このイラストを藤原印刷のリソグラフで印刷して、長野の作家さんに額装してもらえたら……それだけでパカーンの概念を伝えて販売することができる。部屋に飾るだけで意識はパカーンなわけじゃないですか。こういう取っ掛かりを作ることも役割の一つ。とりあえず自分用に作る予定です。山好き、自然好きに絶対刺さると思うな。
こちら近日なんとか販売したい!!
自然モチーフに頼らない会社のロゴが完成
具体の旗を掲げてぶん回さないと何も始まらない!ってわけで、ジモコロ、Huuuu、BAMP、Gyoppy!、Dooo、SuuHaa、Yahoo Japan SDG`s、Re:Youth、借金に続いてたぶん10個目のロゴ制作をお願いしたのはデザイナーの中屋くんです。
東京生まれ、渋谷区在住。生粋の都市型人間でちょいちょい自然に連れ出しているんですが、頑なに「東京がいい」を崩さない男です。便利で刺激的な東京を乗りこなす彼にあえて自然循環のイメージを形にしてもらうのが、まさにパカーン的な作業なんじゃないかと考えました。
依頼して数ヶ月が経過。こんなにも難産なことはなかったんじゃないかと本人も口にしていたんですが、ゆえにベストなロゴがあがってきました。
森の会社といえば「森」「山」がモチーフになることが多いんですけど、今回は自然体験を通して内側に起こる変化がポイントで。薪割りの気持ちよさと脳のひらめきが連動するようなイメージがバッチリ描かれていて「こんなロゴの自然循環をテーマにした会社絶対にない!」と膝を打ちました。
イメージビジュアルから会社のロゴ。この2つが揃ったことでクリエイティブの方向性が少しずつ輪郭を持ってきたところです!この瞬間を作るために新しいことを始めてるのかもしれません。
そうです、私は旗作りおじさんです。
現時点でパカーンの名の下に「パカーン◯◯」を横展開するイメージで構想しています。たとえば、毎年20キロ以上の梅仕事をしているので「パカーン梅干し」のプロダクトをつくってもいいし、前回話した都市生活者も扱いやすい斧プロダクト「パカーンアックス」、一気にジャンプして中山間地域の交通手段を解決する「パカーンTAXI」もおもしろい。日々の生活に閃きと衝撃を起こせるような提案をしていきたいので、必ずしも「森林」にこだわっているわけではありません。
まずは田舎の生活自体を楽しまないと意味がない。夜は飲食店の数が少ないし、運転前提だとお酒はもちろん飲めません。だったらライドシェア的なサービスをアナログで作ってもいいわけです。
白タクがOKならば、地元のおっちゃんや若者の副業として乗り合いのタクシーができるかもしれない。無人運転のバスを主要なホテルや飲食店を巡らせても便利。小さなパカーン的な変化があれば、田舎町でも安心して飲みに行ける可能性が高くなる。需要があればお店の選択肢も増える。そうすれば地域内のコミュニケーション総量が増えて、日々の困りごとから政治の動きまで影響が生まれると思うんですよね。
とか言いながら、すでに一発目のプロジェクトが進んでいます!
長野県飯綱町に「パカーンコーヒースタンド」を9月オープン予定
お次は具体の場所があれば完璧!というわけで昨年から動いていた長野県飯綱町(長野市から車で20分、信濃町から15分)の倉庫物件リノベーションプロジェクト「途中」の第一弾としてお店をつくります!ざっくり700万!
入り口にある元タバコ屋の見た目がとてもよくて前々から「誰かコーヒー屋さんやらないかな?」と考えていたんですが、いっそパカーンの動きと連動して自分たちでやればええやんとなりました。自分の生活圏内に必要なものを自らつくる。ボトムアップの姿勢が結果的に町を面白くする!と信じているので、勢いでやっちゃうことにしました。
思い立ったのは7月頭。完成は9月下旬のやべー勢いですげえ作っています。旧北国街道沿いで昔は佐渡の金山と加賀の流通拠点となった宿場町の歴史がある。歴史的に一度でも栄えた土地は再び蘇る可能性がとても高いと思っているため、ここに人が集まる拠点を作ったらおもしろいんじゃないか?という狙いです。
閃きのインスピレーションはいつだってこれまでの取材体験から生まれるもの。生活圏内にサッと車で向かって、店内で待たずにテイクアウトでコーヒーを飲みたい需要は自身の体験からもきています。聞けばクイックコーヒー的なスタイルらしいです。
信濃町・妙高のエリアが今後リゾート開発のエネルギーに巻き込まれる背景も鑑みて、長野市から向かう途中のあるコーヒースタンドは地元の人や観光客にも喜ばれるんじゃないかなぁと。ライバルはセブンイレブン。選択肢が少ない田舎町に自分なりの価値を提供したらどうなるのか。期待値はあってもビジネス目線の確約はありません。
それでもお店を作ることは私自身の表現のひとつ。まずはトントンビジネスでもいいから後戻りできない楔を打ち込みたいと気持ちは燃えています。
シンカイ、MADO、夜風もどれも勢いで始めました。結果、利益面はトントンすぎるんですけど、リアルな場が生んでくれる人間関係の発酵は時間とともにおもしろくなってくるんですよね。場があれば関わる人が増える。結果、雇用が生まれて誰かの人生に役立てるかもしれません。
いうても初めてのコーヒーショップ。全国でおいしいコーヒーは飲み歩いているものの、経営や店づくりのポイントはぜんぜんわからず……。とりあえずコーヒーレベルが異常に高くて、あらゆるスタイルがカオス的に共存している「京都」に視察しに行こうとなりました。
まずは内装の参考にとMAGASINNの岩崎さんが手掛けるお店「CORNER MIX」に立ち寄ったら、そこでいきなり岩崎さんが京都内で数多くのコーヒーショップやカフェのディレクションをしているsosoguさんを紹介してくれました。
店作りからコンセプト、コーヒー豆の選定、スタッフ研修、メニュー開発まで幅広く関わってくれる「パカーンコーヒーに今一番必要な人!!」が一手目で登場したのは、自分の引きの良さ、パラメーターの「運」めちゃ高いんじゃないかと驚くほどの出会いです。これも衝撃のひとつ。その後、長野に来てもらってパカーンコーヒー用の価値観を共に探っているところです。いやー、これは楽しみだ。クイックコーヒーのスタイルを模索するぞ!
詳しくはまた追って報告します。久しぶりにクラファンも立ち上げる予定です。トントンビジネスポンポンポンの性はまだまだ続くんじゃが、今回は長期的な視点でしっかり稼ぐ気持ちも秘めています。継続するための理由と関わる人のモチベーションは、何がどうあっても売上が必要!!
無理やりですが、入り口で薪を割れるようにして、冬の寒さ対策となるような薪ストーブのエネルギー循環を作れないかなと妄想しています。2階建ての倉庫は1フロア150平米ほど。断熱もありません。取り急ぎ、コーヒースタンド部分だけの改装になりますが、複合施設の拠点として少しずつアップデートしていく予定です。
場所はこちら。長野駅から車で20分ちょい。最寄りは牟礼駅で、徒歩20分ちょいで店舗にもいけます。おれたちの価値観では好立地。応援よろしくお願いします!
今後の展開も少しだけまとめておきます
自社HP×森のWEBメディア「パカーン」の制作
森林領域の企業・事業向けの伴走型編集
パカーンPodcastとして音声コンテンツをつくる
コーヒースタンドの奥にパカーンショップをつくる
薪割りメディテーションの研修事業
信濃町の森の中で宿泊施設×◯◯の1億借金事業
薪割り・森プロダクトの開発
スタートアップ文脈で薪割り上場を目指す
ざっとこんなイメージです。選択と集中が苦手すぎて、相変わらずの脳みそとっ散らかり展開が待ち構えています。立ち上げの取締役メンバーも決まってきたし、リアル事業を動かすためのスタッフ雇用も目処が立ってきました。40代の人生を費やすには充分すぎる環境だ!!
以上、パカーンの進捗報告です。会社登記は42歳の誕生日である9月16日予定。Huuuuも9期目に入って大忙しモードなんですが、勢いで会社設立準備と店舗立ち上げも並走していてやべえことになってきました。
これはもう「やってこ!第二期」が始まったといっても過言じゃありません。気持ち的には次の段階である「やる!」って感じです。人の巻き込み方も具体的な進め方も、これまでのトントンビジネスで学んだ実践知のおかげで少しずつうまくなっている気もしています。できないことに挑み続けたら、なんかできるようになる……この循環こそが生きるモチベーションなんじゃないかな。
というわけでこんなパカーンの事業体に興味がある人は気軽にご連絡ください。やり方が一切わかっていませんが、スタートアップとして出資もお待ちしています!(マジでそこは実践知ゼロ)
次回予告「パカーン取締役3名 大発表!」
1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!
コメント