「心ない言葉は、はじき返せる」 バッシングでうつ病になった兒玉遥さん、いま大切にする「自分の基準」 STOP自殺 #しんどい君へ
俳優 兒玉遥さん(27)
アイドルグループ「HKT48」元メンバーで、俳優の兒玉遥さん。ファンや周囲の人たちに認められたいと頑張り過ぎて疲れていた時、SNSで大量の誹謗(ひぼう)中傷が押し寄せ、うつ病になりました。ストレスから過食にも陥り、2度、休業もしました。「他人の評価を基準にせず、自分が幸せか、満足しているか、『自分の基準』を大切にしたらハッピーになる。しっかり休むことも大切です」と呼びかけます。 【動画】「#しんどい君へ」 兒玉遥さんからメッセージ
夢のアイドル 頑張り過ぎて自分を追い込む
小さな頃から人前に出るのが好きで、アイドルになる夢を描いていました。学級委員になったり、劇の主役に立候補したりと活発な子どもでした。そんな自分がうつ病になるなんて、思いも寄らないことでした。 アイドルになるきっかけは、父が見つけてくれた「HKT48」のオーディションです。地元・福岡を離れて東京に出るほどのガッツはなく、二の足を踏んでいた中学生の時、「地元を離れずに憧れのアイドルになれる、最高のチャンス」と思い、応募しました。 オーディションの時から、歌や踊りで他の人との力の差を感じていました。合格後は「グループ内でどう個性を出すか」「衣装がかわいく見えるようにもっと痩せなきゃ」と必死でした。徹夜でダンスの練習をしたり、炭水化物を取らない食事制限を続けたり。自信のなさを克服しようと必死で、自分を追い込んでいました。 HKTのメンバーになって5年がたとうとしていた2016年、新曲を歌う16人を決めるAKB48グループの「選抜総選挙」で9位になりました。初の選抜入り。目標を達成してうれしいはずなのに、既に疲弊していました。選抜入りした歴代の先輩方に比べて「自分は全然できていない」と不安が募り、仕事の前日は考え過ぎて眠れず、翌朝は体が重く感じました。 やがてぼーっとする時間が増え、グループのメンバーたちに「調子が悪そう」と心配されるようになりました。仕事の前後には、わけもなく悲しくなり、涙が出てくるようになりました。