【テレビ千鳥】脅威の新メソッド!大悟式計算法を徹底解説!

どうも、こんばんは、オルソンです。

今回は、2024年8月16日放送のテレビ千鳥「テストで100点取りたいんじゃ!」に登場した大悟式計算法について書かせていただきます。

 

  • 大悟式計算法とは?

漫才コンビ「千鳥」のボケ担当である山本大悟氏が、「テストで100点取りたいんじゃ!」という企画での力試しの計算問題において、計算問題を解きながらその場で考案した計算方法

山本大悟氏は「テレビ千鳥」において、ときにMC、ときにプレイヤーとしてボケ、ツッコミ、例え、大喜利、企画力、さらには他の芸人へのコメントやフリなどお笑いやバラエティの面で卓越した思考力を持っていることに疑いの余地はなく、その活躍はテレビ千鳥のみにとどまっていないこともまた事実である。一方で、岡山県の離島育ちであるため、「島の教育をナメるな」と自嘲気味に言う通り、勉強はしてこなかったようで「フリップにひらがなのぬを書きたかったがド忘れした」、「ピカルの定理で綾部が意外とおバカというクイズ企画を根本から破壊しかけた」などのエピソードがある。

そんな山本大悟氏の相方である早川信行氏は、大悟式計算法を見て「阿呆ガリレオ」などと評していたが、最終的には正解する山本大悟氏を見て舌を巻いていた。

この記事では、そんな大悟式計算法の仕組みを暴き、山本大悟氏が偶然ではなく必然によって正解をもぎ取ったことを証明させていただく。

 

 

  • 76×49

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上の写真は大悟式計算法に基づく、76×49の筆算方法である。一度、皆さんには正しい(?)76×49の筆算を思い浮かべてもらいたい。

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こうなるはずである。しかし、今こそ国民の皆様に問います。なぜ、76×4の答えを左に一個ズラすのでしょうか?そんなことも知らず、筆算を上の写真のように行い、やれ山本大悟氏を「島育ちの石屋の息子」、「阿呆ガリレオ」などとゲラゲラ笑いながらボーッと生きている国民の何と多いことか?しかし、オルソンちゃんは知っています。76×4をズラして書くのは、76×4ではなく76×40を計算しているから〜!!!

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ということで、大悟式計算法を見返してみよう。

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そう、山本大悟氏は自らがどの桁を計算しているかわかっているのである。

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大悟式計算法は段数が嵩むうえに、ズラす桁に慣れが必要な一方、九九のみで完結させられるのが強みである。実際に計算方法を別の例で考えると、以下のようになる。

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ズラす桁数を間違えなければ3桁×3桁だって自由自在だ(1回間違えたけど)。

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  • 1.7−9/10

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TVer版のサムネイルにもなっているが、こちらはフルーツポンチの村上健児氏の指摘通り「分数の本質」であろう。

1.7は17/10である。17/10の「10」というのは1個のパンケーキを10切れに分けたという意味である。そして「17」というのは切ったパンケーキが17切れあるという意味である*1。9/10も翻訳すると、下の写真のようになる。

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こうなると、「17切れあったパンケーキを9切れ食べると残りは何切れか?」という小学1年生レベルの問題に帰結する。よって、小数点は罠、分母は必要がないという山本大悟氏の考えが正しいことが証明されるのである。

惜しむらくは、山本大悟氏が分数の概念にパンケーキを用いてしまったことである。円形のパンケーキは分度器なしに大きさを正確に書くのが難しく、分数を把握するのには向いていない。

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そのため、分母の異なる分数の計算は苦戦必至であり、実際に前編の次回予告の段階で苦戦している。山本大悟氏が線分図という概念を知っていれば…知らなかったとしても円形のパンケーキではなく、筒状のロールケーキで分数を計算していれば…より速やかに上の計算を処理できたはずなのである…。このパートは後編を見て、また追記します。

 

 

  • 168÷6

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こちらは、割り算の本質が引き算であることを知っていれば分かりやすいであろう。なお、割り算の本質が引き算であることは2008年センター試験数学ⅡBの選択問題「コンピュータと計算」にて出題されたことがある*2

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このように、168-6=162、162-6=156………と繰り返せば28回目には6-6=0となるため168÷6=28となる。もちろん、こんなことをやらないための割り算なのだが、大悟式計算法では、この引き算の数え方を多少なりとも効率化していると言える。その鍵が6×9=54である。つまり、上の写真と同様に、考えるとこうなる。

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6×9=54は大悟氏が知っている6×◻︎の答えで最も大きいものであろう。大悟式計算法では掛け算に続いて、割り算をも九九のみで完結させようとしている。

ところで、168÷6では露呈しにくいが、そもそも現代の日本で広く使われている割り算の筆算には大きな欠点がある。それは、割り算をするには掛け算が必須ということである。

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例えば、876÷14を筆算する場合、慣れていないと14×6も筆算することになる、というのは小学生の時に経験あるのではなかろうか?

そこで、大悟式計算法はこうだ。

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×9ではなく×10を採用すれば、計算回数も桁が増えた時の計算も省力化できる。この点は私が勝手に改造しました。それはごめん。

 

  • 1/3=なあなあ説

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誰もがぶち当たる概念、1/3=なあなあ説。1/3

=0.3333……より、1/3×3=0.9999……≠1というのも有名な学説(?)である。この「なあなあ」というのは、極限という高校3年の数学で出てくる概念である。極限において出てくる「無限大」という概念が1/3×3=0.9999……=1たらしめている。無限大というのは本当に無限大である。例えば0.333…と3を1億個連ねても、その3倍は1ではなく0.999…と9が1億個連なった小数である。そう、無限大と言ったら一億よりも一兆よりも先、終わりなどないのということである。

よって、1/3=なあなあ説には高校3年範囲の数学が必要になる。村上氏が一旦教えるのをやめるのも無理はないということをご理解いただきたい。ただし、無限小数を分数にする方法自体は中学3年生の範囲となっている。

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また、円の面積が半径×半径×円周率で導けることもまた、「なあなあ」改め「無限と極限」であることが知られている。

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これだけ手書きじゃないのは力尽きたからです。無限に細かく円を刻んで上の図のようにすると縦が半径、横が円周の半分(直径×円周率÷2)の長方形になる。

数学と算数の違い、それは「なぜ?」という本質に迫り説明・思考するのか、操作方法を基礎として押さえて数字を当てはめる行為なのかの違い……なのかもしれない。

 

そんなことをテレビ千鳥に考えさせられました。意外と。

(おしまい)

 

 

 

*1:サラッと、大悟氏が17/10=1.7に、おそらく自力で到達しているのも興味深い

*2:https://www.toshin.com/center/2008/sugaku-2b_mondai_6.html