東野篤子氏に係るコンプライアンス通報について 1/4

公表の背景と留意していただきたいこと

私は,筑波大学人文社会系教授 東野篤子氏がX(旧twitter)上で行った行為が同大学の「ソーシャルメディア利用ガイドライン」 及び「コンプライアンス推進規則」に違反すると考え,2024年4月1日付で筑波大学にコンプライアンス通報を行いました。

筑波大学ソーシャルメディア利用ガイドライン

https://www.tsukuba.ac.jp/images/pdf/2020g02.pdf

筑波大学コンプライアンス推進規則

https://www.tsukuba.ac.jp/images/pdf/2006hks25.pdf

これを受けて筑波大学は調査委員会を設置し,私は同年4月9日に,私の住む京都において調査委員による聞き取り調査に協力しました。結論が出れば,通報者に連絡があることになっていますが,現在までのところ,筑波大学からの連絡はありません。私は東野氏の行為が上記規則に明確に抵触するものであると確信しており,筑波大学が学内規則に基づいて,公正な判断を下すことを期待しています。

しかし一方で,本件に関係のないさまざまな事情の影響を受けて,大学が適切な判断を行わないのではないかという不安も抱いています。また,この間,東野氏を支持する人々や逆に東野氏を批判する人々がことあるごとに,SNS上で私に言及して,事実とは異なる情報を発信していることにも困惑しています。

特に,本件においては私が一方的な被害者であるにもかかわらず,喧嘩両成敗的な観点から私の側も東野氏に対して誹謗中傷を行ったというような誤解が広がったり,私のコンプライアンス通報が他の方の主張の裏付けに利用されたりすることに耐え難い思いをしてきました。

さらに,私が東野氏に執拗に絡まれ,著しく名誉を毀損された末に,正当な抗弁や手続きを行ったことが,詳しく事情を知らない人々に誤解され,これまでに培ってきた研究者としての信用を失ってしまったのではないかという不安にも苛まれてきました。

キャリアの最終段階にこのように重大な痛手を負い,ここ数ヶ月は重い精神的苦痛に悩まされています。この状況に対する忍耐の限界に達したため,せめて関心のある方には何があったのかを正確に理解してもらいたいと考え,私が行ったコンプライアンス通報の内容を公表することにしました。

ロシアによるウクライナ侵攻の最中に,SNS上でも関連の議論が行われる過程で,このようなことがあったことを公表し,ごく少数の方にでも記憶に留めておいていただくことには,長い目で見ると,それなりの意義があるかもしれないとも思っています。

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ついては,まず,以下の点にご留意ください。

私が行ったコンプライアンス通報は,X(2023年7月23日まではツイッター)上で発生した出来事に関するものですが,2024年2月27日,東野氏が自身のアカウントに鍵をかけ,氏の投稿はフォロワー以外には非公開になりました。

私はフォロワーではありません。よって,東野氏の投稿については,過去に携帯電話やPCのスクリーンショットで撮影された写真を掲載します。これらは,私自身が撮影したものに加えて,第三者が撮影してX上に公開していたもの,及び私に提供してくれたもの(いずれも私の責任において,撮影後の加工が行われていないと判断したもの)を含みます。また,私の携帯電話に残っていた過去の投稿のキャッシュを撮影したものもあります。

尚,私は東野氏が下記の「出来事3」が起こってから自身のアカウントに鍵をかけるまでの間に,この通報で問題とされる投稿の一部を削除したことを確認しています。したがって,今回掲載する投稿の中にも,東野氏が既に削除したものが含まれている可能性があります。

東野氏以外の人の投稿についても,通報の裏付けとして重要と思われるものは,URLを記載した上で写真を載せます。

その他,通報に係る大きく分けて3つの出来事については,以下の期間の東野氏のX(ツイッター)アカウント,私のアカウント(@KITSpeakee),及び両者の投稿への他者の反応(リプライ,引用リツート・リポスト等)を突き合わせて確認するとより詳細な事実がわかると思います。

東野氏による関連の投稿は下記の期間より長く続いている可能性がありますが,現在,私はそれを確認することができません。また,各投稿には,最近になって寄せられた反応もあるので,区別して確認していただけますようお願いいたします。

  ・「出来事1」について 2023年3月4日〜10日

  ・「出来事2」について 2023年10月30日〜11月2日

  ・「出来事3」について 2024年2月14日〜28日

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1.  「出来事1(2023年3月)」において発生した,「筑波大学ソーシャルメディア利用ガイドライン」第4条(3)-ア,(5)-ア 及び イ,(7)-イに違反すると思料される東野氏の行為について

2023年3月4日,朝日新聞デジタルにおいて東野氏へのインタビュー記事「ロシア,ウクライナから考える『戦時動員』という現実 東野篤子さん」が配信されました。

https://digital.asahi.com/articles/ASR335R62R32ULZU001.html

同日,刀祢館正明氏(2017年5月朝日新聞社を定年退職,再雇用の後,2022年5月に契約満了で退職)が,自身のツイッターアカウントに,上の記事を引用して,個人の意見を述べた(投稿1)を発信しました。

https://twitter.com/tonemasa57/status/1631781874602508289

さらに刀祢館氏はそのすぐ後に,上の投稿に関連すると見られる(投稿2)及び(投稿3)を発信しました。

https://twitter.com/tonemasa57/status/1631783469163614208

https://twitter.com/tonemasa57/status/1631791870069321730

[ 本稿において各投稿の下に記した「通報者」は,私(羽藤)を指します。これらの投稿の写真は通報の際に提出した資料から抜粋したものです。]

刀祢館氏によるこれらの投稿は,上記の東野氏へのインタビュー記事に関して当日及びそれ以降にツイッター上に発信された多数の投稿の中で際立つものではありません。また,個人に対する攻撃的な言及や一般的に問題視される表現を含みません。

それにもかかわらず,同日,東野氏は刀祢館氏の(投稿1)(投稿2)(投稿3)をスクリーンショットし,それらの写真を載せた(投稿4)を発信しました。この方法は,ツイッター上で一般的に行われる「引用リツイート」とは異なり,刀祢館氏には自分の投稿が引用されたことがわかりません。また,東野氏の(投稿4)を読む人が,引用部分をクリックすることによって,刀祢館氏の投稿を確認することもできません。

さらに,東野氏は同日中に,以下の(投稿5) 〜(投稿8)を発信しました。東野氏はその他にも関連の投稿をしましたが,ここでは私の通報に直接関係のあるものを取り上げます。

https://togetter.com/li/2093781?page=2 togetter「暇空茜氏,東野篤子氏を『メスになった青識』呼ばわりしてしまう」より

https://togetter.com/li/2095662?page=2 togetter「暇空茜さんと東野篤子先生の間に起こったトラブルについてまとめてみた。」より

東野氏によるこれらの投稿には,以下3つの問題があります。


(1) 刀祢館氏は既に朝日新聞社を退職しており,ツイッターアカウントのプロフィール欄にも「元朝日新聞の記者。2022年5月に退職」と明記していました。それにもかかわらず,「朝日新聞の刀祢館正明氏」と記載し(投稿6),刀祢館氏の投稿をことさらに朝日新聞と関連づけたこと(投稿5)(投稿6)(投稿8)


(2) 刀祢館氏の発言の内容を歪曲し,それを鉤括弧に入れて,まるで引用であるかのように見せかけたこと。例えば,刀祢館氏の「影響力のある人たちや組織が『議論が求められる』と言い出したときは要注意だろう」(投稿3)を,「議論も危険」(投稿4),「こういう奴は…要注意」(投稿5),「議論を求める奴は要注意」(投稿8)と意味を歪めて引用符に入れたこと。また,刀祢館氏が使っていない「奴」という蔑称を鉤括弧の中で用いることにより,刀祢館氏が東野氏に対して攻撃的な非難をしたかのような印象を読み手に与えたこと(投稿5)(投稿8)


(3) 3月4日午後,暇空茜氏が東野氏の(投稿4)を引用した投稿において,「メスになった青識」と差別的な表現で東野氏を侮蔑しました。それ以降,このような差別発言をした人と刀祢館氏の発言の内容を同一投稿において同列に扱い,あたかも両者が東野氏に対して同質の中傷をしたかのような印象を読み手に与えたこと(投稿5)(投稿6)(投稿7)(投稿8)。例えば,(投稿7)の「議論を呼びかけるメスがいる!」は,暇空氏が使った性差別表現と刀祢館氏の意見を歪曲したものを混ぜてカギ括弧に入れたものです。また,東野氏は「攻撃されています」と述べていますが,刀祢館氏は攻撃するどころか,この時から今日に至るまで,東野氏の非難に一切反論せず,沈黙を通しています。

東野氏によるこれらの行為は,虚偽及び事実を歪めた情報に基づいて他者を誹謗中傷したものであり,「筑波大学ソーシャルメディア利用ガイドライン」第4条(3)-ア 及び (5)-アに違反すると考えられます。また,異なる意見や考え方を許容する姿勢を欠いていることから同ガイドライン第4条(7)-イにも違反すると思料されます。

東野氏によるこれらの行為は不注意による過失ではなく,刀祢館氏が東野氏に対して不当な非難や中傷を行ったかの印象を読み手に与えることにより,ネット上での刀祢館氏への攻撃を煽動したとみなされても仕方ないものです。

実際,東野氏の投稿には,刀祢館氏や朝日新聞を不当に非難したり侮辱したりする多数の反応(リプライ,引用リツート,リツイート等)がありました。また,刀祢館氏のアカウントには,謂れのない中傷,罵倒,嘲笑などの投稿が相次いで寄せられました。

その過程で,以下の(投稿9)のように,池内恵氏が刀祢館氏の投稿と関連づけて,刀祢館氏や朝日新聞の報道姿勢を強く非難するという事態も発生しました。

https://x.com/chutoislam/status/1631896864353136641?s=20

さらに,刀祢館氏による元の投稿を確認することなく東野氏の投稿だけを読んで,刀祢館氏や朝日新聞を非難したように思われる投稿も数多く見受けられました。

例えば,大杉謙一氏は,東野氏による(投稿5)の上部のツイートを引用して,「最低やな,刀祢館正明・朝日新聞・元編集委員」と投稿しました。

https://x.com/osugi1967/status/1632208246189731841?s=20

これらにより,刀祢館氏へのネットリンチ(ネット上の集団攻撃)に拍車がかかりました。

過去に何度か取材を受けた関係で,刀祢館氏をよく知る私は,その騒動を見て氏のことを心配しながら,同じく刀祢館氏を知り,既に東野氏に抗議をしていたMami Tanaka氏との間で以下の投稿のやりとりをしました。3月4日23時5分から3月5日1時8分までのスレッドです。

さらに,私は3月5日午前に以下の投稿をしました。

すると,同日午後,東野氏が以下の(投稿10)を発信しました。

その時点で東野氏を「名指しで非難している女性研究者」は見当たらず(「散見される」事実はなく),私は東野氏の言う「女性研究者」は自分,或いは,自分を含むと考えざるをえませんでした。

私は,東野氏がこの投稿でもまた,暇空氏の支持者と刀祢館氏に関する情報の訂正を求める者を並べていることを残念に思いました。また,東野氏が本件とは関係のない「女性」という属性に言及したことにも違和感をもちました。

しかし,私はこれらのことを脇に置いて,刀祢館氏が既に朝日新聞を辞めており,非難の的になっている投稿は刀祢館氏個人のものであることを直接,東野氏に伝えようとしました。そのことを端的に述べたのが(投稿11)です。

https://x.com/KITspeakee/status/1632545147597783040?s=20

ところが,東野氏は私の指摘を無視しました。

その一方で,東野氏が暇空氏と刀祢館氏を同列に扱う投稿を繰り返したことにより,私の側に誤解が生じかけた際には,以下の(投稿12)によって,そのことを速やかに指摘しました。

上の(投稿12)で東野氏が引用したのは,左下の東野氏の投稿を引用した右下の私の投稿です。

https://x.com/KITspeakee/status/1632623205402939392

さらに,池内氏が東野氏の(投稿12)を引用して私の読解力を揶揄する(投稿13)を発信すると,東野氏はこのツイートに「いいね」をしました。

https://x.com/chutoislam/status/1632849812600025090?s=20

これらは,東野氏が,刀祢館氏は既に朝日新聞を退職しているという私の指摘を知りながら,適切な対応をしなかったことを裏付ける証拠と言えます。

東野氏によるこの行為は,「発信した情報が,事実に反する場合又は誤りであった場合は,速やかに訂正するとともに,適切な方法により謝罪するなど,誠実な対応に努めること」を規定する「筑波大学ソーシャルメディア利用ガイドライン」第4条(5)-イに違反すると考えられます。

その後,私にも東野氏や池内氏の主張を支持する人々からの誹謗中傷の投稿が寄せられるようになりました。また,そのうちの一人とやりとりをする私の投稿を池内氏が引用リツートして,私を罵る事態も発生しました。

https://x.com/chutoislam/status/1632955905602908160?s=20

https://x.com/chutoislam/status/1632956293198622721?s=20

私はこれらのことに疲弊して,東野氏に投稿内容の訂正を求めることを断念しました。その時に発信したのが以下の(投稿14)(投稿15)です。

https://x.com/KITspeakee/status/1632905488223588352?s=20

池内氏は,この(投稿14)(投稿15)についても,それぞれを引用リツイートする形で私を非難しました。

https://x.com/chutoislam/status/1632955453444333568?s=20

https://x.com/chutoislam/status/1632955684353343490?s=20

 

私はその時もまだ尾を引いていた刀祢館氏への理不尽なネットリンチを止められないことを恥じました。また,東野氏及び刀祢館氏が提起した問題について,本来なされるべき冷静な議論が行われそうにないことを残念に思いました。批判者や反対論者を悪魔化する(敵視して過剰に非難する)と、建設的な議論ができなくなってしまいます。

しかし,私は東野氏,池内氏,及びその主張を支持する多くの人々にそれ以上対抗する意欲を持てず,関連の投稿をやめてその場を離れることしかできませんでした。

尚,私は,この時に発信した上の(投稿14)(投稿15)が,その7ヶ月後に東野氏に著しい名誉毀損をされ,さらにその3ヶ月半後には,自らがネットリンチに晒される原因になろうとは思いもしませんでした。

(2/4に続く)