東海第二原発 再稼働に必要な工事の完了時期 2年余り延期

日本原子力発電は、茨城県東海村にある東海第二原発で建設中の防潮堤に不備が見つかったことを受けて、再稼働に必要な安全対策工事について、来月としていた完了時期を、再来年12月に2年余り延期するとし、23日、原子力規制委員会に届け出たと発表しました。

日本原電は、東海第二原発の再稼働を目指して安全対策工事を進めていますが、建設中の防潮堤の基礎部分に不備が見つかり、今月、原子力規制庁に対し、今の基礎部分は残したまま、内部や周辺の地盤で補強のための大幅な追加工事を行う考えを説明しています。
規制庁は、今後、この追加工事によって十分な安全性を確保できるか審査することにしています。
こうした中、日本原電は、来月としていた安全対策工事の完了時期を2年余り延期して再来年12月とするとし、23日、原子力規制委員会に届け出たと発表しました。
また、茨城県や東海村など周辺の自治体にも報告したということです。
工期の延期は、6年前に再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格して以降、3回目になります。
東海第二原発は、電力需給がひっ迫する状況やエネルギー安全保障に対応するため、政府から再稼働を目指す原発の一つに位置づけられています。
日本原子力発電東海事業本部の坂佐井豊本部長は「地中での作業は難しい工事で、確実に成功するようつとめたが結果的にはそのようにならなかった。3回目の延期となり、地元の皆様にはご心配をおかけしている。引き続き安全第一で業務を進める。再稼働のスケジュールは地元のご理解が最優先なので未定だ」と話していました。
【延期について地元からは】
工期延期について、東海村の山田修村長は「国が行う防護壁の審査に真摯に対応し、さらなる安全性の向上に努めていただきたい」とするコメントを発表しました。
また、茨城県の大井川知事は、「日本原電は安全性を高めるための工事を着実に実施するとともに、その状況については、県や関係市町村はもとより県民に対し適時適切に情報提供し、信頼を得られるよう努めていただきい」とコメントを発表しました。
日本原電は、議決権ベースで東京電力ホールディングスが28%余りの株式を保有し、東海第二原発で発電した電力を東電や東北電力に販売してきました。
今回の工期延期について東京電力は「再稼働に関しては新規制基準に基づく工事を安全第一で進め、地域の皆様に説明を尽くして理解を頂くのが重要なので支援していきたい」とコメントしています。

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