『平成30年7月豪雨被災地支援 第61回オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:8月14日

 オールスター夢の競演。平成30年7月豪雨被災地支援「第61回オールスター競輪(GI)」が、いわき平競輪場を舞台に15日に5日間のロングランシリーズの幕が開ける。ファン投票で選出された輪界を代表するトップ選手たちが、真夏の平を盛り上げる。ダービー、高松宮記念杯を優勝して、GI3連覇に挑む三谷竜生、2度目のファン投票1位に選ばれた地元の新田祐大、地元オールスター連覇がかかる渡邉一成、さらに初戴冠の期待がいやがうえにも膨らむ脇本雄太らが、14日の前検日にいわき平に顔をそろえた。前検日は選手たちの多くがバンクでの感触を確かめ、翌日から始まる激戦に備え入念な調整を行った。
 本場では開催中の毎日、抽選でオリジナルトートバックが当たるオリジナルうちわ、300円分のお食事券が当たるラッキーカードを先着で配布。女性限定でハワイアングッズの先着プレゼント。レース展望予想会、未確定車券抽選会、地元物産展コーナーなどを行っています。また、15日の初日には、元サッカー日本代表の「前園真聖」によるトークショー、いわき市公認ご当地アイドル「アイくるガールズ」によるライブ、「ハーラウ・ラウラーナニ」のフラ&タヒチアンショーなども予定され、いわき平競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<1R>

山崎賢人選手
山崎賢人選手
 オープニングレースの1番車は山崎賢人(写真)だ。推薦により今回がビッグレース初出場。フレッシュな走りで存在感をアピールするか。
 「緊張はあまりしてない。(1R、1番車で)期待されてるんで頑張りたいと思う。調子も問題ないですね。平は初めて。イメージは武雄っぽいって聞いてきたので問題ないかな。結果も大事だけど、まずは自分のレースをしてからですね」
 井上昌己は6月久留米記念の二次予選以来で山崎との連係になる。
 「前回の弥彦記念では昔のフレームを使ったけど、合わなかったので今回は戻しました。練習でもやってたし、イケるでしょ。調子は悪くないので、あとは気持ちで。山崎君とは久留米以来。あのときより強くなってるだろうし、まずはしっかり付いて行きたい」
 川村晃司は7月に平競輪場で走ったばかり。中16日で再び平にやってきた。
 「平が連続ですね。普段はバンク中心にやるんだけど、今回は街道中心にやったんで感じは走ってみないとわからない。でも悪くはないと思います」

<2R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)は前回の松戸記念で2勝を挙げて決勝に進出。準決では武田豊樹が離れてしまうほどの力走だった。
 「前回の2日目からギアの組み合わせを変えてよくなりましたね。ここまではしっかりやってきたし、いいケアもできました。3着までに入らないと終わりなんでね。しっかりラインで決まるように頑張りたい」
 芦澤辰弘は前回の8月小松島で優勝するなどムードよくGIに乗り込んできた。
 「前回は鈴木竜士や金子(幸央)と若い子たちの成長を感じ取れたシリーズでした。FIとはいえメンバーもよくて、いろいろ勉強になりましたね。結果を出しても、まだまだ足りないなって部分は見えてくる。いまの拓矢は武田さんが離れちゃうくらいの強さなんで頑張って付いて行くことですね」
 柴崎淳は5月全プロ記念競輪あたりからやや調子落ちの印象だ。
 「原因はわかってるし、そこを修正できるようにやってきたつもり。きっかけをつかめるようにと、つねに思いながらやってます。平は優勝もしてるけど、風が一定じゃないのもあってあまりイメージがよくない感じですね。今回で好きになれるようにがんばります」

<3R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 小松崎大地(写真)は大事な地元GI戦を前に7月高知の決勝で落車。今回が復帰戦となるだけに状態が気がかりだ。
 「怪我はもう治ってるんで。あとは走ってみてですね。直前には支部合宿にも参加して練習の感じは悪くなかった」
 清水裕友は7月防府を欠場。中28日の配分間隔を経て今シリーズに臨む。
 「腰痛が出たので一本休みました。ケアしたんで大丈夫だと思うし、練習も大丈夫。ただ感じがよかったり悪かったりでしたね。暑さに弱いのか、キツかったです。ビッグレースでもまだ微妙。高松宮記念杯がよくなかったので、今回もサマーナイトフェスティバルぐらいできたら。平は初めてだけど、直線が長くて好きそうな気がします」
 岩津裕介は「調子がよくない」と、言いながらも7月弥彦記念で決勝3着と結果を残した。
 「弥彦は全体的によくないなって感じだったけど恵まれました。予想以上の成績でしたね。決勝は最後のコース取りもセンスがない。見て、素直に入ればよかった。ここまでも練習がメインですね。足りないところをやってきたけど、どこまで上がってるかはわからない。平は記念優勝もあるし、好きなバンクなんでそこはいいですね」

<4R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 松本貴治(写真)は今回がビッグレース初参戦。S級上位選手を相手に、どんな走りを見せるのかに注目だ。
 「(ここまで中28日は)普通に空いただけ。追加も来たけど、レースはいいかと思って練習をしっかりして来ました。悪くないし、いい感じ。ビッグレースは初めて。結果もアピールも両方したいですね」
 渡部哲男が松本の番手回り。昨年大会の惨敗から練習、調整方法を見直し、再び成績を上げてきた。
 「1年前のことを思ったら違いますね。でも、まだムラがあるので、それを少しでもなくせるように。前回(8月立川FI)から間が空いてないので軽めの調整で。直前も忙しくて感触を確かめるというよりは時間を見つけて乗った感じ。でもそんなに悪くないと思う。松本の3番手はあるけど、番手は初めてです」
 8月松戸記念で3勝を挙げた近藤隆司が若い松本に襲いかかる。
 「(松戸は準決勝が)残念だったけど、非常にいい勉強になった。2日目に上手くいった分、油断したところもありますね。首を痛めてちょっと練習を休んだので走ってみないとってところはあるけど、GIなんで気合い入れて。絶好調とは言えないけど、前回よかったんで、周りに警戒してもらえたら。前々に踏んでいい流れを作れればいいですね」

<5R>

根田空史選手
根田空史選手
 根田空史(写真)は7月小倉818着、8月松戸記念2992着と、ここ2場所成績の波が激しい。
 「夏バテですね。展開もあるけど、小倉から体調はよくなかった。松戸の準優も体調がよければって展開だったので。ここまでは疲れを取りながら。もう体は大丈夫だと思う。セッティングがあまり出てなかったので師匠(中村浩士)に見てもらって大幅に変えました。フレームの寸法的にここまでが限界だけど、乗り味は抜群によかった」
 松浦悠士は7月サマーナイトフェスティバルの決勝3着をはじめ、近況は安定している。
 「弥彦記念の準決勝(5着)はしょうがないというか、後輪がドリフトしたんで。今回は同じことが起こらないようにと思って車輪を新しくしてきました。ちょっと練習しすぎたんで、それがどうかな。たぶん大丈夫だと思うので、まず前検日に乗ってみて。やれることはやってきたんで、あとは力を出し切れるか。平は相性いいです」

<6R>

竹内雄作選手
竹内雄作選手
 サマーナイトフェスティバル優出後は、岐阜、小倉のFIシリーズで4勝の固め打ちの竹内雄作(写真)だが、現状に満足することなく気を引き締める。
 「(坂本健太郎にまくられた小倉決勝は)あれがいまの力ですね。11秒台で上がれれば、着はもっと良かったと思う。(一次予選は)先行を頭に入れてやります。そこで残れないのは自分の脚ですから。(近況、力を出し切るレースが多くて)そういうことはプラスですけど、まだまだ足りない部分がある。それが(一次予選に)出ないように」
 牛山貴広は3場所前の小松島で通算2度目の記念制覇。その後は青森FIを914着、防府FIを728着と一息の成績も状態は悪くなさそうだ。
 「ここ2場所は自分でやることが多くて、その感覚が鈍って大敗もした。ただ、(人の)後ろを回っている時は悪くない。そのあとも引き続き感じは悪くないんで、なんとかしたいですね」

<7R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 12年の前橋以来、3度目のオールスターVを地元で目論む山崎芳仁(写真)は、自力での戦いを選択して一次予選突破に集中する。
 「(前でやろうとしてくれた菊地)圭尚の気持ちはうれしいですけど、自分でやりたいんで。自力が出ないかもしれないけど、自分は自力が好きっていうのもある。練習はできたし、まずはしっかりとですね」
 函館FIを完全V、続く岐阜FIを123着と菊地圭尚は、直近の2場所で好成績を収めている。
 「FIですけどね、自分の脚の感じもいいし、自転車もマッチして充実している。前回の岐阜の決勝はいまをときめく南(潤)君と竹内(雄作)君の先行争いだった。いい位置を取ったけど、圧倒されてなにもできなかった。踏み出せなかったけど、脚は悪くなかった。そのあともいい状態はキープしていると思います」
 渡邉雄太は、今期一発目の高松FIの初日に落車のアクシデント。そこから1カ月以上空いて、今シリーズで復帰する。
 「(落車の怪我は)ちょっと痛かったけど、もう大丈夫です。擦過傷が治ってからは、2、3週間くらいですかね。練習はしっかりやっていた」

<8R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は前回の大垣FIから3週間以上空いたゆとりのローテ。先日の川崎ナイターGIIIでは、トークショーでファンに仕上がりの良さをアピールした。
 「支部でも個人でも合宿に行った。(日にちが)空いてたんで、行ける時にと思って合宿に行った。充実してましたね。バンクでできないことやって、自分でも楽しみなくらいの仕上がりです。去年(のオールスター)は途中欠場したし、今回は万全な状態だと思う」
 前回の川崎FIの最終日で落車に見舞われた小川真太郎は、鎖骨骨折の大怪我を負って状態面に不安を残している。
 「初落車で初の鎖骨骨折ですね。(落車後は)10日くらい川崎にいて、帰ってから2、3日ですね。ワットバイクだけは乗ってきたんですけど、状態はフタを開けてみないとってところはあります。周りのみんなは仕上げてきているし、そのなかで自分はなにができるか」

<9R>

山中秀将選手
山中秀将選手
 山中秀将(写真)は前回の福井記念を6238着。それまで近況の決まり手はまくりのみだったが、2日目の二次予選では逃げて2着に粘り込んだ。
 「ここからならもつだろうなって、そこで仕掛けられている。そうやって(仕掛ける)距離が長くなれば、自分にとってもいいし相手は嫌でしょうね、前回の福井で逃げの決まり手がついて、久々だったんで自分としてはうれしい」
 デビュー2年で初のGI出場の機会を得た佐々木豪が、検車場のムードを感じ取りながら自転車を組み立てる。
 「上を目指している人しかいないし、(GIは)本当に楽しそうですね。(6月の)宇都宮記念では途中欠場をしたし疲労のピークだった。そのあとも疲れていた。(松戸記念を欠場して日にちが)空いてキツい筋トレみたいな練習もできた。まずは(一次予選で)勝ち上がれるように。一走でも多く走りたい」

<10R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 GI高松宮記念杯、GIIサマーナイトフェスティバルを含めて菅田壱道(写真)は、直近の5場所すべてで決勝に進んでいる。地元地区でのGIには、自ずと気合も入る。
 「福島の人ほどじゃないけど、地元地区で応援も多いし頑張りたい。GIはいつも頑張ってますけど。ここの合宿では雨が降っていたこともあるけど、1日、2日は思い切り乗れた。あとは疲れが抜けているかどうか。このあとの指定練習で感触が良ければいいですね」
 前回の松戸では久々に記念優出を遂げた松岡健介だが、慎重なコメントをする。
 「(松戸が)そんなに良くなかった。それで刺激と休みの両方を入れてきたけど、上積みがあるような感じはなかった。(松戸の決勝は中川)誠一郎が抜けていた。ああいう人と走ると自分の感覚がいいのか悪いのかわからなくなりますね」

<11R>

平原康多選手
平原康多選手
 平原康多(写真)は前回の弥彦記念で優出を逃すも3勝をマーク。スピード競輪に対応するために方向性もはっきりしたようで、いつもの笑みを浮かべながら闘志を内に秘める。
 「(スピードに対応するために)トータルですね、そこがうまくいっている感じがする。弥彦(記念)に向けてというか、スピードを強化するっていうことで、いろいろと弥彦に向けてもやっていたんですけど、それがいい方向に向いていたんで、さらにそれに磨きをかけてきたような感じでトレーニングしてきました。自分もまだまだイケるっていう気持ちになる。負けて悔しい思いもあるけど、そのぶんを取り返す。戦うスタイルはいつも通り。臆せずに仕掛けたい」
 2年ぶり2度目のファン投票1位に返り咲いた新田祐大は、地元での開催を力に変えて渡邉一成と息を合わせる。
 「直前は、もうずっと練習ですね。これが終わった次の日の21日にアジア大会に出発するんですけど、それに向けてトレーニングしてました。(体調は)問題ないと思います。練習の内容とかはいまのナショナル体制になってからは、自分たちでは調整できなくなっている。そこで体調が万全か万全じゃないかは自分たちで決められない。ただ、唯一変えられるのは気持ちの部分だけで、そういう意味ではこのいわき平競輪場でのGIというのは非常に僕らにとってプラスになる」
 地元オールスター連覇に向けて、渡邉一成はただひたすら勝利を追い求める。
 「どんな形であれ勝つこと。それだけに意識を集中していく。練習の疲れで疲労困ぱいってわけじゃないし、移動疲れが取れればいいですね」
 九州でただひとりドリームに選ばれた山田英明が、ファンへの感謝を口にする。
 「オリオン賞にも出られたらいいなってくらいに思っていた。だからめっちゃうれしいし、名誉なことですね。本当にありがたいです。地元が暑かったんで、小倉に行ってスピード練習をしてきた。やるべきことはやってきた」