バーと美容室が一緒になった店
こんにちは、ディスク百合おんです。
先日、京王井の頭線・久我山駅から歩いて2分くらいのところに、民家にモダンさが加わった、良さげな外観のバーを発見しました。
店頭にあったメニューを見てみるとお酒が幅広く揃っています。
良さそう……。
こうなると、フードも気になりますね。
隣にあったので見てみましょう。
うんうん、やっぱりカットは鉄板だよな。
ほほーっ、ヘナもあるのか。シメに酵素パーマも良さそう……。
……ん?
これ……フードじゃないな。
なにかおかしいと思って看板を改めて見てみると……。
「HAIR SALON AOI」「BAR SOU」
美容室とバーが並んでらっしゃる!?
いったいどういうこと……?
とりあえず潜入してみた
店内も外観同様、古民家を改装したような雰囲気でちゃんとしています。
マスター:いらっしゃいませ。
こちらの笑顔がまぶしい男性がマスターの村上淳一さん。落ち着いた物腰で、話しやすいオーラをまとっています。
マスター:お好きな席へどうぞ、何にしますか?
── (さっきの美容室メニューが気になるけど)……あ、じゃあお酒いただけますか? オススメとか、ありますかね?
マスター:そうですね……お酒はひと通りありますよ。最近はウイスキーを徐々に増やしています。「アイラモルト」に偏ってるんですが……。
── ア、ア、ア……アイラ?
マスター:動揺されてますね。アイラは島の名前で、そこで生産されているモルトウイスキーなんです。燻されたような、薬っぽいような独特な風味があるんですよ。
── へえ、興味深いなあ。じゃあそれ下さい。あ、1杯目なんで、ハイボールでいただきたいんですが邪道ですかね……?
マスター:いえいえ、大丈夫ですよ。ハイボールにするならこれがオススメです。
▲ラフロイグ10年(900円)
マスター:どうそ。
── いただきます……あ、スッキリしてるけど深みがある。ウイスキーとしての個性も味わえつつ、飲みやすい。美味しい~。
マスター:よかったです。
▲スパニッシュオムレツ(300円)
店内に美味しそうな香りが漂っており、ついこちらも注文。
ふっくらとしており優しい味付け。ひき肉、じゃがいも、具がたっぷりなのも嬉しい。
── いや~、どちらもしみじみ美味しいです。
マスター:ありがとうございます。
── まったりしますわ……(ハッ!)。そうだそうだ、忘れるところだった。店頭にバーのメニューとサロンのメニューがあったんですが、こちらは美容室もあるんですか?
マスター:実は2階で美容室をやってるんですよ。見てみますか?
マスターに案内され、奥の階段から上がってみると……。
美容室だ……。
マスター:基本、朝から夕までは上で美容室、夜は下でバーをやっているんですよ。
──ええっ。斬新過ぎますよ。すごいなあ……ちょっといろいろ聞かせてもらってよいですか?
好きなことを2つもできてるのが最高
── 珍しい形態のお店だと思うんですが、始めたきっかけは何ですか?
マスター:もともとは私は高井戸にある立ち飲みバー「SORA」の常連だったんですね。その時、そこのオーナーさんが「店をやらないか?」と声をかけてくれまして、始めることになりました。
── ふむふむ。
マスター:当時、高井戸で美容師として働いていたんですね。なので最初は美容室で自分のお店を持つことを考えていました。その中で「教室をやったらどうかな?」とか「食べ物を提供したらどうかな?」とか、考えを膨らませていくうちに、このアイディアに行き着きました。
──美容室もやりながら、バーもやると。
マスター:そうです。もともとお酒が好きだったのもあり、「バーのマスターが美容師だったら面白いんじゃないの?」というアイディアが降りてきました。酒も作れて髪も切れちゃう……みたいな。あと、経営するうえで複合的にやった方が良いんじゃないかというのもありました。
──1人でやってるんですよね? 一人二役みたいな感じで、てんやわんやじゃないですか?
マスター:そうですねえ……1人でやるのは、大変は大変ですね。でも、美容室はプライベートサロンになっていてマンツーマン。誰かと一緒にやるより、ちゃんとお客様に寄り添えるのでしっくり来ています。あと、美容室とバーってまったく違う業種なので、メリハリがついてどっちも楽しく出来ていますね。なので、どっちも今のところ無理なく頑張れてます。
──まったく違う業種だからこそ、うまい具合に相乗作用を起こしてるんですね。
マスター:そうです。ただ、お酒好きなのに接客中は飲めないので、うらやましくなる時はありますね……。
──ギャハハ! 確かにそうでしょうね。
絶品トマトの意外すぎる仕入先
もうちょっと呑みたかったので、イチ押しメニューを用意してもらいました。
▲無農薬トマト(200円)
──鮮やかなトマトですね……うんまっ! 味が濃い。 甘みが強くて果肉が詰まってますね。言われたとおり、塩無しでも全然いけちゃう。これ、どこで仕入れているんですか?
マスター:近所の洋服屋さんです。
──ちょっとちょっと、ご冗談を……。
マスター:ハハハ! 本当ですよ。洋服屋さんのご主人の実家が九州でして、自分用に買ってるものなんです。ただ、少量では買えないらしくて、自分で食べきれない分を売っているんですよ。いわゆる、おすそ分けなんですよね。
──超・地域密着型だ……。
マスター:ちなみにその洋服屋さんは毎月10日~20日しかやってなくて、そのタイミングでしか手に入りません。
──超レア!
▲亜麻猫(700円)
──う~ん、一緒に用意してもらった日本酒、トマトと合いますね。両方フルーティ~。
マスター:飲みやすいですよね。 秋田の新政酒造で作られたお酒です。その酸味は焼酎用の麹菌、白麹で仕込んでるからなんですよ。
──トマトと日本酒、いいですね。
マスター:いろんな酒屋さんに足を運んで、自分が気に入ったお酒を出してます。自分の好みが入っているので少し偏っていますが、どれも自信を持ってオススメできます。
「やってみないとわからない」
──いやはや、呑み過ぎてちょっと仕上がってきました……。ちなみに唐突なんですがマスターはおいくつなんです?
マスター:51歳です。
──ええーっ!? 見えな~い!!
マスター:ハハハ、ありがとうございます。19歳からずっと同じところで美容師をやっていたんですよ。だから31年間ですかね。
▲当時のマスター
──すごい。そんな同じ環境で働き続けてきたなかで、そこを飛び出してチャレンジするなんて、勇気がいったんじゃないですか?
マスター:うーん……そんなには悩んでないですね。もちろん、勇気いる行為でしたが、どんなに条件は整っても「やってみないとわからない」と思っていたので。
──「やってみないとわからない」……いい言葉だな~。
マスター:先ほどお話したように、立ち飲み屋と職場が近かったんです。なので当時の働きぶりをオーナーが見ていて「これなら任せられる」と思ってくれたみたいで、続けていたことで自分の信用や技術が積みあがっていって、自分の店の実現につながったのかなと。
──マスターの「継続とチャレンジ」の姿勢、どちらも素晴らしいと思います。尊敬します!
マスター:ありがとうございます……あ、そうだ。今回はバーでしたが、是非今度は髪切りにきてくださいよ。
──ああ~、そうですね。ちょうど髪も伸びてきてたのでナイスタイミングかも。じゃあそれも記事に入れちゃおうかな!? なんちゃって。
ハッハッハッハッ!
ハッハッハッハッ!
ハッハッハッハ……
ここは「メシ」通ですが
本当に来ました。
美容師バージョンのマスター。
親しみやすさはそのままに、シザーバッグもサマになっていて頼もしい。
バーでの何気ない会話により、お互い打ち解けているからか、カットのリクエストも話しやすかったです。
熟練された丁寧なカットさばき……。
うわ、たんまり。
シャンプーってこんなに気持ちいいんか……。
(ここ何年も1,000円カットで済ませていたので、忘れてしまっていた)
マッサージもついてます。いつものだらしない顔が心なしかひきしまりました。
完成!
自分で言うのもどうかと思いますが、いい感じじゃないですか。
強めのクセを生かしつつ軽くなり、かなり満足な仕上がり。
えりあしもさっぱりして、シルエットもスッキリ。清潔感がありますね。
ありがとうございました~!
バーも美容室も両方素晴らしかった……。
どちらも是非皆さんにも味わってほしいですね。
あとすみません……記事タイトルの件ですが、
バーバーは.、英語で床屋または理容師のこと(barber)。
(バーバー - Wikipedia-より)
バーバーは美容室じゃなくて、「床屋」です。
「バーとバーバーだ!」と、浮かれて付けたら大間違い。
お恥ずかしい……今度お店に行って優しいマスターに謝って、励ましてもらおっと……。
お店情報
蒼aoisou
住所:東京都杉並区久我山4-1-3 1F
電話番号:03-5344-9199
営業時間:19:00~24:00(木曜日〜日曜日の4日間営業)
定休日:月曜日・火曜日・水曜日
HAIR SALON AOI
書いた人:ディスク百合おん
ナードコアという特別なテクノを得意とするミュージシャン。コンビニで手に入る食品を合わせて新しい料理を作りあげる「コンビニかけ合わせグルメ」を紹介する人として様々な媒体に取り上げられ、同名の初書籍が2017年11月2日(木)に発売。山本さほ「岡崎に捧ぐ」に登場する杉ちゃんのモデルという棚ぼた知名度も獲得している。