pixivは2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
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この人を起こすのはもはや日課になりつつある
「おはようユーイチ…」
何回か声をかけてようやく目を開けてくれた恋人の眠そうな顔が近付いてくるが、むにっと頬をつまんだ
「だめ」
「…なんで?」
「遅刻しちゃうよ」
優しく諭して着替えようとしたら、グイッと強い力で腕を後ろに引かれた
「うわぁ!」
ぼすんと音を立ててベットに倒された
「な、なにするの!」
覆いかぶさっている恋人を注意するけど、飄々としている
「ええやんかキスくらい」
「やだ!しつこいもん!」
「そりゃあ今日から禁欲生活やし?たっぷり充電させてくれ」
いいって言ってないのに唇を重ねてきた
「ん…」
それだけならまだ良かったが
なんとパジャマに手をかけて脱がしてくる
「や、ゆた…か、さんっ…!」
慌てて身をよじるが、構わずに口付けられる
角度を変えたり
啄んだり
同時に肌をいやらしい手つきで撫で回される
「行為やないからセーフやろ?」
からかうような口調だった
そ、そうか…!
1週間性行為禁止ならユタカさんは反省してくれるかと思っていたけど、違うのか
性行為以外なら何をしてもOKだと思っているみたい…!
このままだとユタカさんの思うつぼ
肩を押して抵抗するが
突然舌が唇を割って入ってきた
「っん…!」
びっくりして一瞬動きが止まってしまった
そのせいで閉じるのが間に合わなかった
そのまま濃厚なキスをされた
「んっ、んっ、…んっ、ぁ…」
ユタカさんの胸元を叩く
でも中々離れない
「んー!」
半ば無理やり押して、ぷはっと口が離れた
朝に相応しくないキスで若干酸欠になってしまい、力なくベットに横たわる
「もう…やりすぎ…」
息を短く吸いながらじっと睨むけど
ユタカさんは笑っている
「ごめんなぁ」
言葉だけじゃん…
恨めしく思っていると、不埒な気配を感じ取ったのでとっさにユタカさんの耳を強く引っ張った
「いてて…」
「やらないで!」
「何でや〜?」
ニヤニヤしてる…
絶対ろくなこと考えてない
おれには分かる
「こういうのも禁止!」
「後付けやん、ズルくない?」
「ずるくない!」
「いや、ズルだよ…」
急に声を落として
眉を少し下げながら距離を縮めてくる
で、出た…!
顔の良さと普段は見せない表情を使って
おれのことを口説き落とそう(誤魔化そう)としているユタカさんだ!
これに何度敗北したことか……
「男に二言はないやん?」
「だって…」
「分かった、我慢できなくなるんやろ」
我慢できない…?
なにを…?
「そーいうことされるとすぐ疼くもんな」
うずく…?
「抱いてもらえなくて泣いちゃうよなー」
な、泣く…?
誰が…?
「……おれ?」
「他に誰がいるん?」
言われたことを理解した瞬間
ぶわっと羞恥に似た何かが込み上げてきた
「は、はぁ!?」
「ん〜?」
「ひ、人を変態みたいに言って…!」
侮辱やん!
名誉毀損や!
許せない!
怒ってユタカさんをバシバシ叩く
「とにかくだめだからっ!!」
「ユーイチぃ…ホンマにダメなん?」
手段を切り替えたらしく
抱きついて、おれに甘えてきた
……揺らぎそうになったが何とか耐えた
「スキンシップくらい許してくれよぉ」
「いじわるするからやだ…」
というかキスってスキンシップなの…?
「好きだから意地悪すんねん」
…その言葉には騙されないから!
おれが流されるの待ってるんでしょ!
分かってるんだから!
「…ユタカさんこそ、我慢できないの?」
「当たり前やろ」
仕返しのつもりで言ったのにすんなりと頷かれて拍子抜けしてしまう
「言ったろ、好きだからって」
またも顔が近付いてきた
「…っ!」
唇と耳、髪や顔中に愛おしそうにキスをしてくる
「ぁ、っ…」
くすぐったい!
むず痒い!
変になるからやだ!
「やめ…やめてっ…!」
「スキンシップ許してくれたらやめてあげる」
べろん、と首筋を舐められた
「ひっ…!」
それだけでびくんと肩が跳ねた
おれが怯んでいるうちにユタカさんはちょっと下の方に移動して、足を裏から掴んできた
何かされる…!
そう思って引っ込めようとしたが、一歩遅かった
…足の甲に口付けを落とされた
「ぇぇ…?」
情けない、変な声しか出ない
上半身を起こして状況を確認する
足に口付けを落とすなんて…
似合ってたし
まるで童話に出てくる王子様みたいだったけど…
やってる相手はおれなんだよね…
いいの…?
「ユーイチ」
名前を呼ばれた、と思ったら
ユタカさんはあろうことか足を舐め始めた
「あ!?え…!?」
「お願いや」
「ぃや…!なめちゃ、だめぇ…!」
「触れさせてくれるだけでもええからさ」
会話どころじゃない
なにしてんの!?
「きたないっ…からぁ!」
拒否してるのにも関わらず、足に舌が這う
指の間も丁寧に舐めてくるし……
ぬるぬるしてて
くすぐったくて
気持ちよくて…
「やだぁっ…!」
無理!!
死んじゃう!!
「スキンシップすら無しだなんて…我慢できずにユーイチを人気のない場所で襲ってまうかもしれん…」
ほんとにしそう!
やめてよね!!
ぶんぶんと首を振る
「嫌がることはしたくないんや」
今してるじゃん…!
「頼むよ」
ユタカさんはひとしきり舐め終わったらしく足を解放してくれた
妙な感覚に苛まれていると
またベットに逆戻りされて、覆いかぶさってきた
両手を絡み取られてきゅっと握られる
最後にこつんと額を合わせてきた
「約束は守るから」
どう?、と聞かれた
そ、そんなの……もう、頷くしかないやん…!
断ったら何されるか分かんないし!
「はい…」
「ありがとう」
満面の笑みになって、唇を塞がれた
「いい天気やねぇ」
「…うん」
ぼんやりしてしまって、あまり頭が働かない
いい天気なのかすら分からない
「手繋ごうか」
「…うん」
(傍から見れば)仲良く手を繋ぎながら登校する
……あかん
何も考えられない
朝からとんでもなく濃密なことをしてしまった
今から学校なのに…
制服に着替えたことも
朝食を食べたことも
何ひとつ覚えていない
多分ユタカさんのお世話になった
「今日の1時間目さぁ」
結局頷いちゃった
性行為以外をOKにしちゃった
負けちゃった
いいのか…
…よくない
いいはずがない
けど……
ほんとはユタカさんの言う通りなの
ムキになって言い返しちゃったけど…
すぐ疼くような身体になってるの
抱いてもらえなくて泣くとか…
ホントかも……
おれって変態なのかな…
「ユーイチ?」
「ひぇ…!」
元凶である張本人に顔を覗き込まれて、変な声が出てしまった
「何、どうしたん?」
「い、いや…」
「可愛いな」
流れるように頬にキスされた
ユタカさん、OK出されたからって浮かれすぎ…!
即刻手を振り解いて距離を取った
「ここ外だよ!!」
「ええやんか」
「良くない!」
注意してもニコニコしてる
…そんなに嬉しいんだ
まんまと流されたおれのこと見て笑ってるんだ…
「口がよかった?」
「違う!!」
「照れんでよ」
照れてないし…!
ほんとにやめてほしいの!
「学校が終わったら続きしような」
了承も拒否もできんやん…!
OK出しちゃったし
嫌って言ってもやめる人じゃないし…
お、終わった……
「俺はユーイチが心配やで」
「…子ども扱いしてるの?」
「ちゃうちゃう、舐められただけで感じすぎやなぁーって」
ははっ、笑われた
からかわれてる…!
一瞬で泣きそうになるくらいの恥ずかしいことを言われた
わなわなと震えながら言い返す
「ユタカさんがするからっ!」
「せやなぁ」
「ユタカさんのせいだからねっ…!」
「……責めてるんやろうけど、俺にとってはただの嬉しい事実確認やからな」
おれは責めることもできないの…!?
なんで…!?
「部屋に戻ったら舐めてあげようか?」
「な、なにを…!?」
「全身」
「け、結構ですっっ!!」
「遠慮せんで〜」
してへん!!
するわけない!!
ほんま…この人はっ…!
「はよ学校終わらんかなぁ」
まだ始まってすらないよ!!
おれの方が優位に立っていたはずなのに、いつの間にか逆転してしまった
ユタカさんを反省させるための禁止令だったのに
何でおれが耐えられるかみたいになってるの!?
意味わかんない……
オマケ
「坊ちゃんおはよー」
廊下から声をかけられたが、返事をする気力すらない
机に突っ伏したまま手を挙げて応えた
「何や、どうしたん」
それに違和感を覚えたのか
教室に入ってきて、様子を見に隣まで来た
「体調不良?」
「違くて…その、」
悩みを共有したくて、幼なじみに今朝あったことを全て話した
……盛大に鼻で笑われた
「何してんだか」
「なんも言えん…」
「意思が弱い」
「…ユタカさんが悪い」
ほんとに全部悪い
朝からあんなことするし
ズルいし、いじわるだし…
「で?大丈夫なん?」
「当たり前やろ!」
「そうか〜?」
恋人によく似た顔でニヤけている
「……なに」
「我慢出来なさそうよな」
なんで兄弟揃って同じことを言うんだろうか
おれってそんな風に見えるん?
何にせよ、侮辱なのは間違いない
「いてッ」
足に蹴りを入れた
「最低」
「だって坊ちゃんやし?」
「人を…はしたないみたいに……」
「違うの?」
「違うわ!!」
ムカついたから帰れ帰れと背中を押す
ぐいぐいと教室から追い出す
「オレは外野から面白おかしく見守ってるわー」
「見るな!あと面白くないし!」
「それに…」
幸四郎が教室から出る寸前
急に振り返ってガッと顎を掴まれた
「え、」
そのまま上を向かされて、変なことを言われた
「お顔に気をつけな?」
「…顔?」
「坊ちゃんは分かりやすいから」
バイバーイ、と手を振って自分の教室へと向かって行った
「…分かりやすい?なにが……?」
1人で首を傾げた
ご本人様とは関係ありません
完全な自己満足です
意識してるユーイチくんは弱い
Xでの呟きを初めようかと思います
2人の話や小説の話しか基本しないと思います
進捗状況とか、裏話なんかも呟きたいですね
マシュマロも紹介したいです
一応鍵垢です
でも特にこれといった条件はありません
プロフィールの方にもリンクが貼ってあります
↓↓
https://x.com/Ciel20083358?t=384Rdrn-_HWKnPbOPiPZww&s=09