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リアルで埋もれていた美人母娘が異世界で女神としてしつけられる物語 作者:りんしつ

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玲子と由加の晴れ舞台

8月24日。玲子と由加は魔法戦士振興会事務所にいた。玲子は赤。由加はブルーを基調にしたチア。玲子はパープル。由加は黒の下着を身にまとった。今日はニュース映画の撮影。2人は[フリル]として予備役のシードマンとの対戦シーンを撮影する予定。玲子たちはマクダと3人で呪文を唱えた。呪文は行きたい場所と基本形からなり、3回唱えるとその場所に行ける。「キスイダコッべケス、キスイダコッべケス、キスイダコッべケス」。すると目の前のゲートが開き、玲子たちは異世界にいた。そこは見渡す限り茶褐色の岩肌。廃採石場を利用したかつての魔法戦士の対戦場所だが、今はもっぱらニュース映画の撮影場所に使われている。フリルはシードマンに温かく迎えられた。「はじめまして玲子。僕はハビエル。仲よくしようね」「よ、よろしくねハビエル」「はじめまして由加。僕はリメル。仲よくしようね」「そうねリメル。あなたに逢えて嬉しいわ」玲子はリメルとガッチリ握手した由加にちょっぴり嫉妬した。シードマンの日本語はイントネーションが怪しくて流暢ではないが、ふつうに会話できるレベル。2人は安堵し、しばらく彼らとの雑談に花を咲かせた。マクダはすぐに帰った。また迎えに来るという。まずは柔軟体操。ハビエルは玲子。リメルは由加と組んで柔軟体操を始めた。4人とも白のアームカバーは装着していない。玲子たちはまず18歳の彼らとの体格差に驚いた。ぜ、全然違うっ。肌の密着度を強められていくほどシードマンとの格差をイヤでも痛感させられてしまうのだ。でもハビエルたちはフレンドリーだし気さくで親しみやすい。ものが言いやすい雰囲気があり、2人はホッとした。続いて打ち合わせ。「まずは空中戦。それから対面を練習しようね」「そ、そうね」4人は白のアームカバーを装着した。フリルは装着の仕方がわからずシードマンに教えてもらった。同じメーカーなので助かる。フル装備した玲子たちはまずジャンプしてみたが、5メートルくらい飛べる。2人の目線では6メートル半くらい。玲子たちは飛ぶ高さに慣れるのに苦労したが、徐々に飛ぶ高さを上げることで意外なほど早く克服できた。次に上からのキックの練習。三十路の女性は華麗に。思春期の女の子は力強く舞う。具体的にはからだをひねり、ミサイルのように威力を増そうとする。小柄な2人はふつうにキックを放つもなかなかハビエルたちを捉えられない。でも彼らとの距離感を意識すると徐々にヒットし始めた。最後に対面の練習。上からのキックを放ち、ふわりと着地してからは対面勝負。玲子たちはハイキックを教わった。アッパーやローキックもあるが、ハイキックにまさるものはない。どうにか形になったので撮影開始。柔軟体操は撮れたので雑談タイムから。「初めてだからね。ゆるめてあげるよ」「助かるわあハビエル」「初めてだからね。ゆるめてあげるよ」「ホント?助かるわあリメル」前半はフリルの上からのキックで始まった。彼らにかわされて対面勝負に。玲子たちはハイキックで攻めた。不慣れなせいかバランスを崩しやすい。2人は体幹をしっかり鍛えないといけないと痛感させられた。玲子たちはコロコロ転んではハビエルたちに優しく引き起こされてメロメロにされまくった。これはこれで悪くないが勝負にならない。まだまだ私たちは対等になれていないが、いつまでもシードマンに甘えてはいられない。彼らに甘えたい気持ちと自立したい気持ちが矛盾なく同居した。ハーフタイムに入り、玲子たちは作戦会議。もちろん策などありはしない。「とにかく攻めよう」「そうね」後半はフリルの上からのキックで始まった。玲子たちは力強く舞い、荒削りではあるがハビエルたちを魅了した。あまりにも簡単にかわされてフリルは拍子抜けした。ま、まだまだ未熟なのね。対面でも玲子たちはハイキックで果敢に攻めたが、なかなかシードマンを捉えられない。でも徐々に攻撃のリズムが生まれた。ハビエルたちの反撃が始まった。シードマンに背後を取られて背中の真ん中に触れられたかと思えばふくらみのあたりがスースーする。ま、まさか?ブラジャーのホックを外されたのだ。ま、マジ?え、えらくマニアックね。でも構ってはいられない。わ、ワンタッチでホック外されちゃうなんて。じゃあフロントホックでもムダね。フリルは2秒で観念した。私たちは一撃でノーブラ1択にされちゃった。玲子たちは一抹の不安に駆られたが、今さら後戻りなんかできないし、したくない。かと思えばハビエルたちに背後から脇の下をコチョコチョくすぐられた。いやさすがにコレはセクハラでしょ?「く、くすぐったいよお❤」「そ、そこマジでムリいっ❤」フリルはゲラゲラ泣き笑いし続けた。な、涙とよだれが止まらないわ。最後は玲子たちの泣き笑いした表情のアップで締めた。撮影が終わるとフリルはシードマンと仲よくハイタッチをかわした。

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