分数には、仮分数、帯分数、真分数という種類があったのを覚えているでしょうか。
今回問題に登場するのは、帯分数と呼ばれるタイプの分数、そして負の数です。
基本の計算ルールを思い出しながら、挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしてください。
(2+1/2)÷(3+1/3)−4−(−5)
答えは帯分数で出してください。
解答
正解は、「1+3/4」です。
帯分数、そして負の数の計算方法が試される問題でした。
途中で戸惑わずに、正解までたどり着けたでしょうか?
分からない部分があったという人は、次の「ポイント」で計算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、帯分数の割り算と負の数の引き算です。
ステップ1 帯分数の割り算
まず、帯分数と仮分数とはなんなのか、確認しておきましょう。
帯分数...整数と分子が分母より小さい分数(真分数)をまとめた分数 例:3+1/3
仮分数...分子が分母より大きい(もしくは分母と等しい)分数 例:10/3
今回の問題では、式の冒頭に帯分数の割り算が登場します。
(2+1/2) ÷ (3+1/3)−4−(−5)
分数の割り算の計算ルールは、「割る数の逆数を掛ける」でした。
しかし、帯分数では整数部分が邪魔で上手く逆数にできません。
そこで、まずは帯分数を仮分数に変換してから割り算します。
帯分数を仮分数に変換するステップは、次の通りです。
1.整数を分数に変換する(分母は隣の分数に合わせ、分子は整数×分母とする)
2.1を分数部分と足す
では、早速やってみましょう。
2+1/2の場合:整数部分の2→2×2/2=4/2として、真分数1/2と足す 4/2+1/2=5/2
3+1/3の場合:整数部分の3→3×3/3=9/3として、真分数1/3と足す 9/3+1/3=10/3
帯分数を仮分数の形にできたら、後は割り算するだけです。
(2+1/2)÷(3+1/3)−4−(−5)
=5/2÷10/3−4−(−5)
=5/2×3/10−4−(−5)←10/3の逆数を掛ける
=(5×3)/(2×10)−4−(−5)←分子と分母を5で割って約分する
=(1×3)/(2×2)−4−(−5)
=3/4−4−(−5)
これで帯分数の割り算が終わりました。
ステップ2 負の数の引き算
次に、−4−(−5)の整数パートの計算をします。
3/4−4−(−5)
3/4−4を計算してその結果から(−5)を引いて、と左から順番に計算していってもよいのですが、整数と分数の計算をするには、整数を分数に直さなくてはなりません。
今回は、帯分数で答えを求められているので、整数部分はそのままにしておいた方が何かと楽です。
そこで、本解法では、先に整数部分を計算してしまいましょう。
ここで大事なのが、負の数の引き算のルールです。負の数は、直前の符号の意味を逆転させます。負の数の足し算は引き算に、負の数の引き算は足し算になるのです。
+(−▲)=−▲
−(−●)=+●
先に整数パートの計算をしても良い理由
足し算と引き算の計算の基本ルールは、「左から順に」ですが、足し算だけの式ならばどこから計算しても良いというルール(結合の法則)があります。
3/4−4−(−5)は一見引き算と足し算の計算式に見えますが、−4=+(−4)、−(−5)=+5と変換すると足し算だけの式になります。
3/4−4−(−5)
=3/4+(−4)+5
よって、整数パートから計算をしても正しい答えが出るのです。
では、続きを計算していきましょう。
3/4+(−4)+5
=3/4−4+5
=3/4+1
3/4は分子が分母よりも小さいので、真分数ですね。
帯分数の形に直すと、1+3/4が答えになります。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
帯分数と仮分数の変換は小学校で習う知識ですが、日常ではあまり使う機会はなく、忘れてしまっていたという人もいるでしょう。
これは負の数の計算も同様です。
変換、計算の手順自体はそこまで難しくないので、何度か解いているうちに覚えられるのではないでしょうか。
ぜひ他の問題にも挑戦して、忘れている算数や数学の知識を思い出してみてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
分数の問題にもう一問挑戦!