大麦やホップにこだわった4種類のクラフトビール(福知山市大内・THE610BASE)

大麦やホップにこだわった4種類のクラフトビール(福知山市大内・THE610BASE)

旧校長室を改装して設けられた発酵や貯蔵用のタンク

旧校長室を改装して設けられた発酵や貯蔵用のタンク

 廃校の校舎でこだわりの一杯を造りたい―。京都府福知山市大内の旧中六人部小に4月中旬、クラフトビールの醸造所がオープンした。現在、地元産の原材料を使用するなど製造法にこだわり、味と風味の個性豊かな4種類を販売している。担当者は「農業と地ビールを組み合わせ、過疎化が進む地域の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

 同校では、市内の電気設備会社「井上」が2020年から施設を引き継ぎ、イチゴ農園「THE610BASE」として活用している。

 クラフトビールの全国的なブームを背景に、同社は21年からビール事業を計画。社員の大西裕基さん(31)が神奈川県の醸造所に住み込みで1年間修行し、今年2月に発泡酒製造免許を取得した。

 醸造所「Primary Barrels(プライマリーバレルズ)」は旧校長室などを改装して立ち上げた。発酵や貯蔵に用いる500リットルのタンク計10基が並び、年間で1万6千本の製造を見込んでいる。

 製造販売する4種類のビールは、地元農家が栽培した大麦のみを使用してスッキリとした喉ごしが特徴の「610(ロクイチマル)」や、アメリカ産の7種類のホップによってフルーティーな香りが楽しめる「スターリットセブン」など。

 今後はミカンや同園のイチゴなどを使って季節に応じた商品も企画し、約100種類のレパートリーを目指すという。

 大西さんは「多彩な味を楽しめるのがビール造りの魅力。最高の一杯を届け、たくさんの人が笑顔で集える場所にしたい」と張り切っている。

 農園内のカフェで提供するほか、缶の販売(1本350ミリリットル、720~780円)や量り売りもしている。営業時間は午前10時~午後4時(ラストオーダーは午後3時半)。月、火曜日定休。問い合わせは同園0773(20)2015。