JR車内で人知れず死亡の男性 答えの出ない問題、考えるきっかけに

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ネットワーク報道本部 平川仁
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 今年5月11日朝、JR渋谷駅東京都)から電車に乗ったとみられる男性が約12時間後、JR小田原駅(神奈川県)に着いた電車の座席で亡くなっているのが見つかりました。

 男性はどうすれば助かったのか、私たちの社会はどうあればいいのか。そんな思いを抱きながら担当したという、ネットワーク報道本部の平川仁記者が、取材を振り返りました。

取材することの「意味」、考えながら向き合って

 すぐには答えの出ない問題を記事にする意味を考えさせられる取材だった。

 ある女性から、夫(当時50)の最期について話を聞いた。5月11日午前8時ごろにJR渋谷駅から電車に乗ったとみられ、約12時間後の午後7時40分ごろになって、車内の席に座った状態で亡くなっているのが見つかったという。

 医師の死体検案書によると…

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    南野森
    (憲法学者・九州大学法学部教授)
    2024年8月21日10時11分 投稿
    【視点】

    渋谷発の電車内で12時間も誰にも気付かれることなく心筋梗塞の発作で亡くなられた50歳の男性・・・他人事とは思えず、なんとも辛い話です。   車内ではみんなスマホに夢中ですし、むやみに人と目を合わせるとトラブルに巻き込まれることになるかもしれ

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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年8月21日12時16分 投稿
    【視点】

    「困っている人を見たら声をかけよう」といったキャンペーン報道を行うならいざ知らず、記者自身の「自分の行動には確かな変化があった」などという一人語りにコストを払う合理的理由は理解できないが、なぜキャンペーン報道を行わないのだろうか。 またそ

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