ありもしない「規約違反」に問われ、不正な手続きとパワハラで追放された事件

 日本共産党福岡県指導部が「常任委員会」の名で私の除籍・解雇について声明を発表したので、私は反論せざるを得ません。簡単に説明します。

 

ありもしない「規約違反

 私が共産党を「除籍」という名目で追放されたのは、ありもしない「規約違反」に問われたからです。

 私は2023年2月の党福岡県委員会総会で、松竹伸幸氏の除名処分には重大な瑕疵があると発言し、その見直しを提案しました。提案は総会で否決する決定がなされました。私はこの決定の立場で今後がんばるというブログ記事を書いてアップしました(同年3月)。

 ところがそのブログ記事が、党の見解に反する意見を勝手に発表し、また、内部の問題を勝手に外部に出したとして、「規約違反」だとされたのです。

 しかし、私はブログで元の私の意見を否定し、総会の「決定に従う」という結論をちゃんと書き、しかも、決定そのものや決定に沿った認識を、否決された元の私の意見の10倍も書いており、「党の見解に反する意見」どころか「党の見解」を詳しく説明しています。全くあべこべなのです。

 また、総会の決定は「秘密」だとか「非公開」だとかいう規約条文も、内規も存在しないことを、私はちゃんと党県指導部に確認しています。党の綱領や決定はむしろどんどん国民・県民に広げるべきものですし、私も周りもそうしてきました

 さらに、「他人の討論を勝手に外に出せば萎縮する」と党県指導部は言うのですが、上記の通り党の決定は「秘密」や「非公開」ではありませんし、少なくとも私は総会での個人としての他人の討論・意見をブログで紹介したことなどありません。具体的にどこですかと聞き返しましたが、誰も指摘できませんでした。当然です。紹介していないのですから。

 詳しく知りたい方はこちらをお読みください。

kamiyatakayuki.hatenadiary.jp

 私は党県指導部にこれらを堂々と回答しましたが、党県指導部は「違反だ」と繰り返すだけで、具体的に何も反論できませんでした。「規約違反のブログを公表した」というのは、不当な言いがかりなのです。

 

自己批判の強制にこだわった党県指導部

 党県指導部は、23年5月に2度の私への「予備調査」という名目での査問を行い、同年6月21日には “神谷は重大な規約違反を犯した。自己批判*1し、ブログを削除せよ。さもなければ党員の資格を問われる。従わない場合は、規約上の正式な調査審議を開始する”との趣旨の常任委員会決定を行いました。

 みなさん、一読して「え? 正式な調査や審議がこれから始まるのに、先にもう規約違反がきまっているの? 結論ありきということ?」と不思議に思われたことでしょう。全くその通りですね。これは一番ひどい根本矛盾でした。調査審議の期間は、23年6月21日から除籍を決めた24年8月6日まで1年2ヶ月ずっと続きました。違反かどうかの調査審議が続いているのに、規約違反だと決定できるはずがありません。

 私はこのような常任委員会決定に対して、規約上の正式な調査審議が終わっていない以上、私のブログ記事が「規約違反」だとはどこでも正式に決定されていないこと、「違反」の正式決定がない限りブログ記事を掲載・再掲する権利が私にはあること、規約では「自分の意見を保留する」党員の権利が認められており(5条(五))自己批判は義務づけられないこと、なのに履行が義務づけられた「決定」で自己批判せよと命じることは規約に反する不公正なものだと述べました。

 県常任委員会名の文書を見てもわかる通り、党県指導部はこうした私の指摘に具体的に反論できず、「自分勝手な解釈だ」と言うだけでした。

 私は“不公正な決定である限りは従えないが、規約違反と決めつけず自己批判も求めず、単にブログ削除だけ求める再決定があれば従う”と提案したのですが、党県指導部は拒否しました。あくまで自己批判にこだわったのです。

 

私へのパワハラ

 (1)県三役(正副委員長・書記長)は、のちの23年6月21日の常任委員会決定(“神谷は重大な規約違反を犯した。自己批判し、ブログを削除せよ。さもなければ党員の資格を問われる”)と同様の決定をまず同年4月に行い、同年5月の予備調査(査問)で私に自己批判・ブログ削除を迫りました。

 三役5人が私1人を査問する形式で、内容は自己批判を強要するものであり、「党員の資格を問われる」つまり、従わないと「党員の資格」を奪う=追放(除名・除籍、解雇)を匂わせるものでした。

 私は精神不調で通院を始めており、5対1で私を追い込むのをやめるようその場で求めましたが無視され、査問が続行された結果、精神疾患との診断書がでて同年5月下旬から1ヶ月休職しました。同様の内容で同年6月21日の常任委員会でも追及され(12対1)、その後再び診断書に基づいて同年6月下旬からさらに1ヶ月休職しました。なお、同年8月下旬に休職期間が終了し、職場(党福岡市議団事務局)に復帰はしたものの、精神不調による通院・投薬は現在まで続いています。

 (2)また、23年8月に「調査のための、規約に基づく党員権利の制限」という名目で党側から一切の党の会議への出席、職場への出勤、職場移転の手伝いや職場の党員との接触、民青のメンバーと行っていた自主的な資本論学習会への出席などを禁止されました。職場のLINEグループからも外されました。要するに、仕事を全て取り上げられ、他の党員・同僚との関係を断たれたのです。

 私が「権利制限」されている間に、私を排除して私をテーマにした秘密裏の地区委員長会議・市議団会議などが次々開かれ、調査審議中であるにもかかわらず「神谷は重大な規約違反を犯した」「松竹は党破壊・撹乱者であり神谷はその福岡県での同調者だ」とする一方的な「報告」が行われました。

 それ以外にも私のいない場で、やはり調査審議中であるにもかかわらず、他の党員に私への誹謗(「神谷は規約違反」「党を攻撃する人」「松竹の同調者」)が度々行われています。これらは全て記録があります。

 私は松竹氏の主張の同調者ではなく、しかも同調者かどうかは規約の調査とは関係ないはずだと調査の場で述べているにも関わらず、です。

 前述の行為は、私が複数名での取り囲みをやめてほしいとお願いしているにもかかわらずそれを無視し、調査審議自体も1年以上続いています。

 以上のことから(1)も(2)もパワハラです。(1)は「精神的な攻撃」「身体的な攻撃(精神疾患の人への強要)」であり、(2)は「権利制限」の合理的な範囲をこえ、「過小な要求」「人間関係の切り離し」「精神的な攻撃」にあたります。

 

 

今年5月7日付の「冤罪」というブログ記事について

 党県指導部は私の今年5月7日付の「冤罪」というブログ記事について6月26日付の県常任委員会名での書状のなかで「党の調査…党…県党会議代議員…党員に対する最大の侮辱」「党に敵対し、攻撃するもの」だと非難しました。

 私はこれについて次のように明確に書面で返答しました。

私は、当該記事で日本共産党のことなど書いていません。もちろん、福岡県委員会のことなど一言も言及していません

「あなた方は、なぜこれが日本共産党の話であり、党福岡県委員会の話であり、県党会議代議員の話であると思ったのですか」「具体的にお教えください」

「私は、昨年末に郷里に帰った際に、そこで同窓会・同級の集まり、私が所属しているサークル(集まり)で聞いたこと、さらにこの間、ずっと香港やロシア、自衛隊や日本の大企業、日本の官憲で起きた無数の事件について様々に心を動かされました。私は折につけ、そうした私の心の動きを、プロウズ・ポエトリーとして創作の形でまとめてきました」「あなた方はそうした創作物に難癖をつけ、いきり立っているのです」

「そもそも日本共産党と明記していない創作物を根拠に、規約上の処分等を行うことは常軌を逸しています。そうした行為が許されれば、党指導部が気に食わないものはどのような言いがかりをつけてでも排除することが可能となります」

 県常任委員会名の声明は私のこの回答に全く反論できていないことがわかると思います。

 

その他の点について

 県常任委員会名の声明では、除籍の協議の場(24年8月16日)で、私が反論できなかったように書いています。

 私は党県指導部によるパワハラ精神疾患に追い込まれており、対面ではなく書面で協議を行うよう求めましたが、対面しないと拒否とみなすと強要されたために、出席せざるを得ませんでした。私は面会の強要はパワハラだと抗議しましたが、党県指導部は沈黙したままでした。

 その上で、私は「除籍を適用することにも、除籍の決定にも承服できない」と述べ、「本日は私の心身の具合の問題があるので、これ以上続けることはできませんが、そもそも前回の書面で私はあなた方(党県指導部)の矛盾として指摘した数々の点にあなた方は答えていません。その回答がない以上、協議しようがないので、次回までに協議のために私の質問・指摘に全て答えた説明書を提出してください」と求めたのですが、拒否されました。

 回答をしなかったのは私ではなく、逆に党県指導部の方なのです

 党県指導部が結局反論不能のままになったので、改めて別の機会に、「除籍を適用することにも、除籍の決定にも承服できない」のはなぜか、すなわち私が「カジュアル除名」ともいうべき不正な「除籍」という名目での手続きで追放された経緯について述べたいと思います。

*1:要は「シリアスな反省文を書いて提出しろ」ということです。

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  • tougafujita

    私は大学でも企業でも組合でも趣味の会でも組織と合わなければ、私から身を引いた・離れたという、お粗末な生き方をしてきてしまった人間です。そんな私が感想文を書かせていただきます。

    ①「食い違い」がおきると組織側が強大だと再認識しました。5人対1人の討議はフェアではなく辛いものだったと推測します。組織には猛省を求めたい。
    双方にお互いを認め合う態度が欠けていたのではないかと読み取れました。話し合いは「説得合戦」ではなく「共にテーマを深め合う」機会に出来なかったのかと悔やまれます。

    ②ドイツの哲学者、ハーバーマスの提唱ですが、己の正当性を説得し合う議論ではなく、共に命題を巡って、より良い実践課題をも探り合う仲間として合意と団結を確認し、確信を見出して次に進むような議論形式と姿勢を体得したいものです。これは組織側、貴方側に問われていると思います。

    ③完璧でも無謬でもない人間同士。今の双方の論調では亀裂を深め、憎しみを掻き立て、対立を煽り合うだけに終始しそうです。幸い貴方の見解を支持する方々も可視化されつつあります。彼等の力も加えて対決の前に再度、組織と対等に語り合う場をつくり、共に「ありたい」組織を探れないものでしょうか。

    ④福岡県委員会の見解も「そうだろうな」と、貴方の経緯説明も「そうなんだ」と読みました。残念ながら私には、どちらかに「肩入れ」できない状態です。現場に居ない、言動の全てを知らない者だからご容赦下さい。貴方が反抗し悪態を吐いていると組織の側は描こうとしているようですが、組織側にも反省と再試行を求めたい。

    ⑤とにもかくにも齟齬、対立、亀裂は早急に克服したいものです。組織の側は、これで結論と決めつけず。貴方の側は己の真意を粘り強く語り双方が共に社会変革の同志として再結集出来る道は拓けないだろうか。たとえ組織としては同一でいられなくとも統一戦線を組めるようなあり方を探り合いませんか。一旦終了。