今回は、値段につられて買ったけど、超絶不味くて飲まないでいる地雷ウイスキーの救済措置として、フルーツウイスキーを作ってみることにしました。

フルーツウイスキーとは

フルーツウイスキーとは果実酒の一種であり、ベースのお酒をウイスキーにしたもの、と言う単純なものです。
一定期間、ウイスキーにフルーツを漬け込み、その香りや味をウイスキーにしみこませたものを飲むというものです。

なお酒税法によって、漬け込む上での制約がいくつかあるので注意が必要です。
1. 消費者が、自ら消費するためにつくるものでなければならず、販売してはならない。

2. 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、もしくはでんぷん、又はこれらのこうじを使用することはできない。

3. ぶどう、やまぶどうは、果実の酒の原料にはできない。

4. つけ込みに使用するお酒のアルコール度数は20度以上で無いといけない。

今回使用するウイスキーは、イオンのトップバリュ ベストプライス ブレンデッドウイスキーです。

私がレビューした中でも最も低い部類に入る、イオンの中でも最下位に入るであろうウイスキーです。

これを救済したいと思います。

使用するフルーツは、みかんとりんごです。
みかんは皮を含めて3日、りんごは5日くらいがつけ込みの目安になります。
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本来であれば、果実から水分を引き出すために砂糖を加えますが、個人的に糖尿病持ちのため、糖類ゼロのラカントSを使うことにしました。
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テイスティング

みかんウイスキー

ストレートでは、確かにみかんの香りがウイスキーについているものの、皮から来る苦みも多少ついていて、甘い香り一辺倒という印象ではないです。

味わいについては、アルコールからの刺激や辛みが取れて、飲みやすくなっています。奥の方からは苦みが多少感じ取れます。
かといって、底に甘味料が溶け残っている状態でもそれほど甘すぎるわけではなく、一般的なお酒好きでも悪い印象に思えないでしょう。

ロックにしてみると、みかん特有の甘さのある爽やかな香り、皮から来る青臭さのある香りが引き続き感じ取れます。
一方で元々のウイスキー自体の不自然な香りはかき消されているように思えます。

味わいについては、ストレートよりも甘さが強くなっている感じで、ロックの方がくどさを感じます。
甘党の人だとがぶがぶ飲んでしまうかも知れません。

全体的には、まずいウイスキーの欠点がかき消されて、うまく救済できているように思えます。

りんごウイスキー

ストレートではリンゴの香りが強く感じられる一方で、アルコールからの刺激は抑えられています。
味わいも、アルコールからの辛みが大きく消え、焼き芋のような甘さが中心になります。

ロックにすると、ハチミツのような甘い香りへと変化し、奥から栗のような香りも感じられます。
味わいにおいても、苦みもなく、かといってみかんウイスキーほど甘ったるい感じにもならず、とても飲みやすい印象です。

フルーツウイスキーは救済策として適しているが...

みかんにしてもりんごにしても、数日砂糖や甘味料と一緒につけ込むことによって、元々の癖やアクが取れて飲みやすいものになりました。

しかし全体的に甘ったるくなってしまうため、チューハイやカクテルがメインの人ならばまだしも、本格的にウイスキーを飲む人にはつらいかも知れません。

また、アルコール感が見事に消えてのみやすいため、あまりがぶ飲みすると一気に酔いが回るなど危険もあるでしょう。

今回、ラカントを一般的なレシピに沿った分量にしたものの、溶け残りが多かったので、もっと量を減らした方がまだ良かったかも知れません。

ちなみに炭酸水で割ってハイボールにしても、炭酸からの酸味が加わって、甘ったるさも抑えられます。

安くてまずいウイスキーを余らせたときにはフルーツウイスキーにするのはいいかもしれません。