10年前私たち夫婦が里親として迎えた息子は、高校生になりました。弁護士になるという夢に向かって頑張る息子を、私も全力で応援しています。しかし夫は違っています。自分が期待していた道とは違った進路を選択したことを不満に思っているようで「血が繋がっていないからわかり合えない」と言うのです。そんな夫に気を遣う息子を見ると、胸が苦しくなってしまいます。
夫が怪しい…
今日は息子の入学式だと言うのに、夫は急な出張だと言います。入学式は息子にとっての一大イベント。家族でお祝いしたかったと言うと、高校の入学式なんて興味はないと、一刀両断。さっさと荷物をまとめて、出掛けてしまいました。
それにしても、あまりに多い出張……。オンラインで会議ができる時代にもかかわらず、ここまで出張する必要はあるのでしょうか。疑いを持ち始めたら止まらず、探偵事務所に調査を依頼しました。
結果が出るまでの間も、出張で忙しいと言って夫が家を留守にする日々が続きます。堪えきれず「そんなに出張なんてあるもの？」とカマをかけると「できる男だからしょうがない」と自慢げ。
自分がいかに優秀かをアピールして、自分のようなエリート社員になりたかったらきちんと勉強してトップを目指せと、息子に発破をかけます。
夫の本性に気づき始めた息子は、夫が何か言うたびに苦笑い。同じタイミングでため息をついたときには、思わず顔を見合わせて笑ってしまいました。
夫の浮気調査の結果
その翌日、ついに不倫調査の結果が出ました。もちろん結果はクロ。相手の女性とは去年から付き合っているようです。出張は嘘で、家を留守にしている間は不倫相手の家から出勤していたと報告がありました。
薄々感じていたものの、不覚にも涙が出て止まらない私。何もなかったらいいなと、心のどこかで淡い期待を抱いていたのです。
しかしどんなに泣いても事実は変わりません。夫も不倫相手を絶対に許さないという強い気持ちから、復讐を決めたのでした。
不倫夫に制裁を！
Xデーは次の出張を告げられたときと決めていました。「明日から出張だから」と言う夫をいつもはサラッと送り出していましたが、今日は根掘り葉掘り聞きます。そんな私に夫は警戒心を抱いたよう。今更ながら慌てた様子を見せました。
トドメに「最後の浮気、思う存分楽しんできてね♡」 と嫌味たっぷりに声をかけると、夫はパニックに。「出張先って女性の家でしょ? 私も息子も全部知ってるから」と続けると顔を真っ青にしてうろたえていました。
ここで息子も参戦！ 「エリートで頭がいいと自慢する割に、していいことと悪いことがわからないのか……実は頭悪いんだね」と息子に言われた夫は、返す言葉もないようでした。
見下されることが何よりきらいな夫は、私と息子の冷ややかな目が耐えられなかったのか、無言で家を出ていきました。
エリート不倫夫の高い鼻、折れる！
夫が家に戻ってきたのは、それからしばらく後のこと。私が不倫相手に慰謝料を請求したところ、こんなに簡単に不倫がバレてしまう男はいらないと捨てられたようです。どうやら他にも相手がいたようで、その人と比べられ、プライドがズタボロになったのが手に取るようにわかりました。
泣いて謝罪されましたが、私たちは夫を許す気にはなれません。離婚の意思を改めて突きつけたところ、夫は渋々受け入れました。
エリートの自分には、どんな女性もついてくると信じていた夫。天狗になっていた鼻が折れたところを見て、スカッとしました。
今は息子と2人、楽しく生活しています。息子は「傷つく女性を守れる弁護士になりたい」と言って、日々法律の勉強に勤しんでいます。私の傷つく姿や毅然と立ち向かったところを見て、さらに強く弁護士になりたいと思ったそう。私たち夫婦のドロ沼離婚も息子の将来にプラスなら何よりです。
子どもは親の背中を見て成長します。親として、良い影響を与えられるといいですね！
著者：ライター ベビーカレンダー編集部／ママトピ取材班
ベビーカレンダー編集部