サンクゼール、開業から1年の冷食新業態閉店 減損1億円
食品製造小売りのサンクゼールは20日、2023年9月に長野市で開業した冷凍食品が主力の新業態「MeKEL(メケル)」1号店の閉店を発表した。業績不振のため10月に閉店し、2025年3月期第2四半期に1億円の減損損失を計上する。今後の出店計画も白紙に戻す。
開業当初、3号店程度までを直営とし、遅くとも25年以降にフランチャイズ運営で店舗数を拡大する計画だった。同社は「春ごろより物価高騰のあおりを受け、お客様の数が当初目標に対して未達の状況が続いた」と説明している。
メケルは生鮮食品を扱わず、日本各地のB級グルメやアジア料理を冷凍食品で販売する。1号店はJR長野駅(長野市)から車で10分ほどの、衣料品店などが並ぶ幹線道路沿いにある。1食分などの少量包装にして既存ブランドの「久世福商店」よりも単価を下げ、週1回などの高頻度の来店を狙った。
ただ、1月末に同ブランドが扱う約1300品目のうち約2割の商品を平均13%値下げした。目指す業態としては最初の価格設定が高かったとし、価格を下げて客数や購入点数の増加を狙ったが、大幅な改善はできなかったという。
1号店閉店によってメケル店舗はゼロになる。ブランドと事業部は存続させ、当初掲げていた地方のロードサイドへの出店といった戦略や共働き世帯やシニアなどのターゲット層を見直していく。