旧統一教会との関係について、富山市議会の2つの自民党会派の調査結果が公表されました。会派「自由民主党」は、政策立案の判断などに影響があったとしました。一方の会派「富山市議会自民党」は、副会長の高田重信市議が旧教会関連の集会などに6年間で27回出席したことを明らかにしましたが、政策への影響は認められなかったとしています。

記者:
「議員として付き合っていたことについては、ご自身でどのように認識していますか」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「それは申し訳ないなと。脇が甘かったと言われればそれまで、その通りですので謝るしかないです」

富山市議会自民党の副会長を務める高田重信市議。旧統一教会の関連団体の集会やイベントに過去6年間で27回出席していた事実を明らかにしました。

富山市議会自民党 高田重信市議:
「ほぼ全部、平和大使協議会という関連で手帳に書いていた。詳しい内容だとか、どういうところに出席していたのか、というのは正直あんまり記憶にない」

記者:
「反社会的な団体であるということについては気付いていたのか」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「全然。気付いてたら、やってませんよ」

記者:
「じゃあ安倍元総理銃撃事件まで気付かなかった」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「全然気付かなかった。まったく」

高田市議を含め富山市議会自民党では、15人中10人が関連団体の会合や、イベントへの出席など教団とのかかわりがあったといいます。

高田市議をめぐっては自民党の政調会長だった2019年6月に、旧統一教会関連団体の幹部を呼んで勉強会を開催。さらに別の市議ら6人と旧統一教会が進める「家庭教育支援条例」の視察を鹿児島県と熊本県で実施していました。

記者:
「高田さんが企画した勉強会や視察は、旧統一教会の思想を反映したものではない?」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「ないです。私のその条例をつくるべきであるという、その時の思いというか、政調会としてのね。その時の子どもの、いろんな虐待だとかね、いろんなことが起こっている時期だったし、そういうことも含め、必要ではないかなと。他の条例とか読ませてもらってね」

記者:
「思想とかは関係なく、条例の必要性を感じたと。今はどうですか」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「今は、それに対しては関係を絶つと言っている。今言われたように、統一教会の考えが入っていることを言われるわけでしょ。それはもう」

記者:
「考えが入っていても、高田さん個人の考えが・・・」

富山市議会自民党 高田重信市議:
「だからもう、なしです。だから頓挫したのも。そういったことも含め、とにかく、それは言いません、とにかく関与しないと。条例だとかに関して」

自民党はことし1月に分裂。新たに誕生した富山市議会自民党が3年前と同じ教団関連団体幹部を呼んで勉強会を開催していました。政策立案の判断に影響はあったのでしょうか。

20日、会派「自由民主党」と「富山市議会自民党」は、それぞれの調査結果を公表しました。

自由民主党 久保大憲 市議:
「調査結果についてご報告させていただきます。関係団体の関係の有無については、会派分裂前に関係がありました。会派分裂後は関係がありませんでした」

自民党は会派分裂前に高田市議らが家庭教育支援条例を検討することの必要性を訴えていたことから、政策立案に影響を受けたと回答しました。

自由民主党 江西照康 市議:
「(富山市に)家庭教育支援条例が必要だといったことを考えるということは、私は政策に対して影響を与えていると。家庭教育という考えが確立しているわけではないんですね。確立する前の判断として旧統一教会関係者の話を聞いているということですので、当然家庭教育というものはそこに大きくかじを切られることになります」

自由民主党 久保大憲 市議:
「教団の強い思いの入った条例について、何も知らないまま検討を進めていたことに問題があったというふうに思います」

一方、富山市議会自民党は政策立案や行政に影響を及ぼした事実は、現時点では認められないとしました。

富山市議会自民党 舎川智也 市議:
「個人は認められるけど、会派の政策立案ですとか富山市の行政に対して影響を及ぼすというような事実は現時点では認められないと、言及させていただきたいと思います」