ホーム お役立ちコラム 画像の解像度とは?サイズ目安や確認方法、印刷データ作成時の注意点について解説
公開日:2021.11.09
画像の解像度とは?サイズ目安や確認方法、
印刷データ作成時の注意点について解説
印刷会社に印刷データを入稿する際、必ずと言って良いほど「画像解像度の指定」があります。日常でも、写真などの画像データに関して「解像度が高い、低い」という言い回しを聞く機会があるのではないでしょうか。
今回は、「画像の解像度」について基礎知識やサイズ目安、印刷データ作成時に必要な解像度について解説します。
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画像解像度とは?
画像や動画のデータを取り扱う際に必ず耳にする「解像度」とは、「画像や写真、映像のデータを構成する密度」を指しています。
単位はdpi【dots per inch(ドット・パー・インチ)の略、読み方はディーピーアイ】、またはppi【pixel per inch(ピクセル・パー・インチ)の略、読み方はピーピーアイ】です。画像データは、拡大すると多くのドットが集まってできています。
下図のように、この小さな色の正方形が並んで画像を構成しているのです。
画像の鮮明さは「1インチにドットが何個並んでいるか」で決まってきます。
具体的に言うと、1インチ(2.54cm)を10分割したものを「10dpi」、100分割したものを「100dpi」と表し、dpiは数値が上がれば上がるほど精細な画像になります。
例えば、1インチ×1インチの正方形の中にどれだけのドットがあるのかを示した図がこちら↓
「解像度が高い(高解像度)=画像がきめ細かく綺麗に表現されている」「解像度が低い(低解像度)=画像の質が粗い」と判断できます。
図を見てもわかるように、解像度が低いものは境界線がギザギザに見えたりぼやけたりするため、印刷データには不向きです。これでは印刷物として品質に影響してしまうのです。
画像や図形などのイメージを綺麗に印刷するためには、画像解像度の設定を適切に行う必要があります。
画像解像度のサイズ目安
では、具体的にどの程度の解像度が必要になるのでしょうか。
フルカラー印刷の場合:300~350dpi
用途 | 資料、はがきDM、名刺、チラシ、カタログ、パンフレットなど |
一般的なカラー印刷。商業用、プライベート用、写真プリントなど広く流通しているカラー印刷です。
ただし、ポスターなどA3より大きいサイズの印刷物は150~200 dpi とされています。
遠い場所、少し離れた場所から見る印刷物のため300dpiに満たない解像度でも問題ありません。
グレースケール印刷の場合:600dpi
用途 | 写真やイラストを多用したチラシや冊子類を白黒調で印刷、新聞 |
白と黒に加え、中間色のグレーが存在します。
濃い目の黒、少しグレーがかった黒などの表現が可能になり、モノクロよりもやわらかな雰囲気になります。
漫画の本文や白黒イラストの場合、線がぼける印象になるので注意が必要です。
モノクロ印刷の場合:600~1,200dpi
用途 | テキストだけの資料、テキスト中心のチラシや冊子、書籍、漫画、同人誌 |
白か黒の2色で表現します。
真っ黒(印刷される部分)か真っ白(印刷がない部分)かに分かれ、グレーの部分は存在しません。
印刷物であれば250dpi以上
この数値は印刷業界で蓄積された経験に基づいた決まりごとのようなものです。
人間の目では原寸(仕上がりサイズ)でおおよそ250dpi以上の画像解像度であれば、画像のギザギザ(ジャギー) は認識できないと言われています。
このように、解像度のサイズ目安は作りたい印刷物によって異なります。それぞれの目的にあった画像解像度を知り、適切なサイズで入稿データを作りましょう。
(補足)ウェブの場合:72dpi
Webデザインなど、印刷を目的としない画像・ディスプレイでみる画像には解像度はさほど重要ではありません。
覚える解像度は「72dpi」だけで構いません。
ウェブの場合は画像サイズを指す「ピクセル数(単位:pixel)」が重要です。
ピクセル数に注意を払ってウェブ用の掲載画像を作成しましょう。
画像解像度の確認・変更方法
画像の解像度は、Photoshopなどに代表される、画像編集ソフトで確認する方法がおすすめです。
入稿用のデータをIllustratorで作成している場合、Illustrator画面上でも確認することができます。
Photoshopの場合・確認方法
- 画像をPhotoshopで開いて「イメージ」を選択
- 「画像解像度」を選択
- 「再サンプル」の項目に付いているチェックを外して確認
Photoshopの場合・変更方法
- 画像をPhotoshopで開いて「イメージ」→「画像解像度」を選択
- 「再サンプル」のチェックを外す
- 「解像度」の数値を書き換え、変更したい解像度を指定する
またこの時、解像度を書き換えると画像サイズも変わってしまうため(例:解像度を上げると画像サイズが小さくなる)、画像を使用する印刷物やウェブメディアに応じて適した大きさになっているのか確認してから変更をしましょう。
画像の解像度はそのままで、サイズだけ変更したい場合は「再サンプル」にチェックを入れてサイズを入力すれば問題ありません(下図参照)
Illustratorの場合・確認方法
Illustrator編集画面上の、画像を選択するとコントロールパネルに解像度が表示されます。
細かいデザイン作業をIllustratorで行うことが多い方は覚えておくと便利です。
よくある勘違い・注意点
解像度を上げれば綺麗に印刷できる?
解像度の低い画像をそのまま印刷すれば、見た目が粗く低品質に仕上がってしまいます。
では、解像度を上げれば上げるほど印刷物が綺麗に仕上がるのでしょうか? ― 答えは「NO」です。
例えば、A4サイズのチラシを作る場合、解像度350dpiと解像度1000dpiの設定をして、それぞれ印刷したとしても見た目の品質はそれほど変わりません。
印刷物データの作成時、必要な画像解像度は原寸サイズで350dpiが確保されていれば十分、と考えられます。
画像解像度を必要以上に高く設定すると、データ量ばかりが大きくなって印刷データの取り扱いに支障が出てしまう可能性があるため、適正な画像解像度の設定を心掛けましょう。
引き伸ばしたい時の仕上がりサイズに注意
では、10mm×10mm 350dpi の画像を100mm×100mmに引き伸ばしたい時、そのまま拡大すればよいでしょうか?
―答えは「NO」です。
仕上がりサイズ(実寸サイズ)に対して適した解像度設定を設定する必要があります。なので、この場合は、仕上げたいサイズ『100mm×100mm 350dpi』の画像を用意するのがベストです。
※上の図はわかりやすくするため極端な加工をして表現しています。
おわりに
今回は、印刷データの作成時に重要な「画像の解像度」についてご紹介しました。多くの印刷会社では、データ入稿時のチェックポイントとして「画像解像度が原寸で350dpi以上となっているか」という項目が示されています。
印刷物の品質を保つため、画像を配置する際には解像度の設定を適切に行っておくようにしましょう。
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