2024-08-20

日本共産党による神谷氏の除籍は当然のこと

以前、ここで、志位和夫氏(日本共産党の前委員長)の論文を取り上げて日本共産党の特徴を書いた。(消されたのでウェブアーカイブから

このたび神谷氏の除籍問題話題となっており、共産党の言い分が興味深いので記録しておこうと思う。

除籍理由

特にはてブ話題になっていたのが除籍理由の以下の点だ。

(前掲共産党福岡委員会ウェブより)

委員会総会での討論の内容を、それぞれの県委員個人判断で公開することを認めれば、総会での自由な討論を阻害することにもなります。県委員会総会の内容を公開する場合は、県常任委員会責任で発表すべきことがらです。県委員会総会での討論内容を個人判断で公開する行為は、党内での自由発言、討論を保障した党規約精神を踏みにじる行為です。

何故討論の内容を公開してはいけないのか。

内容を自身に都合の良いように歪曲や捏造をしていたらこ批判もわかるが、共産党ウェブを読む限りは公開した事自体問題視しているようだ。

何故公開してはいけないのか

一般的感覚だと、公開してはいけないとする共産党見解意味不明である

そこで、前掲増田でも示した、志位和夫氏の書いた論文「変節者のあわれな末路」を例に共産党の考え方を理解してみよう。

基本的人権行使目的

(変節者のあわれな末路より)

結社の自由にもとづいて自発的意思政党に加入した者はだれであれ、出版言論の自由をふくむ自らの基本的人権をその政党目的実現にむけて行使すべきである

基本的人権行使に条件を付けているのも驚きだが、ここで注目すべきは「政党目的実現にむけて」の部分だ。

共産主義の実現」ではなく、「政党目的実現」としているのがポイントで、ここでいう政党というのは共産党組織のことを指し、個人にとっての地方委員会地方委員会にとっての中央を指している。

まり神谷氏がブログ委員会見解と異なる主張をし、またそのために議論の内容を公開したことは、言論の自由を「政党目的実現」以外の目的行使したことに他ならず、共産党として許容できるものではない。

基本的人権行使共産党奉仕するためになされるべきであるというのが基本である

党外での出版物の発行

(変節者のあわれな末路より)

わが党は、「伊里」が、彼の反党文書のなかで、「理論派閥容認」「党外出版物での批判容認」「横の交流拡大」などの、民主集中制を完全に否定する主張をおこなっていることを、彼の解党主義分派主義のあらわれとしてきびしく批判した

神谷氏のブログ組織に対する批判であることは明らかだが、共産党では引用論文のとおり「党外出版物での批判」を厳しく禁じている。

神谷氏のブログ印刷はなされていないため狭義の出版物ではないかもしれないが、性質としては出版物に近く、共産党として許容できるものではない。

このあたり、石破茂冷遇はされているものの党を追われず、未だに総理総裁候補として名前の挙がる自民党(良く言えば議員一人一人の独立性が高く、悪く言えばまとまりや一貫生がない)とは全く党の性質が違うと言える。

余談だが「横の交流拡大」の否定共産党らしい。地区組織間で交流されてしまうと、中央に反発するために団結される(=分派形成可能性があるためだろう。

賛同を募ることの禁止

(変節者のあわれな末路より)

坂本中央委員からつぎのような指導を受けたことをみずから明らかにしている。

「議案提出の主体は、…代議員有志など複数であってはならない」「党会議の事前に文書を配布することはできない」「事前に他の代議員と討論したり、自分提案に対する支持を、…求めてはならない」

議論は党の内部の公式な場で行われるべきであり、事前の根回しや賛同を募ることは認めていない。

当然それでは込み入った議論や利害調整はできないので、結論は議題や進行をコントロールできる党中央意見に従わなければならない、となる。

神谷氏のブログも、自身意見への賛同を求めるためのものであることは明らかであり、許容できるものではない。

(有名なアネクドートより)

Q.共産圏には、自由意見の交換が存在するのでしょうか?

A.存在します。例えば独自意見を持って会議に出席し、 かわりに党の意見を持って帰ることができます

まとめ

以上のことから神谷氏の除籍は共産党論理として極めて当然のことと言える。

というか共産党のこういう性質は公知のものだと思っていたけど、若い方々にはそうでもなさそうなのが意外だった。昨今の共産党による宣伝活動ソフト路線アピール)は一定程度の効果があるようだ。

  • 共産党信者が書いてるのか、冷めた目で見てる奴が書いてるのか読み取りづらいけど、 何にせよはてブとかで誹謗中傷繰り返してる共産党信者がこういうことをガンギマリで言ってて、 ...

  • これは壺

  • カルト宗教の論理こええ

  • まあ赤旗の売上に関わりそうだから、どこまで情報を党員個人が発信していいかは議論ありそうな気はする

  • その党の論理が現代の社会規範として不当なものだって思われているからあれだけ批判されているんでしょうが。

記事への反応(ブックマークコメント)

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