【『チャングム』の歴史解説】側室ヨンセンがもらった「淑媛」はエライの?

テレビ東京で放送中の『宮廷女官チャングムの誓い』では、イ・ヨンエが演じているチャングムの大の親友がヨンセンだ。パク・ウネが演じている。

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このヨンセンは女官だったが、中宗(チュンジョン)に寵愛されるようになって、側室としての品階をもらった。その品階が淑媛(スグォン)であった。

この品階はどのような意味を持っているのだろうか。それを明らかにするために、朝鮮王朝の側室の品階について基本的に説明しよう。

朝鮮王朝では、王宮の女官に品階が与えられた。その品階には一品から九品までの段階があり、それぞれに「正」と「従」に分かれていた。合計で品階が18になったのだ。この場合、「従」は「正」より位が下になっていた。

なお、正五品から下は実際に王宮で労働をする女官たちだ。『宮廷女官チャングムの誓い』でもヤン・ミギョンが演じたハン尚宮(サングン)は肩書が正五品になっており、働く女官の最上位だった。

そして、正一品から従四品までの品階の女性は、実際に働くわけではなかった。なぜなら、彼女たちはすべて国王の側室だからだ。

『チャングムの誓い』のヨンセン
パク・ウネがヨンセンを演じた

側室の中では一番低い品階

具体的に、側室の品階の名称は以下のようになっていた。

正一品 嬪(ピン)
従一品 貴人(キイン)
正二品 昭儀(ソウィ)
従二品 淑儀(スギ)
正三品 昭容(ソヨン)
従三品 淑容(スギョン)
正四品 昭媛(ソウォン)
従四品 淑媛(スグォン)

以上のように、側室の最高位は正一品の「嬪」だ。その多くは王子を産んだ女性である。基本的に、側室の品階は国王にどれだけ寵愛されてどんな子供を産んだかによって決められる。王子を産んだ場合、王女を産んだ場合、子供を産んでいない場合などによって明らかに差がつくのだ。そういう意味で、品階をめぐる側室同士の争いも熾烈だった。

なお、『宮廷女官チャングムの誓い』でヨンセンがもらった淑媛は、側室の中では一番低かった。とはいえ、国王に愛される度合いに応じて、グングン昇格していくことが可能になっていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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