古性優作(33=大阪)が3年ぶり2度目のオールスター制覇を果たした。同期・窓場千加頼の中団まくりに乗って、4角から一気に外を突き抜けた。窓場が2着に残り、3着には東北ライン4車の先頭で逃げた新山響平が粘り込んだ。

古性のG1優勝は通算7度目。今年初タイトルを手にし、4年連続のKEIRINグランプリ(12月30日・静岡)出場も決めた。


オールスター決勝ゴールを1着で駆け抜ける古性優作(左から2人目)(撮影・鈴木正人)
オールスター決勝ゴールを1着で駆け抜ける古性優作(左から2人目)(撮影・鈴木正人)

古性優作の今年の初タイトルは、近畿の新たなゴールデンタッグによってもたらされた。


まるでサーカスのような縦横無尽の立ち回りは、常にライバルやファンの想像の上をいく。今年は初めてファン投票の1位に選出され、それに応えた。


今年は全てのビッグレースで決勝に進んでいた。「(優勝の)確率は上がっているなとは思っていた」。しかし、肝心なところで勝ち切れない。そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが、窓場千加頼の存在だった。


競輪学校(現養成所)の同期生。「学校時代は強かった千加頼を目標にやっていた。こういうところで結果を出せる。これが普通の千加頼なんです」。窓場が低迷していた時期も、古性はその高い才能を信じ続けていた。


古性に追い付きたい。その強い“念”で窓場のポテンシャルは覚醒した。ついにG1の準決で、古性の前で逃げ切るまでに成長した。


オールスターを制してガッツポーズする古性優作(手前)(撮影・鈴木正人)
オールスターを制してガッツポーズする古性優作(手前)(撮影・鈴木正人)

オールスターを制してガッツポーズする古性優作(左)(撮影・鈴木正人)
オールスターを制してガッツポーズする古性優作(左)(撮影・鈴木正人)

決勝は東北4車が大方の予想通りに主導権を取った。窓場が突っ張らず、粘らず、すんなり5番手に下げたことで、これは東北勢の優勝かに思われた。しかし、近畿の同期コンビには確かな勝算があった。「千加頼がめちゃくちゃ強かった。次は僕をちぎるぐらいもっと強くなってほしい」。


自分が勝ったことよりも窓場の成長を喜べるのは、近畿を背負ってきた古性の器の大きさだ。これはただの優勝ではない。近畿王国復権の始まりだ。【松井律】


オールスター制覇を果たしてシャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)
オールスター制覇を果たしてシャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)

賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)
賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)

◆古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日生まれ、大阪市出身。清風高卒。BMXで活躍し、競輪学校(現養成所)100期生として11年7月に岸和田でデビュー(予選1、準決1、決勝1)。G1は21年いわき平オールスターの初優勝から今回が7度目V。21年には静岡GPを制した。通算1072戦337勝。通算獲得賞金は10億7089万1322円。168センチ、77キロ。血液型O。