16日に尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島に外国籍の男性がカヌーで上陸していたことが17日、関係者への取材で分かった。海上保安庁の巡視船が男性を発見し、ヘリで救助した。関係者によると、男性は「カヌーで台湾に向かっていた」と主張しているという。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、男性はメキシコ国籍。16日午後2時38分ごろ、魚釣島東岸に上陸しているのを哨戒中の巡視船が見つけた。男性が救助を求めるように手を振ったため、ヘリコプターでつり上げて救助し、石垣市内の病院に搬送した。
カヌーが魚釣島まで漂流した可能性があり、男性はレスキュー案件として救助されたが、正規の出国手続きを行わずに男性が国外を目指していた疑いもあり、11管は事件・事故の両面で捜査、調査を継続している。
関係者によると、男性は日本最西端の与那国島(同県与那国町)から出航したとみられる。同島では数日前、カヌー1艇がなくなっていたとの情報もあるが、関連は不明。沖縄県警外事課は産経新聞の取材に「盗難届は出ていない」とした。