2014年11月5日(水)
江渡防衛相 今度は脱法献金?
選挙区支部と同住所 政治団体届けなし 任意団体から3285万円
江渡聡徳(あきのり)防衛相(衆院青森2区)の政党支部が、政治団体の届け出をしていない団体から2002~12年の11年間で計3285万円もの献金を受け取っていることが明らかになりました。
江渡氏が代表を務める「自民党青森県第二選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、青森県内の建設会社などにまじって、「政経福祉懇話会」という団体から直近の3年間では、毎月25万円、毎年300万円の献金を受け取っています。この額は、各年とも同支部の企業・団体献金の5割前後に相当します。
企業の集まり
政経福祉懇話会からの献金は、02年からの通算では3285万円にのぼりますが、いったい、どういう団体なのか―。
江渡氏のホームページには、同懇話会のことがたびたび登場します。11年9月17日には、「エトマン(江渡氏のこと)の支援企業の会である政経福祉懇話会が恒例行事であるゴルフコンペと納涼会を開催し、今年も多くの会員が参加し大いに楽しんでいただきました」「政経福祉懇話会の竹達新会長からのご挨拶では、『江渡先生をこれからも一層支えていこう』というありがたい言葉をいただきました」とあります。
江渡氏を支援する企業の集まりということです。
第二選挙区支部の収支報告書の記載によると、11年8月から、懇話会の代表は竹達建設(十和田市)の竹達幸雄代表に交代しており、ホームページの内容と符合しています。
問題は、江渡氏という特定の政治家を支援する団体、しかも年に300万円以上も献金する団体なのに、政治団体の届け出が青森県選管になされていないことです。
収支報告書に記載された懇話会の住所は、十和田市東三番町の「江渡あきのり事務所」で、第二選挙区支部と同一です。つまり、江渡事務所に本拠を置く「任意団体」が同じ住所にある江渡氏の政党支部に献金していることになります。
政治資金規正法の23条は、政治団体の届け出をしないで、寄付すれば、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金に処するとしています。
“隠れみの”か
懇話会を隠れみのにした脱法的な企業献金ではないのか―。江渡氏の事務所は、本紙の問い合わせに回答を寄せませんでした。
江渡氏の政治資金をめぐっては、政治資金規正法で禁じられている資金管理団体「聡友会」から江渡氏本人への350万円の献金が問題になっています。江渡氏は、「人件費で記載すべきものを寄付と記載してしまった事務的ミス」と釈明、報告書を訂正しましたが、人件費だったことを客観的に示すものは何も出していません。