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加納新太

  • 職業は著述家・作家・脚本家。自称では「物語探偵」。

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« 「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(8) | トップページ

2024年8月11日 (日)

「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(9)

 第9回となりました。
 
 当記事は、堀井雄二さんが書いたドラクエ3の制作資料から、(製品版とは違う)初期構想を読み解いていこうというシリーズです。
 
 前回にひきつづき、「ドラゴンクエストカーニバル in 横浜・みなとみらい」にて展示された資料を読んでいきます。
 
 
●ご注意:当ブログの内容を紹介する際は、URLを示し、出典を明らかにして下さい。どこかの誰かが言っていた風説としての紹介・言い回しを変えての自説としての流布をお断りいたします。
 
 第一回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(1)
 第二回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(2)
 第三回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(3)
 第四回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(4)
 第五回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(5)
 第六回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(6)
 第七回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(7)
 第八回はこちら。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(8)  
 
 ※注:「ドラゴンクエスト」を、私がどういうふうに「読んで」いるのか、情報のスキマをどういう形で埋めて空想しているのか、ということを、自分勝手に語るエントリです。
 こうにちがいない! ということではなく、こういうふうに捉えれば、読み手の私は心豊かなキモチになれますという、そういうニュアンスです。
 小説版、外伝等は参照しておりません。
 
 当記事に掲示する画像のうち、再現画像はすべて、「ドラゴンクエストカーニバル in 横浜・みなとみらい」にて展示された制作資料を、私が部分的に再現したものです。画像で示されている内容は、株式会社スクウェア・エニックスと共同著作者の著作物です。著作権法第32条に基づき、研究を目的とする引用としてこれらを掲示します。展示会場で書き写したため、写し間違いが生じている可能性があります。これらの画像の転載・改変・再配布を禁じます。孫引きも遠慮してください。
 (特記ある場合を除き)テキストによる引用部も出所は同じであり、扱いは同様です。
  
 
■すいしょうだまの効果判明
 
 なんと、あの例の「すいしょうだま」の効果が判明しました。こうです。

2024dq3_suisyoudama

 おお、すいしょうだまは、「魔法使いと僧侶と賢者(つまり魔法職)」が使う「道具」で、効果は「未来のできごとを見る」。使用すると、使用時の状況にあわせてメッセージが表示される、というものだったのですね。
 
 すいしょうだまについては、当シリーズ記事の第一回にて詳しく取り上げています。
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(1) 
 そこで行った推論としては、
「すいしょうだまは、ストーリー進行にあわせて、《ボストロールが王様を襲う場面》とか《やまたのおろちが娘を食う場面》とかが、再現映像的に表示されるものだったのではないか」
 というようなことでした。
 
 でも、今回の資料を見ると、再現映像みたいなものはさすがに想定されていなくて、文字ベースで何らかのことを語るものだったみたいですね(さすがに容量の問題があって無理だよね)。
 
 たとえば、これは私が想像で書く文言なんだけど、
 
 
 ****は すいしょうだまを じっとのぞきこんだ…
 
 どこかのおしろの おうさまのへやが うつっている
 ねむる おうさまに くろいかげが しのびより…
 きょだいな うでが おうさまに つかみかかった!
 
 すいしょうだまの ひかりは そこでとだえた
 
 
 ……みたいなメッセージが表示されるような感じだったのかもしれませんね。
 
 自分で書いてみて思いましたが、この種のメッセージは長すぎてFC版ドラクエ3にはとても入りませんね。削っても1行減るくらいだろうし、すいしょうだまに必要なメッセージはこれひとつではありませんしね。
 
 FC版ドラクエ3をやるたびに思うのですが、メッセージが極限まで削り込まれていて、もはや俳句か短歌みたいです。「これ以上削ったら物語が支えられない」というくらい、ことばが削り込まれているのです。
 なぜそんなに刈り込まれているのかといえば、それは明らかで、容量が足りないからです。
 
 シナリオ進行にともなって内容がかわるすいしょうだまのメッセージなんて、とてもカートリッジに入らない。ノアニールのすいしょうだまがまるごとなくなったのはそういうことだと思います。
 
 
■キメラのつばさと死のオルゴール
 
 いくつかのアイテムをかんたんに触れておきます。
 
2024dq3_kimeranotubasa
 
 
 キメラのつばさですが、コメント欄に「戦闘中はランダムワープ」とあります。ドラクエ3から、キメラのつばさを戦闘中に使うと戦闘から脱出できるようになりました。
 
 製品版では、戦闘中にこれを使うと、強制的にアリアハンに飛ぶ仕様なのですが、この資料が書かれた段階では、どうも「行ったことのある拠点のどこかにランダムで飛ぶ」という仕様が想定されていたっぽいです。
 
 続いて、有名なボツアイテム「死のオルゴール」。効果は、よく語られている通り、「敵味方関係なく、その場にいる全員にザラキ」。
 
2024dq3_sinoorugooru
 
 効果説明欄に「音楽が鳴り」とありますから、使用するとオルゴールの音が聞こえる指定となっています。すぎやん先生(すぎやまこういち先生)は、オルゴールの曲を作曲なさったのかな? 存在したのなら聴いてみたいよね……。
 
 このアイテムを実装すると、曲が一曲増えることになりますし、存在自体がお遊びアイテムです。容量問題で削られたのはよくわかる話ですね。
(ミュージアム版資料の白地図に、死のオルゴールは記載されていないので、イベント関連のキーアイテム「ではない」と考えられる)
 
 ところで、この「死のオルゴール」、ドラクエ2でも実装が予定されていて、たぶん同じような理由で見送られたのですが、「ドラクエ2で死のオルゴールが企画された理由」は、わりと明らかだと思います。それについてはまたいずれ……。
 
 
■おうごんのツメは道具だった
 
 カーニバル版資料のアイテム欄にはおうごんのツメも載っていました。これ、アイテム種別としては「武器」と指定してあるのですが、なぜか道具リストのページに掲載されているんです。
 他の道具がずらーっと並んでいるリストのなかに、ぽろっと一つだけ、「おうごんのツメ 武器」みたいに指定してあって、異彩を放っていました。
 
2024dq3_ougonnotume2
 
 コメント欄に書いてある効果は、製品版と同じです。ですが、使用結果欄に「つかうで身につける」と書いてあります。

 つまりおうごんのツメは武器だけど、「そうびコマンド」からは装備できない。おうごんのツメを装備するには、どうぐ欄から「つかう」指定をする。
 ほしふるうでわを装備するときのような手順で、おうごんのツメを装備するってことになります。なんでまた?
 
 なぜそんなことに? と思ったので5分くらい考え込んだのですが、おうごんのツメは武闘家専用の武器です。
 武闘家は、武闘家専用「じゃない」武器を装備するとかえって弱くなるという特性があります。
 
 おそらく、この資料が書かれた段階では、武闘家は、「専用じゃない武器を装備すると」ではなく、「あらゆる武器を装備すると」弱くなるという想定だったのではないかと思います。
 
 なぜなら、そのほうがだんぜん、わかりやすいからです。前者では、「武闘家専用武器か、そうでないかを見分けて下さい」という話になりますが、後者なら「とにかく武器を装備させないで下さい」というシンプルなオファーにすることができます。
 
 ようは、「そうびコマンドから装備できる武器は全部ダメですよ」という仕様が想定されていたんじゃないかと考えるのです。
 
 でも、武闘家は武器をいっさい装備しないほうがいい……っていうんじゃあ、「武器を更新するよろこび」が一人分、へってしまうことになる。装備の入手はRPGのよろこびのうち、大きなもののひとつだから、これを欠いてしまうのはうまくない。武闘家用の武器はやっぱり必要だ。
 
 そこで、武闘家専用の武器は、道具のような扱いにする。たとえば、「そうびコマンド」には出てこないようにする。
 じゃあこれ、どうするんだ? とプレイヤーは試行錯誤する。そうすると、どうぐコマンドから装備できることがわかる。
 なるほど、どうぐコマンドから装備できる武器は武闘家専用で、これなら装備しても弱くなったりしないんだな、ということが体験的にわかる。
 
(たとえば、どうぐからの使用で「****は、おうごんのツメを、そうびできない!」というメッセージが出てくれば、「じゃあ、これ、誰が装備できるんだ?」と思って自然にいろいろ試す)
 
 そんなわけで、企画段階のおうごんのツメは、武器だが道具扱いだという特殊なアイテムで、そうなった理由は武闘家専用武器を明確に区別するためだったろうというお話。
 
 
■はやぶさのけんを商人が使うと?
 
 武器の話にうつります。最初にひとつ手早く済ませますが、はやぶさのけんの「使用可能者」(装備可能者ではない)の欄に、「商人」が指定されています。
 
2024dq3_hayabusanoken
 
 でも、「使用したら何が起こるか」の欄は空欄になってます。つまり「使っても何も起きない」の指定です。製品版でも何も起きません。こんな指定がしてあるのははやぶさのけんだけです。
 なんでだろう……と2時間くらい考えましたが、何も思いつきません。単なる書き間違いかなあ……。
 
 
■属性Cはバギ系と判明
 
「堀井さん手書き文書」から推測する初期版ドラクエ3(6) を先に読んでいただくとわかりやすいのですが、堀井さんは、使うと攻撃呪文の効果がある武器について、とてもクセの強い記述をしています。
 
 たとえば(ミュージアム版資料では)、まどうしのつえは「一匹ギラ小A」、らいじんのけんは「グループギラ大A」、ふぶきのつるぎは「グループギラ中B」といった具合です。
 
 なんだこれはって感じなのですが、推定では、どうもこの時期のドラクエ制作スタッフ間では、攻撃呪文のことをぜんぶひっくるめて「ギラ」と呼ぶ風習があったようです。
 
 なぜなら、ドラクエ2まで、攻撃呪文はシステム内部的に全部おなじ属性だったからです。呪文名がちがっても、取説に書いてある説明書きに「風の刃で切る」とか書いてあっても、ギラもバギもイオナズンもまったく同属性でした(というか「攻撃呪文」という属性しかなかった)。
 
 ですので「グループギラ大」というのは、「敵1グループに」「攻撃呪文をかける」「大ダメージ」という意味だと解することができます。
 
 じゃあ、AとかBとかついているのは、何の意味なんだという疑問が生じます。
 
 らいじんのけん(ベギラゴンの効果・ギラ系・炎)がAで、ふぶきのつるぎ(ヒャダルコの効果・ヒャド系・氷)がBなので、
「AとかBとかは呪文の属性を示すものだろう。炎がAで、氷がBだろう」
 という推測をしたところまでが、第六回でした。
 
 さて時は流れて、カーニバル版資料。

 アイテム表の中に、いなづまのけん、いかづちのつえ、おおじゃのけん(おうじゃのけん)の欄がありました。堀井さんは、ミュージアム版資料を書いたのち、どっかの段階で、「やっぱいなづまのけんといかづちのつえはあったほうがみんなよろこぶよねえ」と思ったことになりますね(たぶん)。
 
2024dq3_buki

 
 資料によれば、いかづちのつえが「グループギラ中A」、いなづまのけんが「全体ギラ中A」、おおじゃのけん(「おおじゃ」は資料通りの表記です)は「グループギラ大C」です。
 
 いかづちのつえがベギラマの効果(敵1グループに中程度の炎系攻撃)、いなづまのけんがイオラの効果(敵全体に中程度の炎系攻撃)なので製品版通りです。
(ドラクエ3のイオ系呪文はギラ系と同属性、炎系です)
 
 さて「おおじゃのけん」。製品版の効果はバギクロス。バギクロスは敵1グループに大ダメージのバギ系(風系)攻撃です。
 おおじゃのけんの指定は「グループギラ大C」なので、Cはバギ(風)系の指定ということになりそうですね。
 
 ABCは属性の指定であろう、という推定は、これによりさらに裏打ちされました。
 
 この調子ですと、デイン(雷)系はDということになりそうです。
 
 なお、製品版のドラクエ3では、いかづちのつえは魔法使いと賢者が装備可能ですが、この資料では、魔法使いのみが装備できる指定となっています。
 
 
■カナの制限かそうでないのか
 
 エンゼルローブという防具が指定されていました。
 
2024dq3_enzerurobu
  
 これは製品版では、「てんしのローブ」という名前で実装されました。資料の内容は、製品版通りとなっています。
 
 ところでなぜ名前が変わったのか。
 
 これは単純な話で、ドラクエ3には、カタカナの「セ」の字が(フォントが)入っていないのです。一文字も使われていません。堀井さんは、容量を減らすために、使用頻度の低いひらがなやカタカナのフォントをを抜いて、それ抜きで全部のテキストを書くという荒業をしています。
 
「セ」がなければ「エンゼル」が書けない。なのでこの名前は使えない。「てんしの」に置き換えた。
 
 ところでもうひとつ。「かわのマント」
 
2024dq3_kawanomanto
 
 かわのマントという防具は製品版にはありません。でも、「名前が初期装備っぽい」「武闘家以外の全職業が装備できる」となると、これは製品版で「たびびとのふく」として実装されることになったものでしょう。
 
 なぜ名前が変わったのか。「か」「わ」「の」「マ」「ン」「ト」は全部ドラクエ3に入っています。文字制限のためではない。
 
 おそらくですが、このアイテム表を書いたあとで、「かわのよろい」を追加することにしたんじゃないかな? と想像します。
(もしくは、最初からかわのよろいを実装するつもりでいたが、「かわ」が重複していることが問題だとあとで気づいた)
 
「かわのマント」と「かわのよろい」が、同時に(プレイの同時期に)存在するのはうまくない。イメージが近すぎるし、どっちがいい防具か、感覚的にわかりにくい。
 
 かわのよろいは前作の初期装備で、なじみが深いので、こっちが優先され、マントのほうの名前を変えた。
 
 でも私見ですけど、変えてよかったですねぇ。「たびびとのふく」というネーミングはすごくいい。イメージがひろがります。「ああ、自分はこれから、旅に出るんだ」っていう旅情がふくらんで、たまらない。愛しい。
 
 
■ドラクエ3新機軸リスト
 
 ところで、「①/ 《各種アイデアメモ》4・14」という手書き資料が展示されていました。
 
 これは、「ドラクエ1と2には存在しなかった、こんな新しい要素を、ドラクエ3に入れてみたいな」というアイデアをペラ一枚で箇条書きにしたものです。
 
 一部、実装されずに終わったものもありますが、ほとんどは何らかの形でFC版ドラクエ3で実現しています。
 これも、わりときれいに清書されているので、エニックスの上のほうに提出するための企画書の一部だったのかもしれません。
 
 今気づきましたが、4月14日の日付があります。これは87年の4月14日でしょう。ドラクエ2の発売日が87年1月なので、約3か月後。ドラクエ3の発売が88年2月ですから、発売の10か月前ということになります。
 
 マスターアップから発売まで、少なく見積もっても2か月はかかるでしょうから(任天堂がカートリッジを生産する時間が必要)、ここから8か月で完成までこぎつけたことになります。
 
 これを全部書き写してきましたが、全部をのっけるわけにはいかないので、気になるところや、実装されずに終わったものをいくつか拾いだしてみます。
 
 
■最初期のアイデアのすごい断片

 
 以下、引用部はすべて、「①/ 《各種アイデアメモ》4・14」の内容の一部です。
 

・にげると追げきをくらうこともある。あるいは、5歩あともどりする等 にげるの再考

 
 どうも堀井さん、「逃げるのペナルティが少なすぎる」とお考えだったようです。
 
 たぶんですが、「逃げるを使いまくって、適正レベルでない(敵が強い)エリアまで進みすぎてしまう」プレイヤーがでるのを恐れたのかな、と思います。
(以前、国会図書館でむかしの週刊ジャンプを読んでいたら、キム皇のファミコン110番で、「逃げまくってロマリアまで行ったけど、敵が強すぎて歯が立ちません」という読者ハガキが紹介されてるのを見たことがある)
 
 逃げても一発なぐられるとか、マップを後戻りしちゃうとかの仕様があったら、逃げたら損だということになり、戦うから、しぜんとレベルがあがりますね。
 
 このアイデア結局どうなったのかというと、ドラクエ2に比べて、ドラクエ3はいくぶん逃げるが成功しにくくなりました。そのかわり、逃げるに失敗したときの敵側の攻撃が若干マイルドになったみたいです。
 差し引きでいうと、逃げるのペナルティは前作と同等か、むしろちょっと少なくなった感じがします。
 
 たぶん、「逃げにくいのは体験として気持ち良くない」と判断されたのだと思います。
 

・町の中の城、町・城の中の塔など(町の井戸)

 
 町の中に城があるというのは、まさにアリアハンがそうでした。いっぽう、町や城の中に塔があるというのは、ドラクエ3では実現していません。
 
 が、次回作となるドラクエ4で、「ロザリーヒル」というかたちで実現しました。
 
 ドラクエ2で企画していたローレライが、ドラクエ3で実現した例もそうですが、堀井さんは思いついたアイデアが実現できなくても、それをだいじにとっておいて、次回以降の作品で使うということをされています。
 

・エルフの町、ドワーフの町

 
 エルフの町はノアニールの近くに隠れ里として存在しますが、ドワーフの町は実現しませんでした。
 
 ミュージアム版資料の白地図には、「ドワーフの店」という施設が書かれていたのですが、これは結局なくなったようです。
 
(まったくの余談ですが、ドラゴンクエスト大辞典さんに「ノルドの洞窟は初期の開発資料ではドワーフの洞窟と書かれていた」という意味の記述がありますが、洞窟ではなく「ドワーフの店」ですし、位置はノルドの洞窟とは別の場所にありました。ドワーフの店は世界樹の葉のすぐ左下あたり。カスピ海のそば。ずっと気になってたので、ここでソッ…と指摘しておきます)
 

・カマゆでをする老婆など 人物のおもしろさ

 
 まほうのたまをくれる老人が、ツボで何らかのものをゆでていた記憶がありますが(注:リメイク版)、あのへんは「あやしげな秘薬をつくってるあやしげな老婆」みたいなイメージの痕跡かもしれません。
 
 また、これ以降のシリーズで、なにかをグツグツ煮ているお婆さんというキャラクターはいたような気がします(もはや記憶がおぼろ)。7のパミラとかどうだったかな……。
 

・日本的(江戸的)な町とか。(ジパングの存在)

 
 今回ビックリしたポイントの一つがこれ。「ジパングに行くと、花の大江戸八百八町が広がっている」みたいなイメージが、当初は握られていたのですか!?
 
 製品となったドラクエ3では、ご存じの通り、ジパングは邪馬台国のイメージで作られていました。そこでやまたのおろちを退治してくさなぎのけんを手に入れるわけです。
 
 こんな鮮烈なイメージは、いちばん最初からあったにちがいないと私は思い込んでいたのですが、そうではなかった。なんと堀井さんは、最初は江戸のイメージにしようと思っていて、あとから邪馬台国と草薙の剣のアイデアを出してきたことになる。
 
 想像するに、「このへんで中ボスを倒す展開がほしい」「日本で有名な大物の怪物と言えば、やまたのおろち?」「だったら古代のほうがいいね」みたいな発想の流れがあったのかしら。堀井さんにお会いしたら聞いてみたいなぁ……。
 

・もんしょうにかわるものを集め、どこかにあずける。
   ⌒かけら
  ⌒彫こくにはめこむ
(すると別の物くれるとか

 
 なんとこの資料は、まだオーブという言葉がなく、鳥に乗って空を飛ぶイメージが存在しない段階だ。
 
 主人公=勇者ロトは、不死鳥にのって空をはせる「鳥の人」である、という、ドラクエシリーズ全体をつつみこむといってもいいようなこの大きなイメージは、最初から握られていたものではなく、途中でふと思いつかれたものだったのです。
 
 私はなんとなく、鳥山先生が描いてきたドラクエ2の箱絵に、鳥の紋章が描いてあるのを堀井さんが見て、その瞬間に「あ! 勇者ロトって鳥の人なんだ!」と思いついた、ような気がしていたのですが、そんなドラマチックな感じではなさそうだ。
 
 たぶん、発想の順序としては、「せいなるまもりがのちにロトのしるしになるという真相を思いついた」「ロトのしるしってどんな形だろう、と漠然と想像した」「そういえば鳥山さんの絵に鳥の紋章が描いてあることを思い出した」「あ、勇者ロトは鳥の人だ」くらいなのかもしれない。
 

・エンディングのどんでんがえし
 →{陸に  ―すいこまれる
  {海に大穴

 
 ここにある「エンディングのどんでんがえし」は、「バラモスを倒すと」という意味のように思うのですけど、どうだろう……。
 つまり、最終的にギアガの大穴になっていくアイデアのように読めます。
 
 この資料の段階では、まだ不死鳥ラーミアは想定されていなかったので、「ラーミアに乗るとギアガの大穴の近くまで行ける」というアイデアは当然なかった。でも、おそらく地下世界に行けるというアイデアはあった。
 
 この時点のイメージでは、どうやって地下に行くのかというとそれは「強制的に大穴に吸い込まれる」というものだった、という話になります。これはこれで、すごい。
 
 そして、その大穴は、陸にあると限ったものではなかった。ひょっとしたら海に大穴があいているという表現になる可能性もあった。
 
 ……ここまで見てきて思いましたが、この「アイデアメモ」、白地図が描かれるより前に書かれたものですね。
 そうなると、「カーニバル版資料は(全部)ミュージアム版資料より後に書かれた」という推定は、ちょっと疑問符がつきます。アイデアメモがミュージアム版資料より前に書かれたのはほぼ確実で、ひょっとしたらアイテムリストも前後が逆という可能性もあります。
(でも、カーニバル版アイテムリストは内容が明らかに製品版に近づいているから、あとの方だという気がするんだよな……)
 

・下の世界にいく階段=
 落ちるだけの穴(2度と上の世界にもどれない)

 
 これは「大穴に吸い込まれる」の直後に書かれていました。
 下の世界がある、というアイデアがこの時点で確実にあったことがわかります。
 
 下の世界に行く穴は、穴ではなくて、階段があって降りていく表現にするかもしれなかった(堀井さんは迷ってた)というような意味にとれます。
 
 地面に階段があって、別レイヤーの世界に移動するというイメージは、ドラクエ6を思い起こさせますね。ドラクエ6の世界移動の階段イメージは、この時点で堀井さんの中にあったことになります。
 
 それと、「2度と上の世界にもどれない」というのはまたすごい。アレフガルドに行ってしまったら、元の世界にはもう行けないというアイデアです。このアイデアを思いつくのは、よくわかる。ビックリするし、はっきりと心が動くからです。
 でもこれを本当に実装したら、不評でしたでしょうね。感覚としては「それまでに征服してきた領土を、まるごと奪われる」に近しい。たぶん周囲から、「それはさすがに」という声が出て、やめられたんだと思います。
 
 でもこのアイデアは、「エンディングまで来ると、空の大穴が閉じて、上にルーラできなくなる」というかたちで部分的に実現されました。
 
 
 ■追記(20240817)
  
 カーニバル版資料を書き写してきたメモに書き落としがあったので、再び現地にいって、メモの校正を行いました。
 
 それで、見落としていたいくつかのことを以下にご報告します。
 
 
■ムー城
  
「ドラゴンクエスト・カーニバル」のランドマークタワー会場には、アリアハンの城下町の手描きマップ(正確にはそのコピー)が展示されていました。
 
 その内容は基本的に製品版と同一ですが、そこには、アリアハンではなく「ムー城」と書かれていました。
 
 すなわち、アリアハンのお城は、「アリアハン」という名前が思いつかれる前は、「ムー城」という名前だったのです。
 
(カーニバル版ではなく)ミュージアム版資料によれば、ドラクエ3の制作中の一時期には、
「上の世界の名前はムーであり、下の世界の名前はアレフガルドである」
 という構想が存在しました。
 
(それについての詳しい解説はこちら
 
 ミュージアム版の該当の資料をもういちど引用します。以下の画像は筆者(私)が『ドラゴンクエスト・ミュージアム』会場で見たその資料を再現したもので、現物はすべて手書きです。例によって著作権法上の引用による利用であり、禁転載・禁改変・禁再配布です。

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 ミュージアム版資料では、旅立ちの地のお城の名前はアリアハン、アリアハンを含む上の世界全体の名前がムー、となっています。
 
 つまりアリアハンとムーにかかわるネーミングは以下のように変遷したと推定されます。
 
・旅立ちのお城の名前はムー城である(上の世界の名前は不明)
  ↓
・旅立ちのお城の名前はアリアハン、上の世界の名前はムーである。
  ↓
・旅立ちのお城の名前はアリアハン、上の世界に名前はない。
 
 
■手書き? タイプ?
 
「ドラゴンクエスト・カーニバル」の展示では、ドラクエ3のシナリオ原稿のごく一部も展示されていました。具体的には、アリアハンの「とうろくじょ」のセリフ原稿を見ることができました。
 
 それで、おやと思ったのですが、この原稿、PCもしくはワープロで書かれ、プリントアウトされたものです。
 プリントアウトした紙の上に、堀井さんの筆跡で、手書きの修正が書き込まれているというものでした。
 
 あれぇ、じゃあ「ドラクエ6まで、堀井さんのシナリオは全部手書き」という伝説はどういうことなんだ?
 
 そういう伝説があるのです。伝説というか、私はこのときまで、伝説ではなく真実だと思っていた。
 
 この伝説の出所は、雑誌『ゲーム批評 VOL.8』に掲載された「SPECIAL INTERVIEW 堀井雄二 今だから語れるドラゴンクエスト」という記事です。
 
 当該記事のp.56に、ドラクエ6の制作資料だとされる、分厚いファイルの山を写した写真が掲載されている。そのうちの一ページ、ライフコッドの手描きマップも写真掲載されている。
 それらの写真にそえられたキャプション(写真説明の短文)に、こう書いてある。
 

全18冊にもおよぶ、「Ⅳ」の資料。中身はすべて、堀井氏自身の手書き。
シナリオからマップ、武器データに至るまでち密に書き込まれている。
資料の一冊、ライフコッドのマップ。
もちろん手書きです。

 
 こう書いてあるから、「ふえええ、あの膨大な文章量を手で書いたの? 堀井さんすげええ」と思っていたわけです。
 堀井さんが雑誌に持っていた連載で、実際に、手書きで書かれたシナリオの一部が掲載されたこともあります。たしか1か2の原稿だったかな。
 
 でも実際は、ドラクエ3の段階で、すでにキーボード入力が行われていたのです。
 
 よくよく考えてみると、わざわざ手書きで書くというのは不自然で、タイピングしていたほうが自然ですよね。
 
 だって、堀井さんはパソコンを当然持っていた。堀井さんはもともとフリーランスのライターで、雑誌の読者投稿ページを担当しており、雑誌投稿者のリストを管理するという名目でパソコンを購入したのです。当然、プリンターも持っていたものと想定されるし、雑誌の原稿をタイピングで書かなかったわけがないと思うのです。
 
 なにより堀井さんは『ポートピア連続殺人事件』や『軽井沢誘拐案内』を、PCで独力で作った。『ポートピア』のシナリオ原稿を、「手書きで書いてPCで打ち直した」とは考えにくくて、画面上でセリフを書いたり消したりしながら作っていったと考えた方が自然です。
 
 そういうわけで、「ドラクエ3の段階で、PCを使った原稿作成は行われていた。少なくとも、試みられていた」というところが、新しいファクトです。
 
 じゃあ、『ゲーム批評』の記述はどうなんだという話になる。
 
●可能性1
 堀井さんは、PCでの原稿作成をやめてしまい、手書きに戻した。
(だからドラクエ6の原稿は完全に手書きなのである)
 
●可能性2
 堀井さんは、PCでの原稿作成をずっと行っていた。
(『ゲーム批評』のライターが、何らかの理由で、全部手書きだと思い込んだのである)
 

 後者については、「全部手書きである」と言っているのが堀井さんではなく、ライターが書いたキャプションであるというところに着目したもの。
 堀井さんは、マップについてはドラクエ6でも手描きでやっているのです。ライターはそれを見た。で、
 
(以下架空の会話)
堀井「これねぇ……(この膨大な量のうちかなりの部分が)手描きなんですよ」
ライター「ええっ! (この膨大な量の全てが)手書きなんですか!?」
 
 くらいの行き違いが起こったとかそんな感じの想定ね。
 
 でも、後者(可能性2)の想定は、全然おもしろくないので、私としては、
「なんかしっくりこないな、くらいの感覚的な判断で、堀井さんは手書きに戻した」
 というストーリーのほうに魅力を感じます。
 
 誰か、「ドラクエ4やドラクエ5の、PC入力されたシナリオを見た」という人はいないかな……。


 
 今回の資料で取り上げるものは以上です。また何か思いついたら、追記して、X(旧twitter)で告知しますので、よかったらフォローしてお待ちください。

 

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