731部隊が海外でも報道されましたが、忘れられない思い出があります。 2010年に当時の岡田克也外務大臣が、外務省招聘で来日した元捕虜米兵に、戦時中の非人道的扱いを直接謝罪なさった後、私は彼らに強制労働を課した企業にも謝罪を求め、10数社に手紙を書きました。 それに答えてくれたのは岡本行夫氏が社外重役を務める三菱マテリアルだけでした。そして2015年に実行してくれました。 翌年来日した捕虜の子供(60代)2人と私の朝食に加わって下さった岡本氏が告白した言葉に、私達は驚きました。彼の父親は731部隊に所属していたというのです。私達は、告白して下さったことに感謝し、決してそれを口外しないと約束しました。 岡本氏が生前書き進めていてご逝去後の2022年に出版された自伝『危機の外交』には、そのことが詳しく書かれています。彼は、友人となったクーパー師にも打ち明けていました。 捕虜との和解に真心から取り組んで下さった岡本氏には、もっと生きて支援して頂きたかった。
