鴻巣市の廃校におけるモデル撮影会に反対した理由 開催済みですので決定を覆す意図はありません。 ただ、今後似た案件が出たときのために書き残しておきます。 とあるアカウントに対し、AV女優も含む撮影会を公の財産を貸し出すことについて反対を述べながら住民の声を聴かないのか質問をしたら、「職業差別」との批判を受けました。 それに対する反論も含め、意見を述べます。 まずAV女優とは何か。 AV女優はAV業界を象徴する存在です。 そしてそのAV業界には以下のような問題があります。 【現在のAV業界の問題点】 ・犯罪の肯定 強姦、痴漢、盗撮、暴力は犯罪です。 これらを扱ったAV作品が膨大にあり今でも閲覧可能です。 人権擁護を標榜する政治家や行政とは相容れないものです。 ・性病対策への意識の低さ 梅毒などの性病感染対策としてはコンドーム着用が有効です。 しかしAVではコンドームを使用しないものが多数あります。 性病への意識の低さを指摘せざるを得ません。 AVとの関連は不明ですが、梅毒は国内で感染が急増していることを加えておきます。 ・乱暴な性行為の助長 「分かりやすく興奮させるための派手なプレイをリアルと受け止め、勘違いをしたまま、現実でも同じ行為をしようとする人が大勢存在している」 （文春オンライン「『私のAVのせいで、傷ついた人が存在している』粘膜が切れて出血する時も…早稲田卒の元AV女優（23）が引退後に感じた“責務”」より引用） 男性側がAVの過激な性交渉描写を真に受け、パートナーの女性を肉体的・精神的に傷つけてしまうという報告があります。 ・未成年への敷居の低さ レンタルDVD店では、AVコーナーは18禁を示す暖簾の向こう側にあり、未成年者が入るのはためらわれます。 しかし、現在主流となっている映像配信サイトでは、18歳以上ですか？の質問に「はい」と答えるだけで自由に閲覧できます。規制する法律もありません。 前述の犯罪やコンドーム非着用、過激な性交渉について、判断能力のある成人が見れば「普通やらないだろう」と考えられます。しかし、脳が未発達の児童・生徒であれば「やってもいいんだ」と判断する危険性も十分あります。 業界は自ら自主規制を緩くしている状態です。 ・ポルノ依存症のおそれ 世界ではポルノ依存症の研究が進んでいます。 ポルノの見すぎによる脳の一部の委縮、勃起不全が認められています。 オーストラリアの研究では男性の4％、女性の1％が“ポルノ依存”である可能性が判明しました。 日本ではポルノ依存症専門外来は神奈川県などにありますが、多くはありません。 依存症が疑われる場合はお近くの保健所にご相談ください。 ・男性支配 消費者はほぼ男性です。 売れるためにはどうしても視聴する男性の要望に迎合しなければいけません。 男性の支配欲を満たす、つまり女性が男性の言いなりになる作品が少なくありません。 犯罪モノ同様、女性の人権への配慮に欠けています。 それは性の商品化、もっといえば女性の玩具化であり、ジェンダー平等とはかけ離れた状況です。 他にもあるかもしれませんが、とりあえず以上です。 このように問題含みの業界が公の施設の催しに関わることに私は反対します。 公の施設利用を許容するのは、たしかに行政が業界にお墨付きを与える行為です。 反対の声を上げる住民や市議の方に共感します。 公の施設利用を許容することによって、世間のAV業界に対する敷居を下げ、私の同級生の子どもたちや、かつて塾で教えた生徒たちや、保育した児童たちが、軽はずみにも、今の問題含みのAV業界に入ることがあってはならないと考えています。 さらにいえば、自分に直接関わりのない、日本に住むすべての人々も、そういう性被害・加害・ポルノ依存症・人権侵害などから守りたいと考えています。 ただし、全部禁止しろとは言いません。男性の性欲は定期的に高まるのでどこかで処理しないと暴発します。昭和初期などは小説「人間失格」にもあるようにリアルの強姦が本当に多くありました。 AV業界が人権を尊重し、性犯罪を抑制し、性病対策を啓蒙し、未成年者からのアクセスをより制限し、ポルノ依存症も予防するなどの配慮をしながら存続させるのが良いと思います。 撮影会は法律で決まった通り開催するのが正しい、という意見がありました。法律に従って処理されるのは当然です。私は次に同じような案件が来た時どうするか、も含めて考えています。私たちは法律に異を唱えたり改正を訴える権利が全くないでしょうか？そう考えるのであれば与党のフォロワーをしておけばいいし、実際そういう人も多いんでしょう。法律を変えたい、と思うからこそ野党を支持する人がいるんじゃないでしょうか。 黒人、朝鮮人などを例に挙げて、私を差別主義者だという意見がありました。黒人や朝鮮人は生まれで決まってしまうもので逃れようのないアイデンティティです。しかしAV女優は自分からなろうとしてなるもので、次元が違います。ほとんどのAV女優は数年で引退します。やめられないものではないはずです。もし、やりたくないのにやらせられている、やめたくてもやめられないのであれば、人権問題、労働問題です。 以上を理解した上で、なお私を職業差別主義者だとバッシングするのであれば、あなたのほうこそ日本の女性の地位を押し下げ、女性差別を維持させている女性差別主義者ではないでしょうか？ 問題含みの今のAV業界を手放しに擁護する方が、こどもも含む人々の人権を害することにつながります。繰り返しになりますが、業界には自浄努力を望みます。 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 憲法には「濫用してはならない」「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」とあります。 誰かの営業の自由のために公共の福祉を犠牲にしていい国ではありません。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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