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2022年8月12日 16:36

Zoho CRM(顧客関係管理システム)につないでみた

■はじめに

 顧客関係管理(CRM)システムは、昨今のビジネスにおいて非常によく利用されております。例えば、CRMツールによって、見込顧客一人一人の志向や興味のある分野を把握することで、商談化率や成約率を高める効果が見込めます。

また、顧客情報を組織内の別システムで共有することで、情報の価値を相乗効果で高めていくことも可能です。例えば、ある支店の顧客情報を各支店間で連携することで、各支店間の顧客対応のノウハウを共有することが可能となります。

そのため、組織内にあるCRMとほかのシステムとの連携はより一層重要となっております。

 

■Zoho CRMとは

 Zoho CRMとは、Zohoが開発したCRMツールです。

 Zoho CRM はユーザアカウントを作成することで、顧客情報・商談情報・各種ドキュメントの管理を行うことができます。

 また、Zoho CRMにはAPIによる各種処理が実装されており、RESTを使ったシステムとの連携が可能です。



■検証内容

今回はHULFT Squareを活用して、以下の処理が実行できることを確認してきます。

①   取引先情報の取得(Zoho CRMの取引先情報を取得)

②   取引先情報の登録(Zoho CRMの取引先情報を登録)

 

■事前準備

◎Zoho CRMのアカウント登録

 まずは、Zoho CRMから連携に必要な情報を取得していきます。

 なお、Zoho CRMのユーザアカウントができていることが前提となります。Zoho CRMのユーザアカウントがない場合は以下のリンクより作成してください。

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https://www.zoho.com/jp/crm/welcome.html

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また、OAuth認証によるREST APIの認証を行うため、以下の手順でクライアント登録を行います。


1. zoho developer consoleにアクセスしてください。

リンクは以下の通りです。

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https://api-console.zoho.com/

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2. アクセスできましたら、server-based Applicationsを選択してください。



3. 必要情報を入力してください。

なお、この作業はAuthorized Redirect URIsを設定するため、後述のHULFT Square 設定のOAuth認証用のコネクション設定と並行して行ってください。

Client Name: 任意

Homepage URL: 任意

Authorized Redirect URIs: HULFT Squareが自動で設定したURL



4. 登録できましたら、[client_id]と[client_secret]をコピーして保存してください。



ここで保存した情報は、コネクション作成時に利用します。


5. Settingにて、利用できるクライアントの地区を設定します。今回は、テスト用のため、全地域のドメインを許可するようにします。



 ここまで設定できましたら、Client Detailsにあるボタンを押して、設定の保存または更新を行ってください。


6. 作成したアプリケーションの地区名を確認します。名前部分をクリックして「My Account」を押してください。Account画面が表示されましたら、左側の「セッション」→「連携中のアプリ」を選択して、連携したいアプリのApp's data center (Japan DC,United States DC…)の値を確認してください。後でHULFT Squareの設定で使用します。




◎HULFT Square 設定

Zoho CRMに接続を行うHULFT Squareの設定を、以下の流れで行っていきます。

・コネクションの設定(認証用及びREST用のコネクションを作成する必要があります)

・スクリプトの作成と実行

 

■コネクションの設定

コネクションを開き、「新しいコネクションの作成」をクリックします。

         


 OAuth認証用のコネクションを以下のように設定します。

 なお、この作業はAuthorized Redirect URIsを設定するため、前述のserver-based Applications設定と並行して行ってください。

 また、認可エンドポイントとトークンエンドポイントのドメインは連携対象のアプリケーションのApp's data centerによって変わりますので、下記URLより確認して、変更してください。

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https://www.zoho.com/crm/developer/docs/api/v3/multi-dc.html

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クライアントID: 4の[client_id]

クライアントシークレット: 4の[client_secret]

リダイレクトURI: [HULFT Squareが自動で設定したURL]

認可エンドポイント: [App's data centerのドメイン]/oauth/v2/auth

トークンエンドポイント: [App's data centerのドメイン]/oauth/v2/token

スコープ: ZohoCRM.users.ALL, ZohoCRM.modules.ALL, ZohoCRM.coql.READ (他任意)

クライアント認証方式: client_secret_post

追加パラメータ

キー: access_type

値: offline

 ここまで設定できましたら、リフレッシュトークン発行を押して、リフレッシュトークンを設定してください。

 

 その後、REST接続用のコネクションを設定します。

 なお、URLは連携対象のアプリケーションのApp's data centerによって変わりますので、下記URLより確認して、変更してください。

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https://www.zoho.com/crm/developer/docs/api/v3/change-log.html

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URL: [App's data centerのURL] ※画像ではhttps://www.zohoapis.com/

これ以外の部分はすべてデフォルト設定で問題ありません。



■スクリプトの作成と実行

①取引先情報の取得(Zoho CRMの取引先情報を取得)


【REST アダプタの設定】

REST APIをPOST形式で実行できるように設定を行います。

次のようにコンポーネントの値を設定していきます。

・必須設定

接続先:先ほど作成したREST接続用コネクション名

パス:crm/v2/coql

エンコード:UTF-8


・リクエスト設定

データ入力元:データ

データ形式:   JSON

※RESTアダプタ直前にマッピングコンポーネントを配置して、パラメータを設定してください

※パラメータについては下記URLを参照してください

https://www.zoho.com/crm/developer/docs/api/v2/Get-Records-through-COQL-Query.html


・レスポンス設定

データ出力先:データ

データ形式: JSON

レスポンスのステータスコードが4xx、5xxの場合エラーにする: true


・認証設定

認証: Authコネクション利用

コネクション: 先ほど作成したOAuth認証用のコネクション


これ以外の部分はすべてデフォルトの設定で問題ありません。



②マッピング

手順①で取得した取引先情報を連携先マスタへ登録・更新するため、データのマッピングを行います。

マッピング内容は、連携先のマスタ・仕様に合わせて設定してください。



③取引先情報の登録(Zoho CRMの取引先情報を登録)


【REST アダプタの設定】

REST APIをPOST形式で実行できるように設定を行います。

次のようにコンポーネントの値を設定していきます。


・必須設定

接続先:先ほど作成したREST接続用コネクション名

パス:crm/v2/Accounts

エンコード:UTF-8


・リクエスト設定

データ入力元:データ

データ形式:   JSON

※RESTアダプタ直前にマッピングコンポーネントを配置して、パラメータを設定してください

※パラメータについては下記URLを参照してください

https://www.zoho.com/crm/developer/docs/api/v2/insert-records.html


・レスポンス設定

データ出力先:データ

データ形式: JSON

データ出力先: true

レスポンスのステータスコードが4xx、5xxの場合エラーにする: true

・認証設定

認証: Authコネクション利用

コネクション: 先ほど作成したOAuth認証用のコネクション


これ以外の部分はすべてデフォルトの設定で問題ありません。



ここまで設定できましたら、正常に処理が完了することを確認します。



指定したZoho CRMへ取引先情報が登録されていることが確認できます。

 



■おわりに

いかがだったでしょうか。

 

HULFT Squareを利用することで、Zoho CRMへの取引先情報の登録を行うことができました。

今回実施した内容以外にも、HULFT Squareを利用して取引先情報以外の情報を連携したり、別のCRMシステムへデータを連携することも可能ですので、こちらの記事を参考にZoho CRMとの連携をHULFT Squareでお試しいただければと思います。


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