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※掲載したテキストは全て2024/8/23 午前11時までの限定公開です
【第一話:書斎にて】
古橋 「くー…………」
???「ハッピーハーロウィーン!」
古橋 「!? な、なんだ……」
???「やあおはようなんだいお寝坊さんだね! もう夜中の0時だよ!」
古橋 「……ロッサ」
ロッサ「やあ画面越しの女王の皆さんもこんばんは! ロッサだよ!」
古橋 「どこに語り掛けているんだ」
ロッサ「という訳で今日は『期間限定☆ハロウィンスペシャル』だよ!」
古橋 「へえ……」
ロッサ「僕と兄さんで皆のもとを〝とりっくおあとりーと!”って言って回るんだよ!」
古橋 「……なあロッサ。そういうのは見た目可愛いマスコットキャラがやるものだろ。いい年こいた見た目20超えと噂されている俺や愉快な格好の骸骨がやることじゃないだろう?」
ロッサ「兄さんいつにもまして饒舌だね……ロッサ嬉しいよ……」
ロッサ「まあ、愉快な格好の骸骨って部分はどうにでも出来るからさ、自喰で」
古橋 「えっ……」
ロッサ「ロッサロロッサラリルレロッサ! 早く人間になーれ☆」
古橋 (実弟がアイスの形状をしたステッキを振り回しながらキラキラしたハートやら星やらを物理的に飛ばし始めそして光に包まれた……眩しっ)
ロッサ「……ほら! 骨ばった肌に肉が戻ってこの通り!」
古橋 「…………」
古橋 「……えっ……?」
ロッサ「ん? どうしたの?」
古橋 「……気の所為かお前の顔が俺なんだが?」
ロッサ「何言ってるんだい、僕ら双子なんだから同じに決まってるじゃないか!」
古橋 「俺の顔で頬を膨らませるな!」
ロッサ「あ、同じ顔だときっと皆が僕と兄さんの見分けがつかないよね。昔みたいに僕センター分けにしとくから」
古橋 「いや、その愉快な格好をしてることで見分けがつくと思うが」
ロッサ「さて! それじゃあ早速皆からお菓子をせしめてこよう! 行こう兄さん!」
古橋 「せめて服を着替えてくれないか」
【第二話:地下にて】
ロッサ「日之世くーん! 日之世くーーん!」
古橋 「……いないんじゃないか?」
ロッサ「でも彼ここにいなかったらどこにいるっていうの?」
古橋 「それもそうだな」
???「イヒヒヒヒ……イヒヒヒヒヒヒヒヒ……」
ロッサ「おや? 何かの鳴き声が……」
古橋 「よし、いることを確認したな。戻るぞ」
ロッサ「駄目だよ兄さん! お菓子を貰うんだよ!」
日之世「……これはこれは僕の人生を台無しにしてくれた双子のご登場じゃないですかこんばんは」
古橋 (胃が痛い)
ロッサ「駄目だよ兄さん事実なんだから受け止めないと! ところで日之世くんはこんな所で何をしてるの?」
日之世「サボテンを育てているんです」
古橋 「……は?」
日之世「僕は皆さんご存知の通り愛の狂戦士なのですが」
ロッサ「へー、そうなんだー」
古橋 (初めて聞いたが)
日之世「その愛の権化でもある僕は愛情深過ぎて植物にもうっかり水を与え過ぎて根を腐らせてしまうんです」
古橋 「物事には限度って物が」
日之世「そういう風に女王様の双子の片割れの人に相談したら」
古橋 「酷い紹介の仕方もあったもんだな。というか今の時間軸はどうなっている」
日之世「“じゃあサボテンを育ててみたらどうかな?”と言われまして」
ロッサ「なるほどねー!」
日之世「……イヒッ」
古橋 「……今、何で笑った?」
日之世「いや、古橋さんの見た目でテンション高いって面白いなあと」
古橋 「ロッサ今直ぐ何かお面被れ、ほら何かあるだろ何か。ロバの被り物とか」
ロッサ「やだよ僕のイケメンフェイスが隠れちゃうじゃないか!」
古橋 「ロッサ! 頼むからロッサ!」
ロッサ「えー……」
日之世「こんなところで兄弟喧嘩は止めてくださいよ見苦しい」
古橋 「言いながらその手に構えてる機材は何だ」
日之世「“●録画”」
古橋 「止めろ……! どこにあったそんな文明の利器!」
ロッサ「で、どうしてこんな場所でサボテンを育ててるんだい?」
日之世「信憑性の程は分かりませんが、以前、植物を育てる際に話しかけると良く育つという話を聞きまして」
ロッサ「うんうん」
日之世「なので、マリスの沢山いる場所で育てたらこのサボテンも巨大化したりマンイーター化しないかなと」
古橋 「お前は何を言っている」
日之世「そう思って早数日経つのですがサボテンに巨大化する兆候が未だ見られず」
ロッサ「どうしよう兄さん。彼が素で言ってるのか冗談で言ってるのか分からないよ」
古橋 「大丈夫だ俺も分からん」
日之世「仕方が無いので絶えず刺激でも与えていたら大きくなるかとここ小一時間つついていたのですが」
古橋 「お前に貰われたサボテンも災難だな」
日之世「先ほど目測を誤りサボテンの針が僕の爪の間にめでたくインしましてね。それで思わずテンションが上がり」
ロッサ「うんうん分かったお菓子くれないかな? トリックオアトリート!」
古橋 「せめて最後まで聞いてやれ」
日之世「僕の話は以上なのですが」
ロッサ「ほらー」
古橋 「え……いや……なら何で笑ってたんだ?」
日之世「ですからテンションが上がりましてね。拷問具を仕掛けられる側はこういう感じなのか、と」
古橋 「…………」
ロッサ「引かないでよ兄さん。そもそもこの地下に落ちてるのって半分くらいは兄さんのお古でしょ?」
日之世「まじですか」
古橋 「トリックオアトリート! トリックオアトリート!」
日之世「うるさいですよイヒヒヒ。僕が持っているのは精精このラムレーズンのアイスです」
古橋 「目を見張るほど不自然な展開を通り越していっそ自然な流れだな」
ロッサ「兄さん早くここから出たくて適当なこと言ってるでしょう」
ロッサ「えっとー、じゃあもう地下探索は終わりでいいかな? 次は密原くんのところにGOだよ!」
古橋 「おー」
日之世「いひひー」
【第三話:温室にて】
ロッサ「トリックオアトリート!」
密原 「え!? なんてカッコウしてるんすかオーイチロウくん」
ロッサ「うん? 格好いいでしょう?」
密原 「いや……まあ、キミが良いなら良いんじゃないすかね……うん……それにしても今日のキミは生き生きしてるっすね」
ロッサ「ねー、普段はまるで親戚一同が死滅したような顔してるからねー」
密原 「あはは、確かにー」
古橋 (何一つ笑えん)
日之世「彼が本人だと思われてますよ真顔の古橋さん」
古橋 「何でお前がここにいる」
日之世「嫌ですねぇ、貴方の勇姿を記録映像として残す為じゃないですかイヒヒヒヒヒ」
古橋 「腹が立つ」
密原 「……え! 後ろにもオーイチロウくん?!」
ロッサ「はい! 僕の名前はロッサでーっす☆ 森の中の城で昔城主やってましたー!」
密原 「え、あの……え?」
古橋 「……紹介がおくれました俺の双子の弟です」
密原 「へ、へえ……ここでこの状況を問い質すと説明が長引くから気にせず飲み込むとして……」
密原 「うん……何ていうか、キミの弟さんにしては随分と頭が軽そうな感じっすね!」
ロッサ「褒めてくれてありがとう嬉しいよ!」
密原 「そしてやたらと前向き! 何一つ褒めてないのに!」
古橋 「……ロッサ、とりあえず用事を済まさないか?」
ロッサ「そうだね! という訳で密原くんトリックオアトリート!」
密原 「え? ああ、ハロウィンか……じゃあこのピンク色のマカロンでも」
ロッサ「ありがとう! 齧ったあととかない?」
密原 「無いっすよ! 流石に新品っす」
古橋 「……なら次か」
ロッサ「そうだね兄さん! ところで密原くんはここで何してたんだい?」
密原 「ああ、ボクっすか?」
日之世「そこの水に顔を映してナルキッソスごっこです」
密原 「何でキミが答えるんすか、違いますから。……単に休憩してただけっすよ」
ロッサ「あ、理由は特に無いんだね。……じゃあ次に行こう!」
密原 「雑い! もっとボクに興味を持って上手く話題振ってくれません!? 引き出しは沢山あるんすから!」
ロッサ「でも君的には男にちやほやされても意味がないんだろう?」
密原 「賞賛の声だったら男から上がっても受け入れるっす」
ロッサ「よし兄さんサクサク次へ行こう!」
古橋 「……良いのか?」
密原 「うん良くないっすよね全然良くないっすよね?」
密原 「ちょっとオーイチロウくん、君の弟さんこういうのもなんだけど空気読めないにも程が無い?」
古橋 「すまない、以前はもう少し思慮深かった気がしたんだが……」
密原 「いや、別にキミに謝って欲しかった訳じゃないっすけど」
ロッサ「じゃあ次に行こう!」
密原 「タケルくんちょっと彼の口を抑えててくれない?」
日之世「分かりました、僕の取って置きの粘着テープを貼りましょう。一度貼ったらはがせないと噂の粘着性を誇るのですが」
古橋 「そのテープの使用用途は何なんだ。はがせないと使い勝手が悪いだろう」
日之世「貴方の口に張るのでしょう? はがす必要が無いじゃありませんか」
密原 「違う違う、そっちじゃなくて元気のいいオーイチロウくんの方」
ロッサ「でも日之世くん、兄さんはほうっておいてもどうせあんまり喋らないから、貼っても貼らなくても大差ないよ?」
日之世「おっと僕としたことがこれは失敬失敬」
密原 「…………」
密原 「……なんか、厄介な奴がまた増えたっすね」
古橋 「次行くぞ! 次はどこだ!」
ロッサ「次は久瀬くんのところだね!」
【第四話:玉座の間にて】
古橋 「トリックオアトリート!」
久瀬 「何だ旺一郎、活きが良いことは結構だが煩いぞ」
古橋 「ぐっ……正論を……ならどうすれば良いんだ……」
ロッサ「トリックオアトリート!」
久瀬 「何だ旺一郎、活きが……ん? 旺一郎が二人いる……だと……?」
密原 「あー、じつはかくかくしかじかで……」
久瀬 「貴様は何を言っている。かくかくした鹿がどうしたと言うのだ」
密原 「話のショートカットに使う常套句だからその辺りは空気読んで?」
日之世「そんな貴方にこの回転して飛行するくの字型の武器を進呈しましょう」
久瀬 「なんだこれは。投げるのか?」
密原 「オイオイオイなんでこっち向いて投げようとする?」
ロッサ「ところで久瀬くん! トリックオアトリート!」
久瀬 「ところでもくそもあるか。何故分裂したのだ旺一郎。しかも緑の方の貴様は服装が悪趣味だぞ」
ロッサ「そうかな? 格好良くない? 首元になんかわしゃわしゃ生えててあったかいし」
久瀬 「格好良くないぞ」
密原 「あの子初対面の相手の服装に難癖つけた挙句ばっさり切り捨ててる……!」
古橋 「いや、彼の中であれは俺なのでは?」
ロッサ「まあ感性の違いはしょうがないよね! 僕は興味ない相手には自分の考えを押し付けないよ! トリックオアトリート!」
密原 「あ、うん。キミのとこの弟も大概だったわ」
古橋 「返す言葉も無いが何かしらの言い訳をしたくてたまらない」
日之世「お兄ちゃん同士の会話なら僕も混ぜて下さい。これでも昔は良いお兄ちゃんをしていたと有名で」
密原 「そうやって考えると、双子の下って皆どこかネジ飛んでてYABAIっすよね」
久瀬 「貴様に言われたくないぞ誠丞」
密原 「あ、聞こえてたんすか」
久瀬 「しかし過去とはいえ、武尊が良いお兄ちゃんをしていたとはな。一体今はどうしてしまったんだ貴様」
日之世「語ると長くなりますが、全てこの隣の赤色の人と緑色の人の所為ですが」
密原 「全然長くなかったっすね語り」
日之世「この緑の人のマリスが入る前の僕は正常でしたからね。さらにこの赤い人のマリスの所為で僕の異常度は加速しましたからね」
古橋 「こっちに関しては自分で勝手に取り込んだんだろうが」
ロッサ「ところで話が長いよトリックオアトリート! ねえ久瀬くんトリックオアトリート!」
久瀬 「大声を出されたところで何も持って……ん? こんなところにプリンが……」
古橋 「目を見張るほど不自然な展開を通り越していっそ自然な流れだな」
ロッサ「それさっきも聞いたよ」
久瀬 「そら、出所の分からないプリンで良ければやるぞ。俺はさっきまで台所でバケツいっぱいのプリンを喰べていたしな!」
ロッサ「わあい! ありがとう!」
密原 「……何か彼、ピンク色のウサギ(たれ目の方)に似てません?」
古橋 「気の所為だ」
久瀬 「それより俺は軽薄そうなところが貴様に似ていると感じたが」
密原 「え? ボクあんなチャランポランじゃないっすよね? ……って、どうして目を逸らすんすかオーイチロウくんにタケルくん!」
ロッサ「ねえ久瀬くん、台所に行けばバケツいっぱいのプリンが喰べられるのかい?」
久瀬 「ああ、頼めば知己が作ってくれるぞ」
ロッサ「本当?! だったら早速行こうよ兄さん'S with 久瀬くん!」
密原 「ボク、正直彼らと一まとめにされたくないっす」
日之世「同感ですね」
久瀬 「そんなことより俺があぶれているではないか」
古橋 「ロッサ言われてるぞ」
ロッサ「僕は種は撒くけど面倒は嫌いだから回収はしないよ! さあ台所にGOだ!」
密原 「とんでもねぇな」
日之世「貴方の弟さんキャラクター濃過ぎませんか、あ、貴方が薄過ぎるのか」
古橋 「そうやって通りすがりに切りつけて行くスタイル止めろ」
久瀬 「おい馬鹿やっていないで追いかけるぞ兄さん'S!」
密原 「……それ気に入ったんすか?」
【第五話:台所にて】
真井 「うーん、どうしよっかなー」
クラン「ともきどうしたのー?」
真井 「朝食に何作ろうか迷ってて……」
ラズ 「今度奴らにアンケートでもとったら?」
真井 「あ、そうだね! 最近何作っても皆美味しいとも言ってくれなくて、ちょっと心折れかけてたんだよね……」
ラズ 「母親の心境だな」
真井 「やっぱり人って張り合いがないとやる気もでないよね……もう、ならいっそインスタントでも良いかなって思ってたし……何故か大量のカップ麺が台所の奥にあったし」
ラズ 「心折れかけてるっていうか、折れてないか?」
クラン「ばっきばきー」
真井 「でも弱音なんて吐いてちゃ駄目だよね。うん、そうだよ頑張らないと! 頑張れ俺! 皆が感想くれないのは俺の腕がまだまだだからだよきっと! ね!」
ラズ 「……こうして人は己のことを追い詰めて行くんだな、可哀想に」
クラン「おなかすたー」
古橋 「……非常に入り辛いな」
ロッサ「頑張って兄さん! メインヒーローでしょ!」
日之世「そうですよメインヒーロー」
密原 「よっ! メインヒーロー!」
久瀬 「ところでメインヒーローとはどういう意味だ?」
ロッサ「メインヒーローっていうのはね、不測の事態が起こった時に全責任を引っかぶってくれる人のことだよ!」
久瀬 「それは確かにヒーローだな! 旺一郎、貴様散散存在感が薄いだのないだのと言われていたが、素晴らしい特技を持っているではないか!」
古橋 「俺の存在感がないのではなく、君らが濃いのだということを忘れないでくれ」
ロッサ「公式の推奨プレイ順が柱強打(柱)⇒赤ちゃん(0歳)⇒拷問スキー(つょい)⇒兄さん(普通)⇒真相(人によっては虚無)だったしね。『ちょっと印象に残らない』ってお声をそこそこ頂いた時は『推奨プレイ順って大事だな』って思ったよ」
古橋 「…………」
ロッサ「どうしたのメインヒーロー、急に元気ないね? いつも元気ないけど」
古橋 「お前が一番俺の息の根を止めに掛かってる気がしてならないのだが」
ロッサ「ん? 何を言ってるの? いつ僕が兄さんの味方だって言った?」
古橋 「……トリックオアトリート!」
密原 「オーイチロウくんそれ完全に現実逃避っす」
真井 「び、びっくりしたあ……皆どうしたの? こんな夜中に……」
古橋 「そう、俺もこの深夜帯に君らが活動していることに軽く疑問を覚える」
日之世「そんな貴方にこの回転して飛行するくの字型の武器を進呈しましょう」
古橋 「こっちは起こされたんだ」
密原 「だってそもそも昼も夜もないようなもんじゃないっすか。体内時計っていうのは太陽を浴びることで調整されるんすよ?」
久瀬 「ところで知己、貴様の飯は美味いぞ。作り手への感謝を失念して悪かった」
古橋 「確かにそうだな。君の料理の腕は素晴らしい物だと思う」
密原 「そ、そっすね! いやー、いつも有り難うっす、トモキくん!」
真井 「! あ、ありがとう……後、さっきの話聞かれちゃってたんだね……はは、恥ずかしいな」
日之世「喰べていない僕としては会話に混じれなくて寂しい限りですねえイヒヒヒヒ……」
ロッサ「そういえばどうして君はお城で食事しなかったの?」
日之世「この城に来る前に古橋さんと一緒になったのですが、彼から“城のものを口にするともしかしたら躯に何らかの悪影響があるかもしれない”と聞いていた為ですよ」
日之世「だから、ならどちらかが城の食事を一切口にすることなく過ごしてみようという話になって、僕がじゃんけんで負けました」
密原 「そんな大事なことをじゃんけんで……っていうかそれならこっちにも教えて下さいよ!」
古橋 「そもそも確定情報ではなかった上、知らない相手にそんな話をされて信じられるのか?」
密原 「まあ、信じないでしょうね」
久瀬 「貴様が兄であることが恥ずかしい」
密原 「お兄ちゃんだからって何でもできると思うなよ! くそが!!!」
ロッサ「どうやら彼のトラウマスイッチがONになったようだね」
古橋 「気持ちは分かる」
真井 「えっと……」
ロッサ「ん? どうしたんだい?」
真井 「そういえば……古橋くん、最近分裂した?」
日之世「『最近髪切った?』や『最近太った?』のトーンで随分面白いことを言いますね」
古橋 「いや、この隣のは……」
ロッサ「ロッサだよ! この陰気そうな顔の人の弟だよ!」
真井 「あ、初めまして……真井知己です」
ロッサ「初めてじゃないけどまあいいや初めまして!」
真井 「あー……元気な方ですね?」
ロッサ「そんなことないよ。兄さんが陰気だからそう感じるんじゃ――」
古橋 「トリックオアトリート!!!」
真井 「!? あ、ええと、そっか、ハロウィンか。何かあげられるようなお菓子は……あ、じゃあこのさっき作ったハート型のクッキーを」
密原 「それYABAIやつや」
久瀬 「貴様どうした急に」
真井 「うん? 密原くんはクッキーにトラウマでもあるのかな? じゃあ……あ、さっき作ったガトーショコラを」
古橋 「なるほどここで回収か出てこないと思ったら」
久瀬 「貴様もどうした旺一郎」
ロッサ「全部貰うよ有り難う!」
真井 「うん……とてもまぶしい笑顔だね……」
古橋 「何故笑いを堪えるんだ。はっきり言ったらどうだ」
真井 「いや……古橋くんの顔でいい笑顔って貴重だよね……って……ふふっ……」
古橋 「よーし、もう気が済んだろうロッサ。もう終わりで良いだろう?」
ロッサ「うん。皆、今日は付き合ってくれて有り難う。本編では敵対する僕だけどブログくらいは仲良くしてね!」
古橋・日之世・密原・久瀬「…………」
真井 「皆……正直だね……」
ロッサ「普通ならここで嘘でも“よろしく”って言うよねさすが僕が城に招いたメンバーだよ!」
ロッサ「という訳で愉しんで頂けたかな女王様方! たまには明るい話が見たいというご要望にお答えしたよ!」
ロッサ「まあ君らの言う明るいと僕らの世界の明るいが一緒かどうかは分からないけどね!」
ロッサ「それではまた僕が登場する時までごきげんよう!」
古橋・日之世・密原・久瀬・真井「happy halloween!!!」
クラン「はっぴーはろうぃーん!」
ラズ 「……は?! 僕らの出番あれだけかよ!」
終わり
《おまけ》
ガート「ちなみに今回の話は《スイクラブログ》上で過去掲載不可の烙印を押されたものだった訳ですが」
ネージュ「前にもどこかで言ってたですね」
ガート「『読後が悪くてもそれは扉を開いてしまった女王様の責任――』とはやはり言えない中身だったらしく、結局三分の一くらい修正が入ったと」
ケイファ「とんでもない爆弾だった訳だな」
ネージュ「爆弾ほどじゃないけどネージュもスイクラ様からみんなへお土産を貰ってきたです」
ガート「ほう、お土産」
ネージュ「曰く、真相ルートは《橿野姉弟VSスイートクラウン》の話で、グッドは《橿野姉弟勝利エンド》、バッドは《スイクラ勝利エンド》とのことです~」
ケイファ「急に? ここで?」
ガート「それではまた次の企画でお会いしましょう」
ネージュ「バイバイです~、アイス食べ過ぎないように気を付けるですよ~」
ケイファ「じゃあ城に戻るか……」