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社名「風音屋」の由来は小説の一節から──風の音を聞いて改善サイクルを回す

風音屋(@kazaneya_PR)では、プロジェクト立案・推進、データ分析やモニタリング、データ基盤のシステム構築から保守運用まで幅広く、お客様のデータ経営実現に向けた取り組みを行っています。

採用面談やカジュアル面談で、当社の社名について質問をいただくことがあるため、この記事では社名の由来をご紹介します。ぜひ風音屋の価値観や雰囲気を知っていただく機会にしていただければ幸いです。

この記事に登場する人

🍊 横山:風音屋CEO。別名ゆずたそ。
🐤 村田:風音屋の採用戦略アドバイザー。人事データ分析に詳しい。
🐾 笹川:風音屋のアドバイザー。博士(情報科学)。 OSS開発が趣味。
⭐ 星野:風音屋を初期から手伝っている兼業データアナリスト。

旅人のように風の音を聞き、現実の課題と向き合う

🍊 横山:社名の由来は、世界的に有名な小説『アルケミスト 夢を旅した少年』(パウロ・コエーリョ著)の一節からとりました。

🐤 村田:どんな小説なんですか?

🍊 横山:少年が砂漠を旅して、宝物を手に入れるお話です。砂が細かすぎる場所ではラクダが歩けなくなってしまったり、部族間の抗争に巻き込まれたりと、砂漠の旅は前途多難です。地図や本を頼りにするだけではオアシスには辿り着けないんですね。そんな中、彼らはどうするかと言うと「風の音」に耳を傾けて都度コースの軌道を修正していったんです。

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🐤 村田:「風の音」というキーワードが出てきましたね。どのようにデータ分析に繋がっていくのでしょうか。

🍊 横山:僕たちは日々の仕事でも「地図の通りに進もう」「本に書いてあるようにやろう」とつい思ってしまいます。だけど、それだけでは上手くいきません。現実の世界は複雑で、不確実性が高い。試行錯誤しながら、一歩一歩進んで行かなければいけない。

🍊 横山:カスタマーの声、従業員の声、ビジネスに関わるあらゆるステークホルダーの声に耳を傾ける。定量的なデータを見て「どう数字が変わっているか」「何が起きているか」を1つ1つ確認していく。フィードバックやファクトをもとに、改善サイクルを回す。「次はこうしていこう」を繰り返すことでしか前に進まないし、ゴールに辿り着かないと思っています。

🐤 村田:なるほど。地図を見るだけではなく、意見を聞いたり、データで確認することが大事だと。データ分析の話に繋がってきましたね。

🍊 横山:そうです。経済活動におけるデータ分析とは、風の音を聞くことと同じなんです。砂漠の旅では、①風の音を聞いて、②危険を察知し、③コースを変えて、④目的地(オアシス)に到着する。経済活動に置き換えると、①データを集めて、②課題と対策を分析して、③業務を改善して、④顧客体験を向上させる。

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🐤 村田:そう言われると、この一連の動きはたしかに同じですね。

🍊 横山:データを見るということは、この不確実な世界を生きていく中で「現実の課題と向き合う」「自分の弱さを乗り越えようとする」行為だと思っています。データを見ながら日々の改善を積み重ねていく。そういうところが『アルケミスト』の「風の音を聞く」という一節にリンクするかなと。なので「風音屋」という名前を選びました。

🐤 村田:「改善」というキーワードは、経営理念でも出てきましたね。

🍊 横山:風音屋のコーポレートビジョン【改善サイクルを回し、今日よりも良い明日を。】は同じことを言っています。プロフェッショナルマニフェストの1つ【Project Skill】も同じです。不確実な状況(=砂漠の旅)において、リソース(=食料や体力)が尽きる前に、クライアントを目的地(=オアシス)に連れていけるのか。リーダーとしてプロジェクトを推進し、QCDS目標を達成できるのか。そこはプロとして徹底したいところですね。

星野:わかる気がします。風音屋の案件をやっていると、妥協しない感じとか、本当はどうあるべきなのかを突き詰めようとする雰囲気があります。

🍊 横山:まさに! 単に「言われたシステムを作る」「リクエストされたから集計レポートを出す」だけじゃダメだよなと。必ずしも依頼者が正解を知っているわけではないので、仕事を担う1人1人が、プロフェッショナルとして、その先を見据えていってほしいなと。

🍊 横山:風の音(フィードバックやファクト)に耳を澄ませる。最適なルート(方法や成果物)を模索する。依頼者がゴールに到着できるように旅(プロジェクト)をリードする。もちろん「言われたもの」や「リクエストされたこと」は、圧倒的なスピードで120%達成した上で、ですよ。

社名候補に挙がった「Terraflow」について

🐤 村田:この社名はいつ決められたんですか?

🍊 横山:法人設立の準備をし始めた頃から、何となくいくつか候補を出してはいましたね。

🐤 村田:ちなみに他の案もありましたか?

🍊 横山:ありましたね。「風音堂」や「コモレビラボ」、「Terraflow」とか。「コモレビラボ」は不評だったのですぐに取り下げました。「Terraflow」はグローバルに通用しそうな名前だったので、どちらにするか悩みました。

🐾 笹川:GCP(Google Cloud Platform)の検証用プロジェクト名に「terraflow」というキーワードがついてましたね。

🍊 横山:そうですね。社内システムの一部にはTerraflowが本命案だった時代の名残があります。Terraは「大地」、flowは「流れ」という意味があって、私が運用していたAirflow(データの流れを管理するソフトウェア)が頻繁にぶっ壊れていたので、もっと地に足のついたデータパイプラインが欲しいなということで名づけました。

🐾 笹川:Airflowがぶっ壊れていた。なるほど(笑)。Airflowのユーザーはたまにそういう話をしますね。

🍊 横山:空(Air)じゃなくて良いから、きちんと地(Terra)に足のついたものが欲しかった。

🐾 笹川:AirflowはAirBnB社が開発したので「Air」はそこからでしょうね。

星野:Terraflowでは結局ダメだった?

🍊 横山:ドメインがダメでした。海外に同じ名前の会社があったんです。

🐾 笹川:おー、あるんだ。

🍊 横山:まぁ、結果オーライだったかなと思っています。「風音(かざね)」という言葉はけっこう気に入っているんですよ。造語なので、検索やエゴサでも見つけやすい。一度読み方を覚えたらスムーズに読める。

🐤 村田:「風音堂」というのは?「屋」と「堂」は最終的にどうやって決めたんでしょう?

🍊 横山:いろいろな人に「風音堂でどうかな」と聞いてみましたが、「お菓子屋さんみたい」と言われて、そんなに良い反響を得られませんでした。あと、商標もチェックしましたね。いくつかの観点でスコアを付けた結果、風音屋が一番しっくりくるなと思いました。

「令和“元年”創業」で老舗感を出すために駆け込み起業

🍊 横山:社名で言うと、和風っぽくしたかったというのもあります。せっかく日本で会社をやるなら日本らしい名前にしておきたいなと。

🐤 村田:「ゆずたそ」の由来でも同じ話をしましたよね。

🍊 横山:同じ話ですね。それに「令和元年創業 東京下町 風音屋」と言いたかった。「〇〇元年」と名乗るだけで貫禄が出るかなと。老舗(しにせ)感を出せそうじゃないですか。

🐾 笹川:「天皇1世代分ぐらいやってんで」みたいな。

🍊 横山:1世代だけでもお得だし、幕末みたいに元号が今後ころころ変わるかもしれない。若手の決裁者からすると百年以上続いているように聞こえないかなと(笑)。福澤諭吉や渋沢栄一と親交のあった人物が創設している感を出したいですね(笑)。というのは半分冗談ですが、やるなら今しかないなと思って、令和元年12月に慌てて登記しました。

🐾 笹川:ギリギリだったんだ。

🍊 横山:法務局の担当者は「年末だからもう年明けで良いんじゃないですか…」と言いたげな空気を醸し出していましたけど、そこは「お願いします」と。しかも慌てて登記した結果、住所を間違えてしまって…。みたいなことが色々とありました。司法書士に相談して、1年後に正しい住所に変更できました。

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https://toukibo.ai-con.lawyer/search-service/result/2010003031238

75件のロゴ案から「風鈴」をチョイスした理由

🍊 横山:併せてロゴの話もしましょうか。うちのロゴはランサーズのコンペで作ったんですよ。たくさんのデザイナーさんたちが75件も提案してくれて、その中で最もイメージに近いものを選びました。

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https://www.lancers.jp/work/proposals/3723361

🐤 村田:75件って、すごいですね。そんなに集まるものなんですね。

🍊 横山:びっくりですよね。コンペという方法を採用したのは、色々なアイデアを見比べて「自分たちはどういう会社なのか」を考える参考にしたかったからです。「風の音」ということで風車(かざぐるま)や耳のアイコン、風が吹くマークを作ってくださった人もいました。

🐾 笹川:うんうん。ありそう。

🍊 横山:75件の提案を比べてみると、自分の中では、風車(かざぐるま)や耳、風が吹くマークは少し違うなと。結果、風鈴のマークを選びました。

🐤 村田:他のアイテムに比べて風鈴がマッチしたのは、どういうところに理由があるのでしょうか?

🍊 横山:風鈴は風が来た瞬間を音で検知できますよね。これが「データを見る」体験に似ていると思ったんです。ダッシュボードで数字が動くのを見る。データの動きを通して、間接的にビジネスの課題を検知するわけです。それって風鈴とリンクしているなと思ったんですね。

🐤 村田:なるほど。

🍊 横山:なので「耳」という表現も僕の中ではしっくり来なかった。耳だと自分に寄りすぎているんですよ。本当に集中して風の音を聞いてるときは、自分の耳を意識しないので、アイコンは耳ではないなと思ったんです。こういうことをまとめていくと、今のロゴが一番良いんじゃないかなという結論になりました。

コーポレートカラーで「信頼感」や「清潔感」を表現

🐤 村田:ちなみに、風音屋のコンテンツは紺色が多く使われているイメージがあります。ロゴも紺色ですよね。紺色が好きだったんでしょうか?

🍊 横山:これはロゴから決まりました。もしも京都にオフィスを構えた場合は入口に暖簾(のれん)を作りたいので、違和感がないものが良いなというのは少し考えました。紺色ならイメージできる。

🐾 笹川:色を指定してロゴを募集したわけではないんですね。

🍊 横山:募集したときは、シンプルに「こんな会社です」「こんな仕事をやっています」「こういうコンセプトです」「これが社名の由来です」と書いただけでした。あと「要望を言語化できていないからプロフェッショナルな人たちの提案がほしい」とも書きました。

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https://www.lancers.jp/work/detail/3723361

🐤 村田:採用されたロゴを見ると、たしかに最初から紺ですね。

🍊 横山:そうですね。デザイナーさんからは「こういうつもりだよ」ということで、素晴らしいご提案をいただきました。

“企業や事業にとって重要な「信頼感」「清潔感」と「独自性」を念頭に置き、貴社名およびコンセプトより風の変化を知らせ、音色で楽しませる(楽しむ)風鈴をモチーフに「変化を知り、変化を楽しむ」をコンセプトにシンボライズしました。”

https://www.lancers.jp/work/proposal/19118700

🐤 村田:まさにそれが言いたかったんですよ、という感じの提案コメントですね。

社名を決めるにあたって妥協したこと

星野:社名を「風音屋」にするときに、妥協したことってあります? グローバル展開?

🍊 横山:グローバル展開時には「日本」を推したほうが差別化できる可能性もあるので、良し悪しについてはまだわからないです。妥協した点を強いて言うなら、ゲーム販売を諦めたことですかね。

星野:ゲーム販売!?

🍊 横山:残念ながら「風音屋」という社名では、商標の問題でゲームを作れないんですよ。書籍やセミナーと同じように、ゲームという媒体を通して、効率的にトレーニングを提供できないかな、ということで商標の対象領域に設定しようとしていました。

星野:なるほど。ゲームと聞いて意外でしたが、マジメなやつだった。でもダメだったと。

🍊 横山:そう。もしもゲームを作るときはグループ会社を別に設立する必要があります。

🐾 笹川:ゲームを作るときはTerraflowにしないといけないですね。

🍊 横山:そうですね。もしくは「スタジオデブリ」とか(笑)。スペースデブリ(宇宙ゴミ)のように、インターネットに大量のクソゲーを撒き散らす制作スタジオ。

🐾 笹川:クソゲーと言えば、よくTwitter広告に出てくる、ゲームプレイが下手なゲームの広告があるじゃないですか。あれは「スーパーカジュアルゲーム」と呼ばれていて、指1本で遊べるゲームをガンガン作って、広告で集客し、あとはプレイ時間をいかに継続させるか?という分野らしいです。

🍊 横山:それは面白いですね。

🐾 笹川:広告を見るとゲームプレイが下手なわけですよ。見ている方はもどかしい。もっとうまくやれるんじゃないかということで、ついインストールしてしまうらしいです。

🍊 横山:小規模で1からゲームを作るとしたら、そういう分野を攻めるのが良いかもしれませんね。

星野:ゲームを作る予定はあるんですか?

🍊 横山:当面は作らないでしょうね。データ分析やコンサルティング、データエンジニアリングを中心に、まだまだ発信したいアウトプットがたくさんあるので。なので、風音屋のアウトプットを見て「下手くそだなぁ」「自分のほうが上手くやれるぜ」という人がいたら、ぜひ応募してほしいなと思っています。

🐾 笹川:スーパーカジュアルゲームと同じ流れだ(笑)

星野:風音屋にスーパーカジュアル転職してほしい?(笑)

🍊 横山:風音屋にスーパーカジュアル転職してほしい!(切実)

おわりに

社名の由来が小説『アルケミスト』の一節であること、ロゴやコーポレートカラーが決まるまでの経緯など、風音屋の裏話をご紹介しました。

私たちは「言われたものを作る」だけでは妥協せずに、言われたことは120%達成した上で「風の音を聞いて改善サイクルを回す」「依頼者が目的地に辿り着けるように支援する」ということを重視しています。

少しでもコンセプトに共感できると思った方は、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう。風音屋では、データエンジニアやコンサルタント、コーポレート職種など、幅広く採用募集中です。



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風音屋の広報noteです。『実践的データ基盤への処方箋』『データマネジメントが30分でわかる本』の著者 @yuzutas0 が代表を務めています。経営レポートやKPIモニタリングの自動化、データ分析基盤の構築・運用など、データエンジニアによる支援サービスを提供しております。
社名「風音屋」の由来は小説の一節から──風の音を聞いて改善サイクルを回す|風音屋(かざねや)
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