旧統一教会系誌を政務活動費で購入 自民さいたま市議2人を巡り市に住民監査請求

2022年7月29日 09時47分
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部=28日、東京都渋谷区で

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部=28日、東京都渋谷区で

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)系の団体が発行する新聞や雑誌を、自民党のさいたま市議2人が政務活動費で市価より高く購入していたことが分かったとして、吉田一郎同市議(無所属)ら市民4人が28日、記者会見した。団体への寄付にあたり市議会の指針に違反するとし、4人は同日、2人に返還を勧告するよう求める住民監査請求を市に行った。
 吉田市議によると、購入が判明したのは鶴崎敏康(見沼区)、新藤信夫(大宮区)の2市議。それぞれ昨年度の政務活動費で、鶴崎市議は4種、新藤市議は2種の機関紙誌を資料として購入し、それぞれ3万6000円を支出した。団体側がホームページなどで発表している年間購読価格などの合計価格より、鶴崎氏は約3000円、新藤氏は約1万6000円多く支払っていた計算になるという。
 吉田市議は「多額の献金強要などで社会問題になっている宗教組織関連団体の雑誌を政務活動費で購入することは、社会通念上妥当な範囲を超え、違法な支出。正規の購読料を上回る部分だけでなく全額が寄付に当たる」と主張。請求が棄却された場合は住民訴訟も検討するとした。
 取材に応じた鶴崎市議は、購読は知人に頼まれ旧大宮市議時代から続けていたと明かし「ちゃんと読んでおり、寄付の意図はない。料金は団体側の請求に従い支払い、差額は知らなかった。団体に差額の返金を求め、購読を続けるかは考える」と話した。
 新藤市議は支援者からの紹介で購読を始めたとし、当初は旧統一教会系のものだと知らなかったが、判明後も「家庭や夫婦別姓問題などについて自民党と考えが近く、購読していた」という。「団体側の請求通り支払っており寄付の意図はないが、差額が発生しているなら公費でもあり、さかのぼって返還しなければいけない」と話した。購読は続ける意向という。2人とも選挙時の協力は受けていないとした。(前田朋子)

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