平塚競輪場で開催された『第67回オールスター競輪』(GⅠ)は最終日の18日、11Rで決勝が行われ、古性優作(33)=大阪・100期=が窓場千加頼のまくりに乗ってG前強襲し、3年ぶり2度目の大会制覇&通算7度目のGⅠ優勝を飾り、優勝賞金6100万円(副賞含む)と年末の『KEIRINグランプリ2024』(静岡・12月30日)の出場権を手にした。ファン投票1位での優勝は、1999年(甲子園)の神山雄一郎以来。窓場が2着、新山響平が3着に逃げ残った。
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グランプリに加え、7度目となるGⅠタイトルは感慨深いものとなった。決勝は新山ペースで運んだが、中団を確保した窓場が佐藤の牽制を乗り越え2角まくり追い込み。近畿同期の満身の仕掛けに乗った古性が鋭く突き抜けると、両拳を幾度となく夜空に突き上げ、スタンドの熱い声援に応えた。
「いやあ、うれしかった。大勢のお客さんの前で優勝できたら気持ちいいだろうなと思っていた。とにかく(窓場)千加頼がめちゃくちゃ強かったですね」
ファン投票1位でのオールスター制覇は1999年の神山雄一郎以来、実に25年ぶりの偉業だ。トップクラスが集結する舞台だけに険しい道のりだったが、才能を一気に開花させて頼もしく成長した同期のアシストが心強かった。「競輪学校(現養成所)時代から千加頼を目標にしてきた部分もあったので。低迷していたけどポテンシャルはすごいものがある。これが本当の千加頼だと思う」。近畿勢をけん引する脇本雄太とのS班勢と肩を並べるような飛躍を遂げた仲間の姿に、自身の3年ぶり2度目大会Vと同じくらいの喜びをあらわにした。
「決勝が一番感触が良くてひらめいたところもあった。新しいペダリングにしたり修正できたのが良かったですね。状態も少しずつ戻っているのかなと思います」
3連覇を懸けた6月岸和田高松宮記念杯は決勝3着滑入と涙をのんだが、今年のビッグ全てで決勝進出と盤石の安定感は屈指の総合力があればこそだ。年間獲得賞金ランクは大会前から上位にいたが、夢の祭典を制して1億7300万円超えの首位に立ち、グランプリの権利も確保した。レジェンドの域に達しつつある人気と実力を兼備した最強オールラウンダーが、今後も縦横無尽に王道を突き進む。(小橋川寛)
■古性優作(こしょう・ゆうさく) 1991(平成3)年2月22日生まれ、33歳。大阪府大阪市出身。清風高卒業後、100回生として2011年7月に岸和田でデビュー(①①❶着)。オールスターVは21年に次ぐ2度目。GⅠ優勝は22、23年・全日本選抜、22、23年・高松宮記念杯、23年・寬仁親王牌と合わせて通算7度目。21年にはKEIRINグランプリ(静岡)で頂点に立っている。通算成績は1072戦337勝、2着210回、3着130回。通算取得賞金10億7089万1322円(18日現在)。168センチ、77キロ、血液型O。
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【戦いを終えて】
◆窓場(2着)「抜かれたのは悔しいけど、古性さんとのワンツーはうれしい」
◆新山(3着)「もう少しメリハリをつけられれば踏み直せていたかなと思う」
◆松井(4着)「優勝したかったけど…。手応えを感じることはできたと思う」
◆佐藤(5着)「新山君を抜けていないし、もっとレベルアップしていきたい」
◆郡司(6着)「自分でこじ開けて突っ込める気持ちと技術があればと感じた」
◆守沢(7着)「粘られなかったし4人で前に出切れたけど、自分が弱かった」
◆渡部(8着)「新山君がいい展開を作ってくれたのに優勝者を出せず悔しい」
◆真杉(9着)「もっと動きがあると思ったが読みが甘かった。9番手では…」
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★目標達成 平塚競輪の『第67回オールスター競輪(GⅠ)』6日間の売り上げは154億5641万400円。主催者が目標に掲げた135億円を大きく上回った。