イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人2人の拘束事件で、フリージャーナリスト、後藤健二さん(47)の母、石堂順子さん(78)が23日、都内で会見を開いた。「健二はイスラム国の敵ではありません。釈放してください」と涙ながらに訴えた。母親としての苦しい心情をのぞかせる一方、「原子力のない国をつくってもらいたい」と事件とは直接関係のない内容を主張するなど動揺する様子もうかがえた。
「日本国民、日本政府の方々、ご迷惑をお掛けすることを心からおわび申し上げます」
東京都千代田区有楽町の日本外国特派員協会。
石堂さんは、会見の冒頭、集まった25台以上のテレビカメラや約150人の報道陣の前で、深々と頭を下げた。
「私はこの3日間、ただただ何が起こっているのかわからず悲しく迷っておりました」と自らの胸の内を吐露。「残された時間はわずかです。日本政府の皆さん、健二の命を救ってください」と訴えた。
石堂さんは「昨日(22日)、(後藤さんの)嫁と電話で初めて交信しました。2週間前に、赤ちゃんが生まれたそうです。びっくりしました」と明かし、後藤さんがシリアに向かったことについて、「先に拘束されている知人を助けるために何が何でもということで飛んでいってしまったと言っていました」と振り返った。