2024.01.30
「AIを活用することで、体の不自由な人や不登校の子どもたちの学びの支援を行って社会全体がよくなることを願います」
そう語るのは、AIイノベーションアーティスト村岡大地氏だ。
村岡氏は製鉄業のエンジニアとして働く傍ら、ChatGPTという言葉が世の中に浸透する前からいち早くAI技術を習得している。今回は、「AIと社会の繋がり」について語ってもらった。
今では自治体とのAIイベントのコラボやHUNTERCITYの講師などを務める他、SNS界隈でも注目を集める村岡氏だが、数年前まではAIとは全くの無縁だったそう。
そんな村岡氏がなぜAIのプロフェッショナルにまで上り詰めたのかーーー
「毎日のように報道されるAI関連のニュースを見ていて、これからAIが必要不可欠な時代になる!と思って、勉強を始めた感じです。」
「それまでAIの知識は全くなくて、パソコンも2年前に手に入れたばかりなんです」
毎日のように、AIの新サービス提供や国を挙げて投じるニュースを見てAIの可能性を強く感じ、シリコンバレーエンジニアの大橋功先生によるAI研修講座に参加した。3ヶ月で実践的な研修内容を学べる、この講座。最終テストでクリアすれば受講料は無料だが、不合格の場合は30万円支払う必要がある。そんなプレッシャーもあり、村岡氏は驚くべきスピードでAIの知識を次々と身につけていった。
今後、AIの市場は数百兆円となり、私たちの生活の上で必要不可欠な時代になることは必至である。
飛躍的に進歩していくことに理解が追いつけず、AIに支配されていくのでは。と、恐怖に感じている人も少なくないだろう。
しかし、村岡氏は「AIこそが今自分が持っている知識や技術などのポテンシャル以上に力を発揮することができるチャンスである」と前向きに受け止めている。
例えば、AIが言語処理や視覚支援を提供することで、体の不自由な人たちは今までできないと考えられていたことや仕事の選択肢が拡がる可能性もある。
また、さまざまな事情で学校に行けない子どもたちにAIが学習の環境を提供・支援することができ、社会全体が包括的で豊かになる。
このようにAIの技術をポジティブに受け入れていけば、社会のさまざまな課題の手助けとなり、潜在的な才能を開花させ経済発展にも繋がる可能性がある。これは深刻な高齢化社会が進む日本において、救世主といえるのだ!
AIに馴染みの少ない人にとって、AIは少し敷居の高いものに感じる。
そこで初心者でも楽しめる、おすすめのAIサービスについて尋ねてみた。
Suno
アメリカに拠点を置く音楽生成AIサービス。好きな歌詞を入力するだけで、瞬時に楽曲を生成する。2023年12月19日、アメリカMicrosoft社はチャットボット「Copilot」を統合することを発表。これにより、Copilotにログインすれば、無料で楽曲を生成することが可能となる。
筆者も実際に試してみたが、Copiloのチャット上に「◯◯◯な歌を考えてください」と入力するだけで、歌詞付きの音楽を提供してくれる。どこかで聴いたことがあるような馴染みのあるメロディーは、聴いていて心地が良い。作詞作曲のセンスが皆無の筆者でも簡単につくることができた。
商品のPRソングに、友達のプレゼントに、既存の楽曲のアレンジに、使い方はいろいろありそうだ。
最後に、村岡氏の今後の目標について伺った。
「スタートアップ企業の技術支援や中小企業の技術支援などコンサルティングのサービス提供を並行しながら、独自でアプリやサービスを展開していくことが今後の目標です。」
今後、ビジネスパートナーはヒトだけではなくAIもその一員になると感じた。村岡氏のAIへの熱い想いと誰にでも気さくに話しかけてくれる優しい人柄が、今後の日本の課題を解決することであろう。これからの村岡氏の動向に注目していきたい。
聞き手・文章構成:東沙紀