二桁×二桁の計算問題は、筆算を使って計算するのが普通かもしれません。
しかし、式の特徴をよく見ると筆算なしで計算できることがあります。
そのためには、ちょっとした工夫が必要ですが……。この問題に挑戦して、その工夫とは何なのか確かめてみましょう。
問題
次の計算を暗算でしてください。
99×93
解答
正解は、「9207」です。
筆算なしでスピーディーに答えが出せたでしょうか。
では、暗算で効率よく計算するための「ポイント」を見てみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、掛け算に使われる数が100に近いことです。
掛け算に100が混ざっていると、大体の場合計算がとても楽になります。
掛け算で使われるもう一方の数字の後ろに00を付ければ計算が終わるからです。
例:100×81=8100
今回の問題は99×93ですが、100×93であれば答えは9300とすぐに出てくるでしょう。
もちろん、99×93と100×93は別物です。そこで、もとの式と意味が変わってしまわないようにしつつ、100×93を作り出す工夫をします。
このとき使われるのが、分配法則です。
みなさんは、分配法則を覚えているでしょうか。
分配法則は、()の中の足し算をしてから掛け算をする場合と、()の中の数をぞれぞれ掛け算してから足す場合の答えが同じになるという法則です。
分配法則:
(●+▲)×■=●×■+▲×■
●×(▲+■)=●×▲+●×■
この分配法則を使うと、問題の式を次のように変形して計算できます。
99×93
=(100−1)×93
=100×93−1×93
=9300−93
=9207
この形なら、暗算しやすいですね。
まとめ
今回の問題では、二桁×二桁の数どうしの計算を簡単にする工夫を紹介しました。
100に近い数が登場する掛け算は、このように分配の法則を使って式変形すると効率的に計算できます。
ぜひ、他の問題でもこの方法を使ってみてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
二桁の数どうしの掛け算にもう一問挑戦!