日本感染症学会

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「BD バクテック™ 血液培養ボトル」出荷調整への対応について

最終更新日:2024年7月3日

一社)日本臨床微生物学会 理事長 松本 哲哉
一社)日本感染症学会 理事長 長谷川直樹

会員各位

 この度、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社より「BD バクテック血液培養ボトル」の出荷調整に関する連絡を頂きました。
 情報の詳細については、企業側からの情報をご確認いただければと思いますが、ポイントとしては約3か月間を目途に出荷量が50%程度に減少する見込みということです。
 言うまでも無く血液培養は感染症の診療に欠かせない重要な検査法であり、国内でもシェアの高いBD バクテックの血液培養ボトルの供給が減少することは、多くの医療機関において影響が少なくないと推測されます。
 すでに企業側としても最大限の努力をしていただいているとのことですので、サプライチェーンによる調整も必要となりますが、医療機関側でも出荷調整の数か月間を大きな混乱なく診療ができるように工夫する必要があります。
 特にこのような情報を受け取った場合、自分の病院だけはなんとか十分量を確保しようとする動きが出てきますが、それが病院間のアンバランスを生み、極端に血液培養ボトルが不足する医療機関が生じかねない状況を生んでしまいます。そのため、国内の医療機関が歩調を合わせて被害を少なくするため、下記の点について会員の皆様に徹底をお願いします。

  1. 血液培養ボトルの発注量の適正化
    これまで発注していたレベル以上の発注や在庫の確保を目的とした発注については、極力控えていただくようお願いします。
     
  2. 血液培養の対象の見直し
    血液培養の対象となる優先順位から考えて、菌血症・敗血症患者への2セット採取は必要と考えます。ただし、その一方で、菌血症の陰性化確認は対象を限定するか1セットでの採取はやむを得ないと思われます。また、状態が比較的安定している患者や他の培養検査で原因菌の検索が可能と思われるような患者においては、血液培養の対象からはずすこともご検討ください。 
     
  3. 院内ルールの設定と周知の徹底
    各医療期間によって血液培養の実施状況は異なるため、各施設に応じた院内ルールを決めていただく必要があります。現在よりも半数程度に血液培養を抑えるために、どの部分を減らせるかについては微生物検査室やASTなどで相談していただき、妥当な院内ルールの案をご検討ください。そしてそのルールが守られるよう院内における周知徹底をお願いします。

 

「BD バクテック 血液培養ボトル」出荷調整のお知らせとお詫び(第一報)

日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
インテグレイテッド ダイアグノスティック ソリューションズ事業部

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