スマートフォンの月額利用料金は4,363円で微減

「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年7月調査)」

2024年08月08日

■スマートフォンの月額利用料金は平均4,363円(前回2024年1月比113円減少)

■スマートフォンの購入金額は平均75,793円(同1,457円増加)、中高価格帯の比率が上昇

■スマートフォンの月間データ通信量は平均11.47GB(同0.39GB増加)

■スマートフォンの利用時間(通話時間を除く)は週平均1,213分(約20時間)

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)はスマートフォン及びフィーチャーフォンそれぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態をまとめた。

スマートフォン利用者の月額利用料金は4,363円

携帯電話の月額利用料金※1,2,3について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者全体では4,363円で、前回調査から113円減少した。
※1:2024年7月の有効回答数:9,662
※2:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※3:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」
  ◇端末購入の支払いが分割払いで残っているユーザーの月額利用料金には端末購入金額は含まれていない
  ◇消費税を含む

MNO(移動体通信事業者)4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金は5,043円、楽天モバイルを除くMNO のフィーチャーフォン利用者は2,610円となった。サブブランド利用者の月額利用料金は3,277円、MVNO(仮想移動体通信事業者)利用者の月額利用料金は1,993円となった。前回調査と比較すると、スマートフォン月額利用料金としてはサブブランドが唯一上昇した。

スマートフォン利用者の端末購入金額は75,793円

端末の割引前購入金額※4,5,6はスマートフォン利用者全体で75,793円となり、前回調査から1,457円増加した。主な要因は前回結果と同様で、①為替変動・物価高騰の影響を受けてスマートフォン本体の価格が上昇したこと②売れ筋価格帯として2万~3万円台の低価格帯比率が減少し、6万円台以上の中高価格帯比率が上昇したこと――と分析する。5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォン利用者は84,907円、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は56,204円で、5G対応の方が約2.9万円高かった。

MNO 4ブランドのスマートフォン利用者では80,777円(前回調査比871円増)、MNOのフィーチャーフォン利用者は21,279円(同81円減)、サブブランド利用者は67,216円(同3,289円増)、MVNO利用者は59,285円(同2,416円増)だった。
※4:2024年7月の有効回答数:9,662
※5:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※6:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)

月間データ通信量は平均11.47GB(ギガバイト)

スマートフォン利用者の月間データ通信量※7,8,9,10,11は、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は11.47GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」25.6%、「2GB」10.0%、「3GB」17.3%となり、52.9%のユーザーが3GB以下の通信量となった。平均値は増加傾向にあるが、中央値は依然として「3GB」であり二極化が進行している。平均利用量に近い「10GB」までのユーザーは75.4%を占め、前回調査より0.2ポイント減少、その分、10GB超ユーザー比率が上昇した。
※7:有効回答数:15,388
※8:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※9:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※10:2024年6月(調査月の前月)の利用状況から分析
※11:「通信量がわからない」を除く

MNO 4ブランドのスマートフォン利用者の月間データ通信量※12,13,14,15,16は「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は13.58GBとなった。サブブランド利用者は6.39GB、MVNO利用者は6.52GBで、MNO4ブランドのデータ利用量はサブブランド及びMVNOの2.1倍であった。年代別にみると、20代以下(18.80GB)、30代(15.57GB)、40代(12.08GB)、50代(10.03GB)、60代(6.34GB)となり、若年層ほどデータ通信量が多い結果となった。
※12:有効回答数:15,388
※13:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※14:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※15:2024年6月(調査月の前月)の利用状況から分析
※16:「通信量がわからない」を除く

1週間の通話時間はMNO 4社 40.9分、サブブランド 38.9分、MVNO 22.1分

スマートフォン利用者に携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間※17を質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 4社は18.2分、サブブランドは18.7分、MVNOは9.4分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 4社は22.7分、サブブランドは20.3分、MVNOは12.7分となった。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 4社は40.9分、サブブランドは38.9分、MVNOは22.1分となった。
※17:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

スマートフォン利用時間は1,213分/週

スマートフォンの1週間あたり利用時間※18,19は1,213分(20時間13分)となった。個別にみると、MNO 4社は1,227分、サブブランドは1,231分、MVNOは1,120分となった。
※18:通話時間を除く
※19:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

SNS、音楽配信サービス、有料動画配信サービスについて、サービスごと※20の利用率、利用者の平均利用時間※21についても分析した。SNS全体の利用率は67.4%で、1週間あたりの利用時間は121分だった。音楽配信サービスは55.2%、140分、有料動画配信サービスは67.8%、180分となった。

SNSでは「Instagram」の利用率が66.5%で最も高く、1週間あたりの利用時間は118分となった。次いで「X(旧 Twitter)」の64.3%(134分)、「Facebook」の36.1%(69分)、「TikTok」の31.8%(178分)、「Threads」の15.1%(82分)の順となった。

音楽配信サービスでは「YouTube Music」の利用率が28.6%で最も高く、1週間あたりの利用時間は98分。次いで「Spotify」が25.5%(160分)、「Apple Music」が22.6%(200分)、「Amazon Music Unlimited」が15.2%(152分)、「LINE Music」が10.2%(116分)となった。

有料動画配信サービスでは「Amazonプライムビデオ」の利用率が39.8%で最も高く、1週間あたりの利用時間は148分となり、次いで「Netflix」が17.1%(212分)、「YouTube Premium」が13.1%(230分)、「Hulu」が7.0%(203分)、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」が6.7%(244分)となった。
※20:利用率上位5項目を抜粋
SNS(全7項目)
「X(旧 Twitter)」、「Threads」、「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「その他」
音楽配信サービス(全10項目)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auスマートパスプレミアムミュージック(旧 auうたパス)」、「dヒッツ」、「その他」
有料動画配信サービス(全15項目)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「Lemino(旧 dTV)」、「Disney+」、「DAZN」、「smash.」、「DMMプレミアム(DMM TV)」、「ベースボールLIVE」、「バスケットLIVE」、「SPOTV NOW」、「J SPORTSオンデマンド」、「楽天TV」、「NBA LEAGUE PASS(BASIC PASS含む)」、「その他」
※21:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

前回調査では、それまで下降トレンドであった月額料金は159円上昇したが、今回調査では113円の微減となった。要因は2023年以降に登場した各社の新プランへの移行が加速したためと分析。新プランではデータ通信量1GBあたりの料金が従来プランよりも安くなったが、月間データ通信量は平均で11.47GB(前回比0.39GB増)にとどまっている。つまり、データ通信量の増加が通信料単価の値下げ分を上回るほどの規模になっていないためと分析する。今後の月額利用料は新料金プランへの移行が増加するなかで、データ通信量がどれほど増加していくかによって上昇することも、減少することもあるだろう。MM総研ではスマートフォンの利用状況を継続的に分析していく。

■携帯キャリアのブランド定義
MNO4ブランド:NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイル
 ※楽天モバイルは2022年7月調査以降はMNOのみ、2021年12月以前はMVNOを含む
サブブランド:ワイモバイル(ソフトバンク)、UQモバイル(KDDI)
MVNO:MNO4ブランド及びサブブランド以外

■利用者アンケートの調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:プレ調査25,353人/本調査1,425人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2024年7月

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