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生成AI(人工知能)の普及に伴い、オープンソースソフトの利用が加速している。開発者コミュニティーと共に成長でき、技術の透明性を担保できるからだ。オープンの価値を正しく理解し、取り組むことで使いこなす地力が付く。

 2024年7月23日、米メタは大規模言語モデル(LLM)の最新版Llama 3.1を公開した。従来通り、オープンソースソフトウエアとして提供する。メタのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は同日、公式ブログに“Open Source AI Is the Path Forward”と題した一文を投稿、Llama 3.1やオープンソースの意義を説明した。

 学習モデルの規模が4050億パラメーターに達するLlama 3.1 405Bの性能は、米オープンAIの最新モデルGPT-4oに匹敵するという。ザッカーバーグ氏はブログで「オープンソースAIが開発者にとって良い理由」を列挙し、筆頭に「Llamaの最先端モデルを独自のデータでトレーニングし、最適なサイズのモデルに絞り込める」ことを挙げた。

 続いて「ベンダーに縛られることなく自らの運命をコントロール」すると共に「データを保護できる」とした。後者の理由は利用者が「好きな場所でモデルを実行できる」からで「オープンソースは透明性を持って開発されているため、より安全である」と強調した。

 ここまでは透明性という特徴だが最後の理由も重要である。「オープンソースがクローズドモデルより速く進歩していることを多くの人々が目の当たりにして」おり「長期的に標準となるエコシステム」になる。開発者のコミュニティーができ、機能を素早く向上させ、持続性を担保する。オープンソースを使う組織はコミュニティーと共に成長する。

 米アマゾン・ウェブ・サービスや米グーグルなどがLlama 3.1を実行できる環境を用意したことに触れつつ、読者に「一緒につくろう」と呼びかけ、「多くの開発者やパートナーがLlamaを使えるように社内でチームをつくり、エコシステムの中でより多くの企業が独自の機能を顧客に提供できるよう、積極的にパートナーシップを築いていく」と締めた。