ミサイルで妻子失い従軍、戦死 ウクライナのパン職人男性
ウクライナのメディアによると、南部オデッサで昨年4月にロシア軍の攻撃により、妻と生後3カ月の娘ら家族を失った後、従軍していた元パン職人の男性、ユーリー・グロダンさんが最前線で戦死した。今年9月に行方不明となり、今月5日までに元同僚に死亡情報がもたらされた。グロダンさんの家族の死は、国際的にも悲劇として報じられていた。
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惨事は、グロダンさんが腕利きのパン職人として働いていた約1年半前に起きた。東方正教会の復活祭(イースター)の伝統菓子を焼き終えて迎えた休日、自宅がミサイル攻撃に遭い、妻子と義母の3人が死亡。自身はたまたま買い物に出ていたため無事だった。
妻ワレリアさんとは2019年に結婚。長女キラちゃんは昨年1月に生まれたばかりだった。グロダンさんは、家族を亡くした際、英BBC放送の取材に「私の目の前の全世界が死んだ。ロシアのミサイルが殺した」と語った。
家族で過ごす祝祭である復活祭前日に、ロシアがミサイルを撃ち込んだことに対して、ゼレンスキー大統領も珍しく感情をあらわにした。当日の記者会見で、グロダンさん一家を襲った不幸について「(キラちゃんは)生後1カ月で戦争が始まり、3カ月で命を失った。なぜこんなことが起こるのか」と語気を強めた。
この後、グロダンさんは戦場に向かった。ウクライナ屈指の精鋭部隊「アゾフ大隊」を経て、第3独立強襲旅団で戦ったという。元同僚は「彼は国を守って亡くなった」と行動をたたえつつ、悲劇が「21世紀の欧州の真ん中」で起きたと憤った。

























