『聖剣伝説 VISIONS of MANA』の体験版で、大臣プサルに同情してしまった
俺は大臣プサルのファンである。
『聖剣伝説 VISIONS of MANA』の体験版をプレイした。機種はPS5とSteamの両方だ。アクションの操作やシナリオの一部が体験できるもので、セーブデータの引き継ぎはない。アクションに関しては、誰もかれもが言及しているので、ここでは触れないでおこう。自分が気になったのは、ただ1点。
悪役であるはずの大臣プサルに、同情してしまったということだけだ。
プサルは、水の都エリスタニアの大臣だ。本作では、仲間の1人であるカリナが「大臣のカギを盗んだという罪を着せられる」イベントがあり、モートレアというキャラから「プサルは野心家で、王の地位を狙っているというウワサがある」と教えられる。おそらく、次の大陸で出会う悪役なのだろう。
だがしかし、この大臣。この時点だとそこまで悪い人には見えない。
むしろ、話がある程度わかる人物にしか見えなかったのだ。
そもそも、このエピソードは「大臣が盗人の罪を着せようとするが勘違いだった」という話なのだが、主人公たちが限りなく怪しいうえに失礼なのでそりゃそうなるわと思ってしまって話に入り込めなかった。
まず、出会いからして無礼である。港町についたカリナが喜び、走っていったことで大臣にぶつかりそうになり、転ばせてしまうのだが……。
転倒した大臣を助け起こすこともなく謝りながら走り去っていくし、それを見ていた仲間たちも「人にぶつかりそうになっていたけど大丈夫かな」「あれなら大丈夫だろう」とカリナの心配しかしていない。カリナが助け起こさなくても、主人公たちが手を貸さないと薄情な人間に見えるのでは……?
この時点で無礼を働いたと言われても仕方がないのだが、大臣は心が広いので転ばされて素通りされたことは気にしていない。心が広すぎるだろ。
その後、カギがないことに気がついた大臣は、カリナがわざとぶつかって盗んだと疑い、怒り出す。ここで問答無用で捕まえるのかと思いきや、主人公がカリナをかばったことで交換条件を出してくるのだ。代わりにカギを見つけてこいとおっしゃる大臣。自分を転ばせた相手に寛容である。
「手がかりもないのに探せだなんて酷い話だ」と思って欲しいイベントなのは間違いないし、普通はそう思うのだが、まず転ばせて助け起こしもせずに駆け抜けていった(&それを平然と主人公たちが見ていた)時点で、全然同情できないし、この大臣はカギが見つかるまで待っててくれる。優しい。言うことは厳しいが、問答無用で投獄したりはしない。そもそも、最初はカギを返せば罪を軽くする、とまで言っているし転んだ時点で助け起こしていたら、普通にもっと話を聞いてくれそうな感じさえあるのだが……。
チャンスをくれてるうえに、ズルをしない。大臣の鏡である。
その後、カギは手違いで別の家に届けられていたというアホ極まりないエピソードを経て発見される。なんというか、いろいろと大丈夫なのか、このイベントは? 体験版で、こんなトンチキイベントを見せて良かったのか!?
しかしながら、主人公たちはカギをただで返すことはしない。
合流した仲間らしき人物が、大臣の背中からカギを落として「背中にカギがついていたよ」と嘘をつく。港の住民たちからはクスクス笑われ、大臣の面目は丸つぶれだ。さあ、これには悪徳大臣も大激怒するだろう。
なんと公衆の面前で笑いものにされても、まったく反論せずに去ってしまうのだ。カギが戻れば怒らないのである。本当に、悪い大臣なのかこの人。俺はもう、すっかり大臣プサルのファンになってしまった。この無礼者どもをマナの樹に捧げる準備はいつでもできておりますよ大臣! 任せてください!!
その後、船に乗ったあとで再び大臣に災難が襲い掛かる。なんと、悪辣なマナの守り人(主人公)たちに腰の剣をすられてしまうのだ。あわや大惨事。もしや大臣は暗殺されてしまうのか。やはり、こいつらは盗人だったのか!
単に聖剣の説明をするのに剣を掲げたかっただけで、とくに何もなかった。剣を大臣に返す描写もなく、そもそも聖剣に関する話が終わったあとは大臣がその場から消えているのである。大臣の剣返してくれよドロボウ!
ここまで絡んでくるということは、きっと製品版では主人公たちに立ちはだかる悪役なのだと思われる。むしろ、ここまで被害者でしかない大臣がどんな悪さをするのか。それが楽しみになってしまった。
そして、今後もこんなトンチキなイベントがあるのか。もともと買うつもりだったが、俺は大臣プサルの為、必ず製品版を買おうと決意した。
俺は大臣プサルのファンである。
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