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『「仕事ができる」とはどういうことか?』(楠木建・山口周)が届く

『「仕事ができる」とはどういうことか?』を読みました。

タイトルを言い換えれば「センスがあるということとは、どういうことか」だと思います。

「スキルとセンス」の楠木建さんと、「サイエンスとアート」の山口周さんの対談です。近しい課題意識を持っているふたりの対話をまとめたもの。

おふたりの著書はそれぞれ好きでしたので予約注文、忘れていた頃にAmazonから届いていました。ラッキー。

「これ好きな話なのですが〜」と、なかには知っているエピソードが出てきますが、あらためて文脈、流れで読むことで理解が深まった気がします。

「この本、ご存知ですか?」「あ、知らないです」という素直なやりとりもおもしろく読みました。

いくつもメモしたり、考えたりする箇所がありまして、感覚でクリップしたところを、かんたんにまとめます。

センスとは

センスとは「月光仮面をかぶった寅さん」のようなもの。「どこの誰かは知らないけれど、誰もが知っている」。で、マスクを取ると中から寅さんが出てくる。「それを言っちゃあ、おしまいよ」と。

スキルのように直接的に伸ばせるものでないという表現です。つかみどころがないからこそ、直結する「仕事ができる」ような人は希少なのであります。

リベラルアーツとは

自分の価値基準を、自分の言葉で、自分以外の誰かに説明できる」こと。自分自身で形成された価値基準があるいうこと、それに自覚的であるということ。これがすなわち「教養」があるということなんですね。

外側から知識を寄せ集めたところで、自分のフィルターを通じていないと、薄っぺらい。そりゃそうですね。

マウンティング3種類

山口周さんは飲み屋で他の席ふくめて会話を聞くのがお好きのようで、マウンティングには3種類あるということです。それは、家柄・偏差値・仕事の活躍

マウンティング合戦(絶対に巻込まれたくない)において、変数としていじれるのはスキルになってくる。「俺はいまどこの位置にいるか」を測るにおいてスキルはやはり相性がいい。

そもそもヒエラルキーが本能的に好きというやばさがあるのだけど、目をつむるしかなさそうです。

で、なかにはセンスを善し悪しで語り、マウンティングしている方もいるそうです。「あれはいい」「あれはダサい」など。

ただ本来、センスは善し悪しでなく、好き嫌いが本質です。ここは戒めですね、やりかねない。

食べ物のように「あれは好き」「あれは自分の好みではない」これでいいんです。

「利益の定義」と「部分と全体」

利益の定義は「WTP-C=P」という単純な式で表せる。そうなんだ!つまり、WTP(willingress to pay=支払意思額)というのは、顧客が払いたくなる水準の金額。

Cはコスト。Pのプロフィットを増大させるためには、WTPが上がるか、Cが下がるか、もしくはその両方かの三つしかない。

で、言いたいのは、この式はじめ全体の樹形図において、自分がどこに位置しているか、どんな機能を果たしているかという関連が見えなくなる。局所化・部分化してしてしまうんです。

部門・担当わりふりは組織として部分最適が起こるのは必然。と考えると「全体感」は日々、それなりに意識していないとむずかしい。

器が大きい=自分が小さい

自分のことで頭がいっぱいで自己を客観視できない状態なのは「自分が大きい」。

で、自分の小さい人は、相手を考えるから貸しが多い。なのに回収しない。「気前がいい」という感覚はたしかに大切ですね。ギバーの話を思い出しました。

オススメです!

意思、直感、仮説、抽象、ストーリー、気前、自分らしさ、ディープラーニング。いろんなキーワードが出てきます。楠木さんの暫定的な結論は「抽象と具体の往復運動」。

抽象度を上げて自分の論理にしたがって個別具体の状況にそれを適応できるから、無駄がなくて意思決定が速い。知識のストックを蓄積させ埋もれて終わらせてしまうのか、うまく引き出して適応させるのか。

センスのある人のプロセスはブラックボックスであって、だからトレーニングしようにも、そもそもできにくい分野。

だからこそ、ここにスポットを当てて、HOWではなく本質のWHATを語る本書は、大事なのだと思っています。また読み返したい本です。

山口周さんに興味がある方は下記もご覧ください。

というわけで以上です!

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