某月某日、この日は帝愛の王である兵藤会長の誕生日!
地下でもそれを祝し、特別にカレーが振る舞われました。
もう2,3人帝愛のトップ生まれてくれないかな・・・!?
しかし賑わう食堂で一人、沼川だけは何か納得のいかない表情を浮かべていました。
というのも・・・何年も地下にいるのですから、確実にこの日はカレーが食べられると分かっているはず。
にも関わらず、わざわざ班長は外出中でした。
グルメな班長がカレーより優先するものとは・・・?
その頃、班長は荷物を背負って山に入っていました。
メジロの鳴き声を耳にしながら、川へ出ると・・・さっそく準備開始!
リュックの中身は炊飯用具でした。
何と、今回の班長の目的はカレー作り!
この日はカレーが振る舞われると知っているからこそ、高まる欲求を中途半端なレベルで妥協したくなかったのですね。
仮に地下のカレーがよく出来ていても、あの空気の悪い環境で食べては台無し。
最も開放的な自然の下で頂いてこそ、100%のカレー欲を発散できるというものです。
そうそう・・・カイジにも話していましたが、心はゴム毬だったよね。
無理に押さえつけては反動が来る。本編からその考えは一貫している。
インド系と日本風、二つのカレーを器用に同時調理する班長。
そして2時間後、美味しそうな匂いが立ち込めてきました・・・!
まずはインド系、バターチキンカレーを味見。
さらなる完璧を目指すためターメリックを追加し、炊き上げたサフランライスの上へ。
一口食べたところで、すかさず・・・
あっという間に完食すると、次は日本のカレーを味見。
こちらはレシピ通りの無難な出来ですが、普通のカレーはそれが一番美味いよね。
胃袋的にはまだ余裕のあった班長ですが、この日に日本のカレーに口をつけたのはこの味見だけ。
こちらは一晩寝かせてからが本番なのですね。
班長自身も一晩寝ると・・・
翌朝、小鳥のさえずりで目を覚ました班長は、川で顔を洗いホットコーヒーで一服。
自然の静けさを満喫しながら、お待ちかねのカレーの準備へ。
おもむろに魔法瓶を取り出すと、中から出てきたのは卵。
70℃のお湯で20分つけていたもの・・・そう、
それは班長としても同じだったようで、
まぁこの場合は半も丁も、どちらも示すところは「美味い」だろうね。
班長は二つのカレーに大満足。
そうこうするうちにタイムリミットまで数時間となりましたが、実は・・・今回のメインイベントはここから。
取り出したのは、ハチミツやにんにくといった種々の調味料。
これから作るのは、班長が大好きな3つのカレー・・・その残る一つ。
それは実家のカレー!
そう・・・今回、真の目的は実家の味を再現することにありました。
舌の記憶を頼りに、まずは日本風の大槻カレーにトマト缶、すりおろし生姜を投入。
すると・・・脳裏に在りし日の光景、遠くで手を振るおふくろの姿が蘇りました・・・!
その後も慎重に記憶をたどって行くと、
いよいよ最後の一味も、班長はヨーグルトと確信。
これはパーフェクトだな。 三口くーださ・・・
班長は慌ててヨーグルトをすくい上げますが、時既に遅し。
半分以上がルーに溶け切った後でした。
せっかく目前まで迫っていた
おふくろの味も・・・
そして帰りの車内で慰めてあげる宮本さん、相変わらず優しい。
近場で監視していて察したのか、まさか班長が事情を説明したのか、どちらにせよもはや単なる黒服と囚人の仲じゃないね。このコンビは好きだな。
トネガワに勝るとも劣らない、安定した面白さ。
単行本もバカ売れしているようですし、見事に軌道に乗りましたね。