Customize Consent Preferences

We use cookies to help you navigate efficiently and perform certain functions. You will find detailed information about all cookies under each consent category below.

The cookies that are categorized as "Necessary" are stored on your browser as they are essential for enabling the basic functionalities of the site. ... 

Always Active

Necessary cookies are required to enable the basic features of this site, such as providing secure log-in or adjusting your consent preferences. These cookies do not store any personally identifiable data.

Functional cookies help perform certain functionalities like sharing the content of the website on social media platforms, collecting feedback, and other third-party features.

Analytical cookies are used to understand how visitors interact with the website. These cookies help provide information on metrics such as the number of visitors, bounce rate, traffic source, etc.

Performance cookies are used to understand and analyze the key performance indexes of the website which helps in delivering a better user experience for the visitors.

Advertisement cookies are used to provide visitors with customized advertisements based on the pages you visited previously and to analyze the effectiveness of the ad campaigns.

Other uncategorized cookies are those that are being analyzed and have not been classified into a category as yet.

生成AI対談|ジールス生成AIチームを率いる2人が語る生成AIプロダクトの可能性

Written by zeals recruit | 2024/03/19

Head of Prompt EngineeringのGreg Bennettを迎え、ますます体制が強化されたジールスの生成AIチーム。今回は、GregとHead of AIのMatthieu Destepheが「生成AIプロダクトの可能性」について対談しました。その様子をお届けします。
  • Greg Bennett|Head of Prompt Engineering

    ジョージタウン大学で社会言語学を専攻、修了。
    マイクロソフト株式会社にて、対話型AIのキャリアをスタートし、個人の生産性を高めるAIアシスタント「Cortana」の研究開発に従事。YahooにてSearch Editorを勤めた後、セールスフォース米国本社のConversation Design部門でDirectorとして、CRM向け生成AI「Einstein GPT」を活用したプロンプトエンジニアリングを主導。社会言語学および会話分析メソッドに基づき、同社のプロンプトエンジニアリングのフレームワークを確立し、17の事業部門にわたる品質、一貫性、包括性の基準を設定するなど大きな貢献を果たした。

  • Matthieu Destephe|Head of AI

    早稲田大学でロボティクスの博士号を取得し、AIと機械学習の領域で豊富な専門知識を有す。ソフトバンクロボティクスジャパンでのテックリードおよびエンジニアリングマネージャーとしてのキャリアをスタートさせた後、ボストンコンサルティンググループのBCG GAMMA※にてAIソリューションアーキテクトおよびデータサイエンティストを務める。後に、メルカリのAI研究を主導し、Search Engineering Division内のチームを指揮しながら検索の関連性向上において大きな貢献を果たした。
    ※先進的なデータアナリティクスに基づく組織変革支援を行う組織

 自己紹介をお願いします。

Greg:Gregです。ジールスではプロンプトエンジニアリングと同チームの責任者を務めています。目下のミッションは、プロンプトテンプレート、テスト手順、ドキュメンテーション周辺の基盤を確立し、プロンプトやモデルの出力に関するレビューとフィードバックの文化を構築することです。

Matai:昨年9月にジールスにジョインしたMataiです。AIチームの責任者を務めています。主な役割は、生成AIとML(Machine Learning)に関するジールスの戦略を定義することです。特にML、MLOps、検索&リコメンデーションの周辺では、エンジニアリングチームに技術的な指導と業界のベストプラクティスを提供することを心がけています。プロンプトエンジニアリングは私たちのLLM(大規模言語モデル)との作業において根源的な要素であるため、Gregとは密に協力しています。

きっかけは、ジールスの可能性とビジョン

ジールスに入社したきっかけは何ですか?

Greg:昨年、サンフランシスコでCEOのMasa(清水)とランチをしたのが最初のきっかけです。その時、Masaはジールスのプロダクトとビジョンについて語ってくれました。中でも日本国内だけでなく、米国を含むグローバル市場にチャットコマースを拡大していくということを熱心に伝えてくれました。

今年に入って、ジールスを生成AI分野のイノベーションリーダーに進化させるために私のこれまでの経験と力を発揮することになりました。Mataiや彼のチーム、経営陣、およびパートナーと協力して、高度なパーソナライズが可能でスケーラブルなプロンプトを開発することにとてもワクワクしています。

Matai:会話型AIと生成AIは、まだまだこれから進化する分野です。これらの技術とアプリケーションは既に世界と私たちの働き方を大きく変えています。そんな革命を起こす一味でありたかったことはもちろん、Masaは私を納得させるだけの夢と情熱を持っていました。

生成AI領域における両者のキャリア

生成AIの領域におけるキャリアと、その進化をどのように見てきたか教えてください。

Greg:当時は気づいていませんでしたが、振り返ると私の生成AIとの歩みは、約4年前にSalesforceでカンバセーションデザイン部門を設立した時に始まったんだと思います。このタイミングがAI研究チームとより密接に働き始めた時でもあり、そこでは自然言語生成(NLG)の実験が日常的に行われていました。

この時の経験をもとに、私は「NLGは社会言語学のレンズを通して積極的に設計されるべきだ」という考えを発展させ、2022年にワシントンD.C.で開催されたVOICEサミットでの基調講演で取り上げました。プレゼンを終えた直後から、今でいうSalesforceのAI Cloud製品のためのプロンプトエンジニアリングの仕事を始めました。

今では、新しいモデルが週単位でリリースされているような状況です。ツールが進化し続けている中でも、会話型AIソリューションを開発する上で重要な前提は変わらず以下の4つに集約されます。

(1) 会話の目標を定義する
(2) 会話のスタイルやトーンに細心の注意を払う
(3) よくメンテナンスされた正確な顧客データで会話をパーソナライズする
(4) 制約のためのデザインを行う

ジールスのプロンプトデザインチームでは、これらの要因がすべて私たちのプロンプトで考慮されるようにしています。

Matai:私が生成AI分野に足を踏み入れたのは、2010年代初頭に大学院での研究時でした。当時、私は「隠れマルコフモデル(HMM)」に取り組んでいました。私たちは自分たちの仕事を生成AIとは呼ばず、またそのための技術も今日一般的なモデルの能力を持っていませんでした。

この状況は、2015年頃に新しいシェイクスピアのテキストを生成するために使用された「再帰的ニューラルネットワーク(RNN)」の導入とともに変化し始めました。話題にはなったものの、私は生成AIにおけるその可能性については懐疑的だったんです。そんな中で「敵対的生成ネットワーク(GAN)」の出現は、私にとって重要な転換点となりました。個人的にも職業的にも、GANという技術を深く掘り下げ、より多くのボリュームを必要とするデータセットを合成的に拡張するために使用していました。

2020年初頭には、GPT-2をファインチューニングにかけてパワーメタルの歌詞を作成し、これらのモデルの創造的な可能性を模索していました。OpenAIが毎年ますます進んだモデルを発表し続けるにつれて、これらの個人的なプロジェクトと職業的なプロジェクトを統合してきました。今日、私たちはさまざまなアプリケーションにユニークな能力を提供する、オープンソースとプロプライエタリの両方の広範なモデルに囲まれています。生成AIに関わる上ではまさに刺激的な時期であり、私たちの未来には無限の可能性があると思っています

生成AIとの出会いとその可能性

生成AIに初めて出会った時の状況と、この分野を仕事にすることに魅力を感じた理由は何ですか?

Greg:私はOpenAIのGPT-3モデルを2022年初頭に使用し始めました。このモデルは自然言語の指示を通じてエッセイのようなテキストを生成することができました。当時、私が率いていたチームはかなりスリムだったので、私はこの新しいテクノロジーを「カンバセーションデザイナーの可能性を拡張する増幅器」と見なしました。手動でテキストを書く負荷を減らし、代わりに各デザイナーのフォーカスポイントをインタラクションデザインに仕向ける方法として役立つと考えたんです。

Matai:私は根っからのクリエイティブな人間で、他のソフトウェアエンジニアたちと同じように、新しい形式のメディアをコンピュータが生成することに魅力を感じています。生成AIに初めて出会った時、それはまだ初期段階で、主にシンプルなテキストに焦点を当てており、画像生成タスクではまだまだ不得手でした。

技術自体は興味深いものでしたが、その応用は限定的であり、アウトプットはしばしば専門的な使用に必要な洗練さや細かなニュアンスを欠いていました。

これらの制限があったにも関わらず、一方で創造的かつ商業的な応用の可能性は明らかで、私の興味をそそりました。この分野で働くことに魅力を感じたのは、この技術が与えてくれた課題と機会によってでした。

初期段階でさえ、生成AIは創造的なプロセスを自動化し、強化することによってコンテンツ作成を革命的に変えると約束されていました。マーケティング資料から芸術作品まで、新しいコンテンツを生成する生成AIのアイデアは、魅力的であり有望です。

生成AIに深く潜り込むにつれ、マーケティング業界を変革するその潜在力にワクワクしました。スケーラブルでパーソナライズされたコンテンツを生成し、個々の好みに合わせた体験を提供し、AIを使用してエンゲージメントと革新的なコンテンツを作成する能力は、まさにゲームチェンジャーと呼ぶべきでしょう。

これはまたデータドリブンなインサイトとクリエイティブ表現のギャップを埋める方法を提供し、マーケターがより影響力のある効率的な方法で彼らのオーディエンスにリーチすることを可能にすると思います今日、ジールスのAI責任者として、これらの進歩を応用する最前線にいることを誇りに思います。私たちの仕事は、最新の生成AIを活用して、ブランドが顧客とつながる方法を再定義し、パーソナライズされたダイナミックなコンテンツを通じてエンゲージメントを強化することです。生成AIの初期から現在の能力に至るまでの過程はもちろんですが、今後も私たちが想像できないような進化を遂げるテクノロジーの限界を押し広げ続けることが楽しみです。

生成AIの進化におけるジールスの戦略

生成AI技術の発展において最も重要なマイルストーンを、お二人は何だと思っていますか?

Greg:個人的な見解ですが、生成AIにおける最も革新的な開発はLLM(大規模言語モデル)をジェイルブレイクしたいと望む攻撃的なユーザーから(それらのユーザーからの対応をしようとして)起こっていると思っています。毎日、インジェクション攻撃を使ってLLMをジェイルブレイクする新しい技術が登場しています。最初はソースコードを求める単純なコマンドから始まり、すぐにモデルとの言語を切り替えて悪意のある指示に従わせる方法に進化し、今では最も効果的なジェイルブレイクを考え出すための思考の木(tree-of-thought)推論方法さえあります。当然のことながら、これらに対抗するために私とジールスのチームはさらに創造的な防御メカニズムを設計するように努めています。

Matai:生成AI技術の進化は、その現在の能力と応用を形作るいくつかの重要なマイルストーンによって特徴づけられています。最初の重要な開発の一つは、2014年の敵対的生成ネットワーク(GAN)の導入でした。GANは非常にリアルな画像を生成する能力を実現し、創造的および商業的利用の新たな可能性を開きました。別の画期的な出来事は、2017年のトランスフォーマーアーキテクチャの登場であり、”Attention is All You Need”の論文で詳述されました。このアーキテクチャは自然言語処理の進歩の道を開き、OpenAIによるGPT-2やGPT-3のようなモデルの開発につながりました。これらのモデルは、人間のようなテキストを理解し生成する前例のない能力を示し、言語ベースのタスクでAIとのやり取りを革命的に変えました。

ディフュージョンモデルの出現は、特に画像生成の領域で生成AIの能力をさらに拡大しました。これらのモデルは生成された画像の品質と多彩さを向上させ、アートやデザインからマーケティング、エンターテインメントに至るまでの分野で欠かせないツールとなっています。ジールスでは、これらのマイルストーンを単なる成果としてではなく、企業が顧客と関わる方法を変革する未来への足掛かりとして捉えています。これらの技術を活用することで、個人レベルに影響を及ぼす革新的なマーケティングソリューションを創出しており、生成AIがデジタル時代の創造性とつながりを再定義する可能性を示しています。

ジールスはこのような状況に対してどのように適応していくつもりですか?

Greg: 大局的に見て、ジールスは生成AI活用の先駆者と捉えています。セールス領域における生成AIのユースケースを考えた場合、私達のプロダクト及びチームは機敏で、革新的で、スケーラブルである必要があると考えています。プロンプトエンジニアリングをリードする私の目標は、プロンプトテンプレートに十分な情報と構造を提供することで(我々のプロダクトの)ユーザーが自分のゴールを迅速かつ安全に達成できるようにすることです。

Matai: 私もジールスのことを生成AIの変革的な力を活用してデジタルマーケティングの風景を再定義する先駆者として見ています。私たちのユニークなアプローチは、最先端のAI技術を活用して、深いレベルでオーディエンスと共鳴する、非常にパーソナライズされた魅力的なコンテンツを作成することにあります。最先端の生成AIテクノロジーを取り込むことで、マーケターは革新的でスケーラブルで、そして効率的なマーケティングキャンペーンを作成することができ、顧客とブランドとのエンゲージメント次のレベルにまで昇華していきます。

生成AIの能力を探求し拡大し続ける中で、旧来型のマーケティングよりもパーソナライズされ、よりユーザーを没入させ、影響力のある新しいマーケティングの未来を作っていきたいと考えています。

生成AIの未来について

今後5〜10年で生成AIの分野はどのような方向に進むと思いますか?

Greg: 次の5〜10年で、プロンプトエンジニアリングが完全に自動化されることを期待しています。私たちが仕事を正しく行っていれば、今のように手動でプロンプトを作成することはなくなり、代わりに監査、調整、そして理想的には一度に数十人または数百人の顧客に会話体験を提供することができるようになると思っています。

Matai:次の5〜10年で、生成AIの分野は前例のない成長を遂げることが予想され、現在の制約を超えて新しい創造性、効率性、そしてパーソナライゼーションの新境地を開いていくと思ってます。私たちは、生成AIが日常のビジネスプロセスにシームレスに統合され、さまざまな業界でよりダイナミックで没入感のある体験を可能にする未来を期待しています。

この技術は、コンテンツの作成を強化するだけでなく、製品設計、顧客サービス、そして個別の好みに合わせたパーソナライズされたコミュニケーションを革新し、より魅力的で個々の好みに合わせたインタラクションを可能にします。ジールスでは、この変革の最前線に立ち、生成AIの潜在能力を徹底活用した革新的なソリューションを開発することを目指しています。合わせてこれらの技術の採用を推進し、デジタルマーケティングにおける新たな卓越性の基準を設定する主要なプレイヤーになっていきたいですね。生成AIプロダクトの能力を継続的に進化させ、業界のトレンドを先取りすることで、世界中のビジネスが生成AIの力を活用し、かつてない成長と成功を達成できるよう支援したいと考えています。

最後に

あなたの経験を振り返って、生成AIのキャリアを通じてもっと早く知っておきたかったと思う教訓や洞察はありますか?

Greg: Go straight to the Jupyter Notebook.
(意訳:ジュピターノートブックに直行!)

Matai: Get your hands dirty (and don’t forget to clean them before eating)!
(意訳:手を汚そう!(食べる前に手をきれいにするのを忘れずに)

  • Facebookシェア
  • twitterシェア
  • twitterシェア