2027年度以降の富山県の県立高校の再編をめぐり、焦点となっているのが高校のある地域の意見、考えをどう反映するかです。
少子化に伴う生徒減少が進むなか、県教育委員会は高校再編について地域住民の声を聞く意見交換会を始めました。

県立高校の再編や学科・コースの見直しなどを進めるため県教育委員会が4つの学区で開く意見交換会。
4日、高岡市でスタートしました。

集まったのは、高校の教師や地域住民など55人。
県教委は、14年後の中学校の卒業予定者は今より3割以上減る見通しであることを説明し、県立高校の目指すべき姿について意見を求めました。

*高校教師
「子どもが減っていくからこそ、予算などをつけて、より教育を充実をさせるチャンスではないか」

*高岡市民
「他県から富山県へ流入していくような形になったら面白い」

*高岡市で勤務(南砺市民)
「少しずつ金沢に通う子どもが増えていると聞く。県内にはない魅力があって行っていると思うが、分析は?」

*廣島 県教育長
「10年前は県外へ進学する生徒が2ケタだったのが、今は3ケタになっている。県立高校としては子どもたちに魅力のあるものを提供していく」

意見交換会では、現役の高校生も参加し、自らの意見を述べました。

*大門高校の生徒
「僕は大門高校で1学年3学級の小規模校。再編統合の対象が1学年4学級未満、小規模校があまり良くないみたいなイメージがあるのかな。小規模だからこそ、色んな先生と関われたし、色々なことに挑戦できた。高校のことを一番知っているのは、学校にいる先生や生徒。経済界の人だと言われても、よくわからない人。偉い大人たちで勝手に決めるのではなく僕たちの意見を尊重して決めてほしい」

*廣島 県教育長
「小規模校をすべて否定しているわけでない。『全部の規模が小さくなっていいのか』がひとつの問題。色んなバリエーションがあることが大切」

県教育委員会が高校のある地域住民の意見、考えに耳を傾ける場と位置付ける意見交換会。
参加者を前に、新田知事は高校再編を巡り市町村長から反発がある現状を踏まえ、「高校や学級の数が減るのはあくまで県の責任」と述べ、県が主導していく考えを強調しました。

*新田知事
「市長や町長の責任で高校がなくなる、クラスが減ることはない。あくまで県立高校、富山県の考えで決めて、県が将来を見通して苦渋の決断だが、やらざるを得ないと。決して市長や町長の責任でないことは理解してほしい」

*新田知事
「県立高校についての一連の取り組みは、とにかく丁寧にこまめにをモットーにやっている」

一方、意見交換会に300人を募ったところ、参加者が55人にとどまったことについては…。

*新田知事
「熱中症警戒アラートの中で貴重な日曜日に(集まってもらった)会場を準備する都合で(参加者の)めどは決めているが、これに達しなかったから失敗とは全く思っていない。たくさん集まっていただいたと率直にありがたく思っている」

意見交換会は今月10日にかけて富山、新川、砺波学区でも開かれます。

県立高校の再編については、県教育委員会が、今回とは別に、県内4つの学区でワークショップを開き、市町村の教育長や高校の校長、経済界の代表などから意見を聞いています。
学区ごとに3巡する予定で、現在2巡目まで終了しました。

これに対し、今回の意見交換会は誰でも参加でき、4日は現役の高校生の姿もありました。
意見交換会も2巡する予定です。

出された意見は、今後、「県総合教育会議」での議論に反映させるとしています。
県教育委員会にとっては、地域の生の声を聞く格好の機会であり、活発に意見が交わされることが求められます。

富山テレビ
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