「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた
楽しい食事中、ふと“招かれざる客”を見つけてしまい、げんなりした経験はないだろうか。いつの間にか現れ、食卓を静かに飛び回る「コバエ」である。蚊のように羽音がうるさくないだけマシだし、ただ飛んでいるだけなら許容範囲かもしれないが、もしそのまま料理に止まってしまったら…? 【写真を見る】「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた たとえば、お盆に帰省したとしよう。家族との久々の再会を喜び、食卓を囲めば「やっぱり実家の味が一番だなぁ」と箸が進む、進む。 しかし次の瞬間、どこからか飛んできたコバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった! どうする…コバエが止まってしまった部分だけ、あるいは、そのお皿の料理を丸ごと捨てるべきか。ただ、せっかくの家族の手料理だし、捨てるのは忍びない。何も見なかったフリをし、黙って食べ続けることもできるが…それ以前に、コバエによる健康被害はないのか? そこで今回は、一般財団法人日本環境衛生センターの環境生物・住環境部で部長を務める橋本知幸さんに、コバエが料理に及ぼしうる影響を聞いた。 ──そもそも、コバエというのは小さいハエの総称ですよね?具体的には、どのようなコバエが食卓に寄ってきやすいのか教えてください。 「一番多いのは、ノミバエとショウジョウバエです。ノミバエは料理全般、特に動物が腐ったものに好んでやってきます。すたすた歩くのが得意で、料理やテーブルや食器の表面を移動していれば、ノミバエの可能性が高いでしょう。 一方でショウジョウバエは、お酒や発酵したものに誘因されやすいです。ふわふわ飛んで、やんわり料理に止まって、あまり歩きません」 ──かつて自分が目撃したコバエは、しつこく料理の上をうろちょろしていたので、ノミバエだったのだと思います。やはり少なからず、影響はあるのでしょうか。 「コバエは汚い排水溝やトイレなどに止まっているので、足や口についたバクテリア(細菌)を料理に運んでくる可能性は、完全に否定されるものではないですね。 ただ、料理に数秒止まったくらいで、健康被害が出るようなレベルまでバクテリアが移ることは考えにくいと思います。私だったらコバエが料理に止まっても、払ってよけて食べてしまうかもしれません」