「取調室で『吐け』と自白強要」 誤認逮捕され提訴の女性が意見陳述
誤認逮捕された兵庫県尼崎市の60代女性が、県と国、コンビニ運営会社を相手取り330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、神戸地裁(冨上智子裁判長)であった。
女性は意見陳述で「吐け」と自白を強要された、と述べた。
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県と国、運営会社側は請求棄却を求めている。
訴状や県警の発表などによると、昨年11月30日、女性が勤めていた尼崎市内のコンビニ店から現金が盗まれたと運営会社が通報。女性は関与を否定していたが、翌日未明に窃盗容疑で県警に逮捕された。
その後、被害がなかったことが確認され、誤認逮捕が判明した。女性は逮捕から約14時間半後に釈放されたという。
女性は違法な逮捕などにより精神的損害を受けたと主張。この日の意見陳述で女性は「『自分が取ったと吐け』と狭い取調室で何人もの警察官から言われ、逮捕状が発付されると、手錠をかけられ、縄で椅子にくくりつけられた」と主張した。
誤認逮捕以降、生活は一変し、夜眠れずフラッシュバックを起こすことがあるといい、「ほんのわずかな注意を払えば誤認逮捕を避けることができたはずだ」と述べた。
自白を強要するような発言や、椅子にくくりつけた行為について県警監察官室は「回答を差し控えます」としている。
原告代理人によると、県側は誤認逮捕の事実は認めたものの、損害額で争う姿勢。運営会社側は被害申告した違法性や損害額について争う姿勢だという。